パリ五輪・日本人メダリストの活躍と注目の戦いを総括(大会14日目②)
現地時間7月26日に開幕したパリ五輪も、8月11日の閉会式をもって17日間にわたる熱戦に幕が落とされた。ここでは8月9日(日本時間8月9〜10日)の大会14日目に3位決定戦に挑んだ卓球男子団体の戦いぶりを振り返る。※トップ画像出典/Getty Images
大会14日には卓球男子団体の3位決定戦が行われ、張本智和選手、戸上隼輔選手、篠塚大登選手の3選手が銅メダルをかけてフランス代表と対戦したが、マッチカウント2-3で日本はフランスに敗れ、団体戦のメダルを逃すこととなった。
〈ルール〉
1チーム3名によるチーム戦でダブルスが1試合、シングルスが最大4試合行われ、先に3勝したチームが勝者となる。
〈試合形式〉
第1試合:ダブルス 第2〜5試合:シングルス
(最初に11点、12点以上の場合は相手に2点差をつけた選手が1セット。3セットを先に取った選手またはチームがそのゲームの勝者となり、先に3試合に勝利したチームが団体戦の勝者となる)
男子団体1回戦
3勝0敗 対オーストラリア戦
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日本は初戦でオーストラリア代表と顔を合わせたが、初戦のダブルス(戸上隼輔・篠塚大登ペア)で3-0のストレート勝ちを収めると、シングルスでも張本智和と篠塚大登も勝利を重ねてゲームカウント3対0(3勝0敗)とし、危なげない戦いぶりで準々決勝進出を決めた。
〈試合結果〉
◯戸上隼輔/篠塚大登組 3−0(11-8、11-6、11-6)対 ニコラス・ラム/ルー・フィン組
◯張本智和 3−0(11-4、11-4、14-12)対ベ・ファン
◯篠塚大登 3−0(11-9、11-7、11-2)対ルー・フィン
Quarterfinals
3勝1敗 対台湾(中華台北)
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準々決勝で日本は台湾(中華台北として参加)と対戦。ゲームカウント3対1で勝利して、準決勝に進めた。
戸上と篠塚のペアが出場したダブルスで幸先良く勝利を掴むと、シングルスの第2試合ではエースの張本が競り負けたものの、続く戸上はフォアハンド、篠塚はバックハンドを軸にポイントを積み重ねて、共にストレート勝ちした。
〈試合結果〉
◯戸上隼輔/篠塚大登組 3−0(11-7、11-5、11-9)対 荘智淵/高承睿(ソウ・チエン/ガオ・チェンルイ) 組
⚫︎張本智和 2−3(9-11、11-9、7-11、11-3、6-11)対林昀儒(リン・ユンル)
◯篠塚大登 3−0(11-5、11-7、11-5)対高承睿
◯張本智和 3−0(11-7、11-8,11–9 )対荘智淵
Semifinal
2勝3敗 対スウェーデン
準々決勝で日本はスウェーデンと対戦したが、ゲームカウント2対3でで敗れて3位決定戦に回ることとなった。
第1試合のダブルスに出場した戸上・篠塚ペアは、第1ゲームを接戦(8-11)で奪われたものの、ここから3ゲームを連取して、ゲームカウント3対1で幸先の良い滑り出しを見せた。
2試合目には、エースの張本が男子シングルスで銀メダルを獲得したトルルス・モーレゴードと対戦した。第1ゲームを13-11で奪った張本は第2セットを9-11で奪われたものの、その後2セットを連取。3対1で勝利を収めて、決勝進出に王手をかけたが……。第3試合には戸上がカールソンに、第4試合では篠塚がモーレゴードにいずれもゲームカウント1対3で敗れ、勝負の行方は第5戦の結果に委ねられることとなった。
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上位進出を懸けた第5戦では、この試合2度目の登場となった張本とアントン・ケルベリと激突した。第1ゲーム(11-5)、第2ゲーム(11-5)を連取して決勝進出を目前に迫っていたが、ここからケルベリの粘りによって連続で2セットを奪われると、第5ゲームは抜きつ抜かれつの接戦に。一時は9-8で張本が勝ち越しに成功したものの、最後はケルベリが3連続ポイントで張本を振り切り、スウェーデンの勝利。わずかに力が及ばなかった日本は、3位決定戦に回ることとなった。
〈試合結果〉
○戸上隼輔/篠塚大登3-1(8-11, 11-9, 11-4, 11-7)対クリスティアン・カールソン/アントン・ケルベリ組
○張本智和 3-1(13-11, 11-9, 11-5, 12-10) トルルス・モーレゴード
⚫︎戸上隼輔 1−3(11-7、9−11、9−11、9−11) クリスティアン・カールソン
⚫︎篠塚大登 0-2 (5-11、6-11) トルルス・モーレゴード
⚫︎張本智和 2-3(11-5、11-5、7-11、7-11、9-11) アントン・ケルベリ
3位決定戦
2勝3敗 対フランス
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惜しくも決勝進出を逃した日本は、五輪開催国のフランスと銅メダルをかけた3位決定戦で激突した。フランスチームは、パリ2024卓球男子シングルスで史上最年少のオリンピック銅メダリストに輝いたフェリックス・ルブランと、その兄アレクシス・ルブランにくわえて、シモン・ゴジの3名で構成される。
完全アウェイの中、日本はリズムをなかなか掴めず、第1、第2ゲームを連続で落としてしまう。第3ゲームこそ奪ったものの、第4ゲームでも、相手ペアの勢いを止めることができず、ゲームカウント1-3で最初のマッチを落としてしまう。
戸上・篠塚組とアレクシス・ルブランとシモン・ゴジ組による対戦となった初戦のダブルスでは、完全アウェイの会場でゲームポイントを連取されると、第3セットは11-5で盛り返したものの、最後はアレクシス・ゴジ組に振り切られて1−3で敗れた。
2戦目は張本が登場し、パリ五輪男子個人の銅メダリストで、アレクシス・ルブランの弟でもあるフェリックス・ルブランと対戦した。卓球では五輪史上最年少の17歳でメダリストとなり勢いに乗るフェリックスに対して緩急のあるプレーで応戦した張本は、第1ゲームを張本が奪うもフルゲームにまでもつれる接戦に。第5セットも一進一退の攻防が続いたが、最後はフェリックスに張本が振り切られて、ゲームカウント2-3で敗れた。
負けが許されない日本は、第3試合に戸上が登場し、兄のアレクシスと対戦。接戦に持ち込まれたものの第1ゲーム、第2ゲームを連取した戸上は、第3ゲームを奪われたものの、第4ゲームでゲームカウントを奪い返して、3-1(11-8, 11-9, 9-11, 11-9)で後続にメダル獲得の望みを託した。第4試合に張本を起用。ゴジとの対戦に挑んだ。ゲームカウント2-1で迎えた第4ゲームにゴジの驚異的な粘りに遭い、一時は追いつかれてデュースに持ち込まれるも最後は振り切ってゲームカウント3-1で勝利。メダルの行方は第5戦に委ねられることとなった。
篠塚と弟のフェリックスの対戦となった最終戦は、実力で上回るフェリックスに第1ゲーム、第2ゲームを連取されるも、第3セットに篠塚が粘りを見せて12-12からこのゲームを獲得。勢いに乗る篠塚は第4ゲームの序盤でリードを奪うも、終盤に9−9で追いつかれると、最後は11-13で試合は終了し、ゲームカウント1-3で敗れた。
この結果、3勝2敗としたフランスが日本を下して銅メダルを獲得。日本は4位という結果に終わった。
〈試合結果〉
⚫︎戸上隼輔/篠塚大登組 1-3(5-11, 7-11, 11-5, 6-11)アレクシス・ルブラン/シモン・ゴジ組
⚫︎張本智和 2-3(13-11, 4-11, 11-9, 6-11, 10-12)フェリックス・ルブラン
○戸上隼輔 3-1(11-8, 11-9, 9-11, 11-9)アレクシス・ルブラン
○張本智和3-1(11-8, 8-11, 11-8, 14-12)シモン・ゴジ
⚫︎篠塚大登1−3(7-11, 7-11, 14-12, 11-13)フェリックス・ルブラン