Is the "water penalty kick" a foul or a tactic? Examining the controversial "gray area" in the soccer world
2025年3月からスタートした新サッカー番組『もりちゃんずコロシアム』では、Jリーグで物議を醸した“水かけPK”に切り込んだ。記念すべき初回放送では、FC町田ゼルビア・藤尾翔太の行為を取り上げ、VTRや実験、専門家の見解を交えながら、その効果を検証した。※トップ画像出典/Pixabay
ルール上はOKそれともNG?SNSで物議をかもした“水かけPK”とは
Jリーグの試合中に起きたある行動が、SNSを中心に注目を集めていた。話題の中心となったのは、FC町田ゼルビアに所属するフォワード藤尾翔太による“水かけPK”という異例のプレーだ。発端は、24年5月19日に行われた東京V戦でのPKシーン。藤尾がキッカーとして準備を進めるなか、突如ペットボトルの水をボールにかけるという行動に出た。わずか数秒の出来事だったが、このシーンがSNSなどで瞬く間に拡散。「伸びが良くなってキッカーが有利になるんじゃ?」「反則なんじゃないの!?」といった声がファンや視聴者の間で噴出し、ちょっとした炎上状態となったのだ。
これに対し、藤尾本人は試合後に行動の意図を説明。「芝が乾いていたらボールが結構引っかかる」「水にボールを含ませた方が元々のピッチの状態に戻る」「決めるための手段としてそういう方法をとった」と、あくまでもプレーの一環だったことを強調。しかしこの行為に対して、6月30日のガンバ大阪戦では藤尾が水をかけようと給水ボトルを手に取った瞬間、ガンバ大阪側の選手がボールをはたき落としたり、8月17日に行われたジュビロ磐田戦では藤尾がたっぷりと水をかけたボールを主審が認めず、新しいボールに交換するよう指示を出した。結果としてPKは別のボールで蹴り直されることとなったが、「水をかけるのは違反なのか」「ルール上問題はないのか」といった議論は冷めやらず、多くの人々の関心を集めている。
この一件を受けて、Jリーグ審判委員会は「競技規則にボールに水をかけてはいけないという記載はない」とした一方で、「ただ、かけていいという記載もない」と何ともグレーな判断を示した。最終的にはその場にいる主審の裁量によって判断されるとのことで、今回のようにボール交換を求めることもあれば、状況次第では認められる可能性もある。まさに“ルールの盲点”ともいえる事例であり、このグレーゾーンに対する一石を投じた形といえるだろう。
実際、水をかけることでボールの挙動は変わるのか?
この“水かけPK”をめぐる論争に対し、番組では「果たして本当に水をかけることで蹴りやすくなるのか?」という疑問に迫るべく、科学的な検証を試みた。協力を仰いだのは、日韓ワールドカップ以降、20年以上にわたってサッカーボールの特性や飛行軌道などを研究してきた工学院大学の教授・瀬尾和哉氏。瀬尾教授は「摩擦が減り、蹴り手のイメージに近い軌道になる可能性はあるが、効果は0.0000…とかそんな話だと思う」と冷静に分析。つまり、“水かけ”が試合結果を左右するような劇的な効果をもたらすことは考えにくく、あくまで感覚的・心理的な影響の方が大きいのではないかという見解が示されたのだ。
さらに、実際の選手たちはどう感じるのかを探るため、2024年関東社会人サッカー大会で優勝したSHIBUYA CITY FCの選手たちに協力を依頼。濡らしたボールと乾いたボールでのキック感覚の違いを検証した。選手たちからは、「ボールが伸びた気がする」「濡らしてない時は引っかかるので重い」「濡れていた方がいい」「水で滑った感じがした」といったポジティブな感想があがる一方、「あまり変わらなかった」「水をかけない方が集中できる」と冷静な意見も。また、キーパー視点からは「蹴られる時はそんなに影響はない」「心理作戦なのかな」といった声もあり、全体的に“体感としては微妙な差”という見方が目立った。
今回の“水かけPK”騒動は、ルールの曖昧さと選手の創意工夫が交差した、サッカーにおける奥深さを物語る一件といえるのではないでしょうか。藤尾の意図は明確であり、「少しでも成功率を上げるための工夫」という意味では、ある種のプロ意識ともいえる一方で、視聴者やファンが不正行為と捉えるほどのインパクトがあったのも事実。ピッチ上での行動一つが世間の議論を呼ぶ、プロスポーツならではの緊張感が浮き彫りになったともいえるだろう。今後、Jリーグや各競技団体がこのようなグレーな行動に対してどのような対応を取るかは注目していきたいところだ。
DAZN『もりちゃんずコロシアム』
タイトル:#1 : “水掛けPK”に迫る!金崎夢生も登場
*The information in this article is current as of the time of publication.
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