
復活の可能性はあるのか?正念場に立たされたアラフォープレーヤーたち
35歳を超え“アラフォー”と呼ばれる世代になった現役選手たちの多くが、正念場に立たされている。スランプや勤続疲労、若手の台頭などそれぞれ理由はあるが、全盛期とはほど遠い結果に歯がゆい思いをしているファンも多い。再び輝きを放つ姿を見たいところだが、実情はどうなのか。アラフォープレーヤーたちに復活の可能性があるかどうかを見極めていく。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

3000本安打を狙う坂本勇人は打撃不振で2軍降格
ルーキー時代から1軍の試合に出場し、通算で2419安打を放ってきた読売ジャイアンツのレジェンド選手・坂本勇人も36歳を迎えた。2020年には右打者として最年少となる31歳10カ月で通算2000本安打を達成するなど、3000本安打も夢ではないペースで打ち続けていたが、持病の腰痛が悪化し始めた2022年ごろから好不調の波が激しくなっていった。疲労を軽減するために不動のショートからサード転向を果たしたが、昨季は打率.238と大不振に。レギュラーの座を若手に譲ることも増えた。
今季は開幕スタメンを掴むものの、11試合に出場して打率.129。4安打0本塁打2打点といまだ不振が続いており、4月15日に出場選手登録を抹消。無期限での2軍調整となった。
歩幅を狭める、重心を高くして構えるなどフォーム改造に関して試行錯誤を続けており、引き続き2軍遠征に帯同する予定だという。体力的には問題なさそうで、新しいフォームの感覚さえ合うようになれば、1軍復帰もそう遠くはないだろう。プライドを捨てて2軍戦でも全力で取り組む姿は「さすが」の一言。なんとか意地を見せて、もうひと花咲かせてほしい。
日米通算200勝を通過点にしたい田中将大だが…
東北楽天ゴールデンイーグルスを自由契約となり、今季から読売ジャイアンツでプレーしている田中将大も坂本と同じく36歳に。2013年には24勝0敗という偉業を成し遂げてイーグルスの日本一に貢献したほか、メジャー移籍後はニューヨーク・ヤンキースのエースとしても活躍。日米通算198勝を挙げているが、大台の200勝までの残り2勝となったところで苦戦している。
今季初登板となった4月3日の中日ドラゴンズ戦では2年ぶりの勝利を飾ったものの、4月17日の横浜DeNAベイスターズ戦は大炎上。1回に2失点すると2回は3連続タイムリーを浴びるなど、6失点でノックアウト。52球を投げて7安打1四球で降板した。全盛期のようにストレートに威力がなく、甘く入った得意球のスプリットを狙い打ちされてしまっていた。また、変化球で腕が緩むんでしまうクセが見抜かれていたようだ。次回登板は5月1日の広島東洋カープ戦が最有力となっているが、このまま“マー君”は終わってしまうのか?今季でプロ生活を終わらないためにも、投球スタイルを一から見直すことが重要になるだろう。これまでの力感あるピッチングを捨てて、カーブなどの緩いボールをうまく使って打たせて取るスタイルにモデルチェンジすれば、復活できる道は残っている。
ドラゴンズの左腕エース・大野雄大は復活の兆し
2020年に11勝6敗、防御率1.82、148奪三振で最優秀防御率と最多奪三振を獲得して投手2冠を達成し、沢村賞にも選出された中日ドラゴンズの左腕エース・大野雄大も36歳となり、ベテランの域に差し掛かっている。2023年に左ヒジの遊離軟骨除去手術を受けた影響でここ2年は2勝しか挙げられず、チームに貢献できていなかった大野。それでも今季は、キャンプからペースを上げて2月上旬から打撃投手を務めるなど、状態のよさを見せている。4月10日のカープ戦に先発すると6回2安打無失点の好投。チームは延長の末に敗れてしまい、今季初勝利とはならなかったが、復活を印象づける素晴らしいピッチングを披露した。
140キロ中盤のストレートとツーシーム、スライダーを軸に打者を翻弄させるスタイルは健在で、以前のように完投や長いイニングを投げることを目指さなければ、まだまだ先発投手としてやっていける力はあるだろう。
ライオンズのおかわり君・中村は円熟味を増して復活へ
埼玉西武ライオンズ一筋で通算479本塁打を放ってきた中村剛也。プロ野球歴代3位の6度の本塁打王を獲得してきたレジェンドは、今年で41歳を迎えている。昨季は58試合の出場で打率.191、7本塁打と振るわず、ケガやコンディション不良に泣かされる一年になったが、今オフは、無理をせず地道な調整で開幕に照準を合わせてきた。
ここまで代打での出場も多いが3割超えの打率をマークし、鮮やかな代打アーチを放つなど、結果を残している。柔らかいリストを活かした打撃はさらに円熟味を増しており、長打力も衰えていない。チーム事情にもよるが、休養日を取ってケガを防ぐことがカギになるだろう。現在の調子を維持してフルシーズン1軍に帯同し続ければ、20本以上のホームランは射程圏内。目標とする500本塁打を今季中に達成できるかもしれない。
彼ら以外にもアラフォーを迎えるベテラン選手たちの奮起にこれからも期待したい。