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東・山﨑・宮城・今井が激突!今季最多勝を狙うエースピッチャーを予想

セ・パ同時にプロ野球が開幕して早くも3週間が経過。昨季、優勝した2チームには読売ジャイアンツの菅野智之(現・ボルチモア・オリオールズ)、ソフトバンクホークスの有原航平という最多勝を挙げた投手がいた。また、例年の順位を見てみてもエースが活躍していたチームの躍進が際立っている。そこで、今季チームの躍進を担うであろうエース格で、最多勝争いをするであろう投手をリーグ別に予想していく。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

Icon setodaiki ph 瀬戸大希 | 2025/04/22

菅野が抜けてセ・リーグの最多勝争いは激化

昨季は15勝3敗、防御率1.67という圧倒的な数字をマークした菅野智之が最多勝に輝いたセ・リーグ。2020年ぶりとなる復活劇は見事だったが、そんな菅野はメジャーリーグへ移籍。本命がいなくなったこともあり、今季の最多勝争いは熾烈を極めそうだ。

小柄ながらスタミナ十分なベイスターズ・東

そんななかで最多勝争いの最有力候補となるのが、横浜DeNAベイスターズのエース左腕・東克樹だろう。2023年に16勝、2024年に13勝を挙げているほか、直近3年間でのクオリティースタート(7回3失点以内)率は12球団トップで実績は十分。今季もすでに2勝を挙げている。

東の武器といえば、140キロ中盤のストレートと同じ腕の振りで繰り出される独特の変化をするチェンジアップ。打者の手元で減速するように落ちていくこの魔球は今季も健在で、4月17日のジャイアンツ戦でも10奪三振を奪っている。小柄ながら強靭な下半身を持っておりスタミナもあるので、強力打線の援護もあれば15勝以上は可能だろう。

ドジャースを抑えたタイガースの若きエース・才木

阪神タイガースのエースに成長した右腕・才木浩人も最多勝を狙える存在だ。昨季は初となる規定投球回に到達して13勝をマーク。チームトップの4完投を記録するなどエースに成長。3月のロサンゼルス・ドジャースとのプレマッチでは大谷翔平から三振を奪うなど、メジャー関係者を驚かせる快投を見せた。

今季は制球を乱す場面も多いが、150キロを超える回転数の多いストレートと落差の大きいフォークで相手打者に迫っていく投球スタイルを取り戻しつつある。才木が本調子に戻れば、自身の最多勝はもちろん、チームも勢いに乗っていけるはずだ。

波に乗るカープを支える期待のサウスポー・森

オープン戦で好投し、先発ローテーションを勝ち取った広島東洋カープの森翔平も最多勝争いに絡んできそうだ。

ここまで3勝を挙げ、好調のチームを引っ張る森は何が変わったのか?昨季までピンチになると力んで甘いボールを投じてしまうことが多かったが、今季はピンチを背負っても動じずにテンポのいい投球ができるように成長。オフにシカゴ・カブスの今永と自主トレに参加して、“脱力”を学んだ成果を発揮している。また、フォークやカットボール、チェンジアップといった変化球のコントロールがよくなったことも成績向上の理由だろう。チームに刺激を与えるサウスポーが最多勝を奪うかもしれない。

菅野の穴を埋める無傷の右腕・山﨑

菅野が抜けた穴を埋める活躍を見せている読売ジャイアンツの山﨑伊織はここまで無傷の3勝で防御率も驚異の0.00。無双のピッチングを見せつけて、不調の戸郷翔征に代わってエースとして君臨している。

2年連続10勝をマークして迎えたプロ5年目の山﨑は、オフに徹底した走り込みを行なったほか、食事改善にも取り組むなど意識改革に励んだ。また、開幕前にコーチの助言でフォークの握りを変えてみたところ球速がアップ。ストレートと思って振ってくる打者を面白いように打ち取れるようになった。

元々すべての球種がハイレベルなだけに、進化を遂げた山﨑が最多勝に輝いてもおかしくはないだろう。

パは緩急自在の投球の宮城が最多勝候補

パ・リーグは昨季14勝7敗で最多勝に輝いた有原航平が不調で、最多勝に早くも黄色信号が灯っている。そんななか、ここまで2勝を挙げて防御率1.88という安定した成績を収めるオリックス・バファローズの宮城大弥が最多勝に最も近い存在と言えるだろう。

今季も開幕投手に抜擢されて、150キロを超えるストレートと80キロ台のカーブ、スライダーやチェンジアップを駆使して7回までパーフェクトピッチングを披露。史上初となる開幕戦での完全試合が期待されたが、内野安打で記録は消滅。しかし、その後の登板に引きずることはなく、危なげない投球で連勝。緩急自在の投球術と大胆な内角攻めで打者を翻弄しており、左大胸筋の筋損傷で一時離脱した昨季のうっぷんを晴らしてくれるだろう。

唯一無二のスライダーで最多勝に挑むライオンズ・今井

宮城を追走する最多勝候補は、埼玉西武ライオンズの本格派右腕・今井達也だ。昨季、最多奪三振のタイトルを獲得し2年連続開幕投手を任されたエースは今季も好調。曲がりながら縦に落ちていく唯一無二の高速スライダーとストレートを武器に、ここまで2勝ながら大崩れすることなく、しっかりとゲームを作っている。4月18日のホークス戦では1点こそ奪われたものの、8回ノーヒットの完璧な投球を見せた。貧打に泣き続ける打線の援護さえあれば、17勝超えも可能だ。

FA移籍してきた九里は最多勝の返り咲きを狙う

広島東洋カープからオリックスバファローズにFA移籍してきた九里亜蓮もタイトルを狙える存在だ。カープ時代の2021年に13勝を挙げて最多勝を獲得して以来、2ケタ勝利を達成できていないが、今季は体調も万全でメンタル面でも進化。多彩な変化球を駆使しながら打者に的を絞らせず、丁寧に打たせて取る投球スタイルを貫いている。4月18日の北海道日本ハムファイターズ戦でも9回1失点で完投勝ちを収め、3勝目をマークした。

今季はバファローズ打線が好調なだけあって、クオリティースタートを続けていけばおのずと最多勝も見えてくるだろう。