Shigekix's feelings of gratitude after experiencing the Paris Olympics
パリ五輪で旗手を務めた男子ブレイキンのShigekix(以下、シゲキックス)こと半井重幸選手がアンバサダーを務めるダンスイベント「東急不動産ホールディングス BREAKIN’ SUMMIT 2024」が、9月7日に国立代々木競技場 第二体育館にて開催された。 イベント終了後にシゲキックスが会見に応じ、初開催の大会に込めた思いや、初出場のパリ五輪を振り返っての思いなどを語った。※トップ画像/©︎JDSF
――まずは初開催のBREAKIN’ SUMMIT 2024を終えられた感想を聞かせてください。
Shigekix:僕はもちろんですが、来場されたお客様や互いにライバルとして戦っている子どもたち自身も、次世代を担うエネルギーを感じられた素晴らしい1日になったのではないかと感じています
僕自身は現場を作る側として携わってきてこの本番当日を迎えましたが、次世代の子供たちが主人公として大会を彩ってくれて、素晴らしい景色に僕も感動させてもらいました。
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――アンバサダーという立場で大会に携わられた今大会を、どのようにご覧になられましたか?
Shigekix:僕は初めてブレイキンと出会った7歳の時に、身体に稲妻が走るような感覚を味わいまして、そこから僕の人生が大きく変わりました。今の僕が楽しく自分の人生を過ごせているのも「ブレイキンがあってこそかな……」と思いますし、一人でも多くの子供達にも、かつての僕のような思いを感じてもらえていたら、僕としても本当に嬉しいです。
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――参加者のレベルやパフォーマンスについてはどのように感じられました?
Shigekix:日本はもともと世界的に見ても競技のレベルが高い国ですが、僕が15歳以下の世代だった頃よりもさらにレベルが上がっているように感じました。今回は国内選手の頂上決戦でしたが(出場者の皆さんは)世界でも通用するレベルの戦いを見せてくれたと思っています。
――今回パリ五輪を終えられましたが、次のロサンゼルス五輪では競技の採用が見送られました。シゲキックスさんは今後、どのような形でブレイキンの情報を発信し、競技の未来を築いていく予定ですか?
Shigekix:パリ五輪では、ブレイキンに対するポジティブなリアクションを多くの皆さんからいただけて、僕らとしてはとても嬉しいです。それを気持ちだけで終わらせないようにするために、僕は「次世代の選手たちが活躍出来る場所を作りたい」と思っていて、五輪をきっかけにブレイキンに興味を持って下さった皆さんにもブレイキンを楽しんでもらえる場所を作ったり、次世代の皆さんに楽しんでいただけるような場所を作りたいと思っていました。
今のブレイキンのシーンを作っている我々の格好良い姿を見せながら、自分たちがブレイキンの秘めた可能性を切り開いていかなければならないと思っていたので、大会を良い形で終えることができて嬉しいです。
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イベントでは味の素とのコラボレーションで、「なりたいカラダ」作りのための「勝ち飯」に関するトークショーも行われた。
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――イベントで子供たちと触れ合った印象を聞かせてください。
Shigekix:子供たちと会った時に「シゲキックスさんだ!」みたいな感じのピュアなリアクションを頂けたのは僕自身も嬉しいですし、自分にとって大きなモチベーションにもなる。彼らに見てもらえているのであれば、これからも「ずっと良い背中を見せ続けていきたいな」と思っています。僕自身も色々な感慨深さや、さまざまな嬉しさがありました。
とにかく(ブレイキンが)「好きだ」という気持ちが1番のエネルギー源になると思うので、その気持ちを引き続き大事にしながら、仲間と一緒に最高の景色を見ていってもらいたいですし、ぜひこのステージから、世界にはまったくB-boy、B-girlが生まれることを願っています。
――パリオリンピック終わってから1ヶ月ほど経ちましたが、大会後はどのように過ごされていましたか?
Shigekix:もしかしたら心配されてしまうかもしれませんが、あまり休めていない状況です。
オリンピックでは悔しさや嬉しさ、楽しさなどのさまざまな思いを感じましたが、日本に帰国して一番強く感じているのは、自分自身のことよりも皆さんに対する感謝の気持ちです。
サポートしてくださった皆さんや、五輪をきっかけにブレイキンに興味を持ってくださった方々に対してどのように感謝の気持ちを伝えていくのか。このような場所を設けることで、それが伝えられたらなと思っています。
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――五輪前後でブレイキンの取り巻く環境に変化はありましたか?
Shigekix:スポーツとしても、これまでのようなカルチャーとしても、僕は改めてブレイキンの魅力や面白さを感じました。
最初は「五輪の競技として行われるから、ブレイキンが魅力的に見えているのでは?」と思っていた不安な気持ちも少しはあったんですけど…。
パリ五輪が終わり、ロサンゼルス五輪で競技が行われない状況でも、「次の五輪では開催されないからブレイキンはちょっとやめようかな……」という反応ではなく、「ブレイキンが本当に面白かったから、五輪に関わらないものでも観に行ってみたい」と思ってくださったり、実際に多くの皆さんから熱いメッセージをいただけたりしていて、その辺りの変化を感じています。
(次回の五輪種目には採用されませんでしたが)五輪の追い風も受けながら、ブレイキンが急速に盛り上がりを見せてきました。僕らがさらにシーンを盛り上げたそのさきに再び五輪の舞台があったら、それは本当に最高だと思うので、いつかそのような未来が来る日を楽しみにしながら過ごします。
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――参加者の皆さんが思い思いの目標を語られている姿が印象に残りました。個性や多様性に磨きをかけて理想の自分に近づいていくには、どうすれば良いと思いますか?シゲキックスさんが習慣にされていることや大切にされてるものがあれば教えてください。
Shigekix:僕の五輪挑戦に向けた期間を振り返ってみると、大変なことがたくさんありましたが、改めて振り返ってみると、大変だったことを頭で理解しつつも、目標に向かってすごくエネルギッシュに過ごせましたし、「自分だけが大変でしんどい思いしている」と思ったことはありませんでした。まずは「理想を追い求める前向きな気持ちを大事にすることが、目標に早く近づくために必要なのかな?」と僕は感じています。
――不安とか恐れを乗り越えるために日頃から心がけていることや、もしそれらを感じたときにやっていることはありますか?
Shigekix:僕は目の前で起きたことを「悔しい」と受け止めるのか、それとも「こういうこともあるな……」と受け止めるのかは、本人の本気次第だと思っているんです。
(4位に終わった)パリ五輪の結果も、僕はめちゃくちゃ悔しくて……。悔しくて悔しくてしょうがなかったんですけど、一方でプレイヤーとして感じている悔しさは、「それだけ僕が本気だったことでもあるのかな?と」思っているんです。対戦相手にネガティブな気持ちは何もありませんが、試合日の晩にはもう「次のバトルで相手を倒せる機会はいつかな?」という思いが芽生えてきましたし、これからもプレーヤーとして勝利を追い求めていきたいと思っています。
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優勝:GSB SQUAD(ジーエスビースクワッド)大阪
TOMOKI (14) / KO_TARO (12) / RënRen (13) / ORION (13) / RIOU (13)
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東急不動産ホールディングス BREAKINʼ SUMMIT
主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(JDSF)
オフィシャルスポンサー:東急不動産ホールディングス株式会社 / ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 / 株式会社みずほフィナンシャルグループ / 株式会社コーセー / 第一生命保険株式会社 / AlphaTheta 株式会社 / バリュエンスジャパン株式会社
日時:2024 年 9 月 7 日(土)
会場:国立代々木競技場 第二体育館