
【J1第8節】今季初対決!プライドを懸けた“東京ダービー”開戦、互いに一歩も譲らぬ勝敗の行方は
2025年4月2日、味の素スタジアムで東京ヴェルディvs FC東京による、今季初の“東京ダービー”が行われた。開幕から連敗スタートとなった東京Vだが、直近5試合では2勝2分1敗と復調傾向。前節の柏レイソル戦ではクリーンシートを達成し、上位相手にスコアレスで勝ち点1をもぎとるなど、本来の粘り強さと組織的な守備を取り戻しつつある。対するFC東京は、勝ちきれない試合が続く。昨季16年ぶりにJ1での対戦が実現した両者は、これまでの通算対戦成績が6勝6分6敗とまさに五分。東京をホームとする2クラブが、誇りをかけてぶつかるダービーマッチを振り返る。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

ミラーゲームで探る勝機、スタメン継続の東京Vと再編のFC東京
ホームの東京Vは、前節・柏戦と同じメンバーを継続起用。中盤MF齋藤功佑の相棒として、FC東京アカデミー出身でもあるMF平川怜が入り、柏戦ではメンバー外だったDF宮原和也がベンチ入りを果たした。一方、前節・川崎フロンターレに0‐3と完敗したFC東京は、先発メンバーを3人変更。最終ラインにはDFエンリケ・トレヴィザンとDF木本恭生を加え、FWエヴェルトン・ガウディーノが5試合ぶりにスタメン復帰。リーグ戦4試合連続で無得点の状況を打破すべく、前線にはFW佐藤恵允が起用された。両チームともに、守備の安定感と攻撃の自由度を両立できる3-4-2-1のフォーメーションを採用。早くも熱気に包まれるなか、“東京ダービー”は幕を開けた。
FC東京がボールを支配も東京Vが球際で存在感、互いに譲らぬ前半戦
試合序盤はFC東京がボールを保持し、主導権を握る展開に。しかし、時間の経過とともに東京Vが球際の強さを発揮し始め、流れを引き寄せる。最初のチャンスは前半19分 、左サイドを突破した齋藤のクロスにFW染野唯月が頭で合わせるが、これはGK野澤大志ブランドンがセーブ。だが、直後のCKからフリーになったDF林尚輝がヘディングシュートを叩き込み、東京Vが先制点を挙げた。1点を追う展開となったFC東京は、23分にFW佐藤のスルーパスからMF俵積田晃太が抜け出してビッグチャンスを迎えるも、GKマテウスの好セーブに阻まれる。なおもボールポゼッションで優位に立つFC東京は43分、MF高宇洋のロングボールに反応した佐藤が背後に抜け出し、バウンドするボールをゴールへ流し込み、試合を振り出しに戻した。チームにとって4試合ぶりの得点である。
決定機連続の後半、一進一退で最後まで読めない展開に
1-1で迎えた後半開始直後、FC東京が決定機を作る。俵積田からの縦パスを受けたFWガウディーノがエリア内で受けシュートを放つも、マテウスがブロック。こぼれたボールを佐藤が狙うが枠を外し、またもやゴールならず。一方の東京Vは52分、MF綱島悠斗の縦パスからFW木村勇大がチャンスを作るが、トレヴィザンのカバーに阻まれる。しかし、ゴール前で野澤へプレスを仕掛けた染野が、ボールを奪ってそのままゴールへ流し込み、勝ち越しに成功。染野にとっては今季初得点となった。
その後も東京Vは攻撃の手を緩めない。55分にはMF翁長聖のロングボールから染野が強烈なシュートを放つも、野澤がセーブ。さらに62分にも齋藤のパスを受けたMF松橋優安の強烈なミドルがクロスバーを叩くなど、惜しい場面はあったが追加点とはならなかった。
反撃に出るFC東京は71分、FW仲川輝人のパスからMF東慶悟が合わせるが、ゴール左に外れてしまう。しかし、試合終盤の88分、MF安斎颯馬のクロスをトレヴィザンが頭で合わせ、貴重な同点弾を叩き込んだ。攻守が目まぐるしく入れ替わるなか、終盤まで緊張感の続いた試合は2-2で幕を閉じた。
譲れぬ誇りが交錯した90分、決着は次の舞台へ
最後まで互いに譲らぬ展開となった今節。東京Vは連携の成熟を感じさせる守備と攻守の切り替えで魅せ、特に前線の染野は守備からゴールまで存在感を発揮した。マテウスの好セーブも要所で光り、チームを支えた。一方、FC東京は佐藤が得点に絡み、若手からベテランまでバランスよく攻撃のリズムを作った。終盤のトレヴィザンの同点弾は、苦しい展開でもあきらめないチームを象徴するような1点となった。
サポーターの声援に後押しされ、ピッチ上の選手たちがその想いに応えるようにぶつかりあった“東京ダービー”。引き分けに終わったものの、互いの意地とプライドが随所に表れた90分だった。シーズン後半での再戦も期待せずにはいられない。
DAZN「明治安田J1リーグハイライト【PICK UP
MATCH】東京VvsFC東京:第8節」(2025年4月2日)より
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