
【J1第9節】堅守の町田か、攻撃の川崎か。上位対決が実現!終盤まで目が離せない展開に
2025年4月6日に町田GIONスタジアムでFC町田ゼルビアvs川崎フロンターレが行われた。町田は現在5戦連続で負けなしと絶好調。対する川崎も2連勝中。町田は堅守、川崎は攻撃とそれぞれ戦い方も異なる上位チーム同士の対決は、どのような結末を迎えたのか、振り返っていきたい。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

守備の町田か攻撃の川崎か、両チームの化学反応はいかに
町田は第4節の名古屋グランパス戦から、負けなしの状態を続けている。第7節のアビスパ福岡戦を除けば、4連勝中と勢いが凄まじい。攻撃陣では3得点のFW西村拓真を中心に、アタッカーたちが勝利を呼び込んでいる。守備陣の安定感も抜群で、ここまで全試合2失点以内を継続中。今節では30歳のMF仙頭啓矢を今季初スタメンで起用するなど、ベテランを加えて万全を期す。対する川崎も今季絶好調。黒星は第4節で京都サンガF.C.に敗れた1つのみと、破竹の勢いで白星を稼いできた。現在2連勝中だが、その2試合で5得点と攻撃陣は絶好調。その得点も、すべて異なる選手から挙げられ、チーム全体での高い攻撃力がうかがえる。今節では20、21年のJリーグベストイレブンにも輝いたDFジェジエウが今季初スタメンで起用されるなど、前節からラインアップを3枚変えて勝利に挑む。
攻撃の川崎がいきなり牙を剥いた前半戦
川崎の攻撃力はこの日も光った。前半15分、右サイドからペナルティーエリアへと切り込んでいくクロスが相手DFにクリアされたあと、すかさず左サイドでチャンスを作り直す。DF三浦颯太、FWマルシーニョが細かいパスで前線に切り込んだ。クロスは再び阻止されたが、FWエリソンが目の前に転がってきたこぼれ球を左足で押し込む。先制のゴールが川崎に入り、試合の主導権を握った。見どころは川崎の攻撃の積極性だ。右サイドからチャンスを作り出すと、息つく間もなくクロスを上げた。それを弾かれてからもすぐさま逆サイドからゴールを狙い、スピード感で町田の守備陣を圧倒。最後にゴールネットを揺らしたFWエリソンも、ボールに対する集中力を絶やすことなく、チャージでゴール前を堅持。抜け目のない攻撃でつかみ取った1点だった。
それでも簡単に流れを渡さないのが今の町田だ。33分、ロングスローでボールをゴール前へと渡すと、密集する両チームの選手間にボールが転がった。目の前にいたのはDF岡村大八。迷うことなく左足を振りぬくと、ボールはごった返す選手の間をすり抜けるようにして進み、さらにはゴールネットの中へと吸い込まれていった。DF岡村の今季2ゴール目が飛び出し、町田が試合を振り出しに戻した。前半戦はこのまま1対1で終了。後半へと移る。
町田が主導権を握るが、川崎も負けじと反撃
後半戦、先に流れをつかんだのは町田だった。52分、細かいパスをつないで右サイドから上昇すると、ボールはDF相馬勇紀の元へ。この試合ではサイドから幾度となくドリブルで切り込んできたFW相馬だが、ここは長いクロスを選択。フリーでゴール前にいたFW西村は冷静にヘディングでシュート。ボールはGKとスライディングで防ごうとした相手DFを簡単にすり抜け、ゴールに収まった。町田が勝ち越しを決め、後半戦を大きく動かした。FW相馬の突破力と精密機械のような正確なクロスによるチャンスメイクの瞬間をFW西村は確実にものにした。理想通りの流れが決まった町田が連勝に向けて大きく前進したかに思われたが、試合はこれでは終わらない。
前半と反対の展開になった川崎が72分、意地をみせる。右サイドからチャンスを作ると、ペナルティーエリア内で細かいパスを回す。そしてシュートへ、という流れをねらった川崎だが、パスは最後までつながらなかった。ボールは無人の方向へと転がる。近くにいた町田DFの反応が若干遅れ、それを見逃さなかったMF河原創がボールを奪い取ってシュート。GKの右を鋭い勢いで抜いていき、同点のゴールが決まった。MF河原の今季初ゴールが願ってもない場面で飛び出し、試合は再び振り出しに戻った。そこからの約20分は両チームが果敢にゴール前にボールを集めるが、あと一歩のところで決め切れず。試合はそのままゲームセットとなり、ドロー。勢いに乗る両チームがお互いに黒星を許さなかった。
DAZN「明治安田J1リーグハイライト 町田vs川崎F : 第9節」(2025年4月6日配信)より
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