Beyond defending the goal! Shiori Fukuda takes on the challenge of making the bright future of women come true through soccer vol.3
As a female athlete, Fukuda Shiori wants to be a role model for many women, and for her, soccer is more than just a sport. She sees soccer as a means to bring energy and confidence to women and build a society in which everyone can thrive. Sympathizing with the WE League's philosophy of "realizing a society filled with diversity in dreams and ways of life, where each and every person can shine," Fukuda believes in that future and continues to take on challenges. Having played for Urawa Red Diamonds since her junior youth days, the sight of her using her long limbs and high physical ability to protect the goal symbolizes her efforts and conviction. As a member of Mitsubishi Heavy Industries Urawa Red Diamonds Ladies, what future does Fukuda envision? We spoke to her about this. *Top image taken by Nagata Kei
趣味を活かして――ファンとの新たなつながりを生むお菓子作りへの挑戦
最近の女子サッカー人気について、プレイヤーとして実感しているのは、スタジアムに足を運んでくれるファンの中に、同年代やそれより若い女の子たちが増えていることです。
試合中、観客席で自分の背番号「12」のユニフォームを着て応援してくれている姿を見ると、本当に嬉しくて、感慨深いものがあります。自分のプレーや行動が少しでも彼女たちに影響を与えているのかな、と感じることもあります。これからも彼女たちの憧れであり続けたいし、サッカーを通じて夢を与える存在でありたいと思っています。
Photography/Kei Nagata
女子サッカーの人気をさらに高め、自分自身の認知度を広げるために、今後挑戦してみたいことはいくつかあります。もちろん、もっと多くの人に自分を知ってもらいたいという気持ちが強いですが、今応援してくれているファンの方々に直接恩返しをしたいという思いもあります。
その一環として、ファンクラブを作ることを考えています。ファンクラブを通じて、ファンの皆さんともっと近い距離でつながり、「このファンクラブは素敵だな」と思ってもらえるような場を作りたいです。それが広がっていくことで、自然と認知度も高まるのではないかと期待しています。
さらに、私の趣味でもあるお菓子作りやパン作りを活かした新しい挑戦もしてみたいと考えています。試合前にファンが立ち寄って、試合中に楽しんでもらえるようなお菓子やパンを作って販売することができたら、ファンとの新しいつながり方が生まれるのではないかと思っています。
自分が好きなことを通じて、ファンの皆さんともっと深く関わることができたら、さらにサッカーを楽しんでもらえるんじゃないかと考えています。
昨年の悔しさを糧に――開幕への強い決意と新たな挑戦
Photography/Kei Nagata
今年の開幕に向けては、昨年の悔しさをバネにして、より一層頑張りたいという強い意志があります。昨年は怪我があって、せっかく代表に選んでもらったのに、怪我で離脱してしまい、その後も怪我が長引いて、試合に出られても思うようなプレーができませんでした。
今年こそは、もし試合に出られたら、無失点でチームに貢献したいと強く思っています。そして、サッカー以外の活動も広げていって、昨年以上に集客などの面でもチームに貢献できるよう努力していきたいです。
怪我や思うようなパフォーマンスが出ない時、アスリートとしてのメンタルに大きな影響を受けることがあります。そんな時、私は無理に何かをしようとせず、あえて何も考えずに過ごすようにしています。家にこもって、映画やアニメをひたすら観てリラックスすることが多いですね。考えすぎると、どうしても悪い方向に思考が向かってしまうので、一度その状況から離れてリセットすることが大切だと感じています。
Photography/Kei Nagata
最近はアニメにハマっていて、『弱虫ペダル』や『ハイキュー!!』など、青春や部活動、チームワークを描いた作品を観て、自分も元気をもらっています。こういった作品を観ると、「自分もチームとして頑張ろう」という気持ちが湧いてきます。レッズの選手たちもアニメ好きが多く、朝からアニメや映画の話題で盛り上がることがよくあります。これもチームの一体感を高める要素のひとつだと感じています。
一体感と熱意が生む強さ――浦和レッズレディースの特別なチーム文化
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浦和レッズレディースの魅力については、何よりもチームの雰囲気が特別だと思います。本当にみんな仲が良く、サッカーを楽しんでいるという雰囲気が強く伝わってきます。「レッズ」という名前が示す通り、チーム全体が熱くて、楽しそうにサッカーをしているのが印象的です。プレー中は厳しさもありますが、みんながサッカーを心から愛していて、その気持ちがピッチに現れています。
それぞれ個性豊かな選手が集まっている中でも、みんなが一体感を持って「赤」という色に染まっている感じがします。他のチームと比べても、レッズの雰囲気は特別で、練習に参加した他の選手からも「レッズは明るくてやりやすいし、みんな仲が良い」と言われることが多いです。そのたびに、「やっぱりレッズは素晴らしいチームなんだ」と感じ、自分がこのチームの一員であることに誇りを持っています。
そうしたチームの一体感が、タイトル獲得に繋がり、強いチームでプレーすることが自信にもなっています。自信を失うとマイナス思考に陥りがちですが、チームメイトが励ましてくれることで「よし、また頑張ろう」という気持ちになれます。そういった仲間からのサポートが、本当に力強く、私にとって大きな支えになっています。
女性アスリートとしての使命――憧れと希望を届ける存在に
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最後に、女性アスリートとして、私は女性たちにとって憧れの存在になりたいと強く思っています。サッカーに限らず、女性が元気や生きる力を感じられるような存在になれたら嬉しいです。
今のWEリーグもそうですが、女性が自信を持って活躍できるような社会を作るために、自分のプレーや活動を通じて貢献していきたいです。見ている方が「こういうことをやってほしい」と思うことがあれば、ぜひSNSなどで声をかけてください。皆さんの意見を取り入れて、より良い活動をしていきたいと考えていますので、どんどん提案していただけると嬉しいです。
福田 史織
2002年6月13日、埼玉県出身。プロサッカー選手。浦和の三郷立花キッカーズに所属し、浦和レッズレディースジュニアユース、浦和レッズレディースユース、2020年にトップチーム登録。2021年に浦和レッズレディース、そして三菱重工浦和レッズレディースに所属。浦和レッズレディースユース在籍中の2020年9月にリーグ初出場、2022年10月にはWEリーグデビューを果たす。長い手足と身体能力を活かしたセービングは、チームメイトで元なでしこジャパンの安藤梢選手に「トビウオセーブ」と名付けられる。目指す選手はチームメイトでなでしこジャパンの経験を持つ池田咲紀子。
Photo:Kei Osada