平成の大エース斎藤雅樹が今季“4度目”のマウンドへ サントリー ドリームマッチ 2024
毎年恒例となっているプロ野球OBによる球宴「サントリー ドリームマッチ2024」が今年8月に28回目の開催を迎え、巨人のエースとして通算180勝を挙げた斎藤雅樹氏が、ドリームヒーローズの一員として登場。現役時代と同様に村田真一氏とバッテリーを組んだ斎藤は、お馴染みの投球フォームでかつての本拠地を沸かせた。※トップ画像撮影:佐藤主祥
©サントリー ドリームマッチ 2024
荒木大輔氏(当時ヤクルト)の外れ1位で1983年に巨人に入団した斎藤雅樹氏は、サイドスローへの転向後に大きな飛躍を果たし、1989年には、30試合に先発し21完投、7完封、4つの無四球試合を達成する大活躍で、自身初の20勝(7敗)に到達。
最多勝と最優秀防御率(1.62)のタイトルを獲得した。その後も桑田真澄、槙原寛己らとともに1990年代の巨人を支え通算180勝を挙げ、「平成の大エース」と言われるようになった。
元阪神の桧山進次郎氏(©サントリー ドリームマッチ 2024)
阪神OB桧山進次郎(5月・甲子園)、西武OBの辻発彦との1打席対決(6月・ベルーナドーム)、巨人と阪神のOBによる「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」(7月・東京ドーム)に続く登板となった斉藤は「今年は色々なイベントがあって、マウンドに上がるのは4回目。これまでは投げる機会が少ないせいなのか、投げると痛みを感じたり、慣れてくる頃には試合が終わってしまうような感じのこともあったが、(最近は投げているので)調子はいいと思う。お客さんの前で野球をやれるのは非常に嬉しいです」と、7度目の参加となった試合に向けての抱負を語った。
斉藤が「これまで対戦することが多かった」と話す高橋由伸は、同じ巨人の上原浩治氏との対戦で会場を盛り上げた(©サントリードリームマッチ2024)
試合に向けた意気込みや対戦したい打者についてを訊ねると、「出来れば誰とも対戦したくない。(苦笑)いつもは(同じ元巨人の)高橋由伸君とかと対戦することが多いんだけど、良い打者とは当たりたくない。でも良い打者しかいないんだもんね……」と笑顔で少し弱気なコメントも見せたが……。本番では現役時代を彷彿とさせるサイドスローで健在ぶりを示した。
撮影/井上尚子
試合前には「投げる順番については全然聞いてなくて、いつ投げるかはまだわからない」と話していた斉藤氏の出番は、3回裏の途中に訪れた。ヒーローズの4番手として登板した阿波野からバトンを引き継ぎ、2死3塁の場面でマウンドに上がった斉藤は、かつて巨人でバッテリーを組んだ村田真一とともに登場。プレミアムモルツのユニフォームを纏った元チームメイトの篠塚和典と対戦した。
試合前のベンチで元チームメイトらと和やかに話す様子(筆者撮影)
試合前の独占インタビューで「現役時代には、マウンドで集まった時に色々と言ってもらったり、素晴らしいポジショニングで抜けてしまいそうな打球を取ってアウトにしてくれて助けてもらった。今はそこまで練習はしていないと思いますが、それでも昔と変わらずにヒットを打つのですごいなと思っている」と篠塚の印象を語った斉藤は、「スライダーはもう曲がらないし、ストライクにならないから……。まっすぐしか投げられない」と話しつつも篠塚をゴロに打ち取って、マウンドを下りた。