
「あの時には戻りたくない…」“悔しさ”をバネに成長し続ける日本の司令塔――なでしこジャパン・長谷川唯が振り返るサッカー人生の “ターニングポイント”
なでしこジャパンの司令塔・長谷川唯。2017年より、数々のW杯や二度の五輪に出場。2023年、2024年のバロンドール(世界最優秀選手賞)候補にも名が挙がる、日本女子サッカー界の至宝だ。輝かしいスター街道を突き進む長谷川選手が、自身のキャリアの原動力になった大きな“試練”について、配信サービス「Lemino」のドキュメンタリー番組『Number TV』にて明かした。※トップ画像出典/The FA via Getty Images

下部組織入団テストにパスするも…憧れの“ベレーザ”に届かなかった過去
長谷川選手は、兄が所属していた地元クラブチームにてサッカー人生をスタートさせた。番組では小学生時代のパネルが紹介される。2009年、13歳で日テレ・東京ヴェルディ ベレーザの下部組織“メニーナ”に入団。ひと一倍小柄で、当時の身長は136cmだったという。体格差をカバーするべくテクニックを磨き、自らのスタイルを確立し始めたころ、第一の“挫折地点”が訪れる。高校入学間近のシーズン。同年代の選手たちがトップチームへの昇格を決めるなか、長谷川選手を招集する声はなかった。

「悔しいし、自分も負けたくないという気持ちがありましたね。小さいからだとか、年齢がではなく、チームを贔屓なしで見た時に『この選手いいな』って思ってもらえるのが上にいける選手だと思うので、当時の自分が結果を出せる選手になれていたかというと、まだまだ足りなかった」
しかし、1人残されたクラブにてエース番号“10”を任されたことで、長谷川選手の負けん気に火が点く。これまでに足りなかった得点力でチームを引っ張り、ゲームメイクの才能をも開花させた。1年後、長谷川選手は念願のトップチーム入団を果たす。「人生で1番点を取ったんじゃないかな。こういう環境で、むしろ良かったなというのが、今は大きいです。大事な試合で得点を取ることができるようになった1年だったと思います」
“W杯”連続出場が夢と散った…AFC U-19女子選手権予選敗退
ベレーザ入団の夢を叶えた2013年。長谷川選手は実力を買われ、16歳ながら飛び級にてU-19日本女子代表に抜擢。順風満帆にも思えたが、出場したAFC U-19女子選手権で予想もしない“挫折”を経験する。先発出場や得点を挙げる活躍もしたが、チーム成績は4位。期待されていた連覇どころか、W杯出場さえ逃してしまう。
「日本ってアンダー世代が強くて、いつも結果が出ていたので、W杯に出ないっていうことが考えられない状況だった。その中で出場権を逃してしまって、本当にチームとしても個人としても喪失感が大きい大会だった」
個々の技術だけでなく、一丸となって戦う“チーム力”の差を長谷川選手は意識させられる。翌年招集されたU-17では、悔しい予選敗退の経験から得た“気づき”を活かし、日本を優勝へと導いた。さらに、チームの攻撃の中核を担う活躍が高く評価され、準MVPにあたるシルバーボールを受賞する快挙を成し遂げている。
「このチームで、どう勝てる…?」ウェストハム・ユナイテッドFCウィメン時代の葛藤

2021年より長谷川選手は故郷を離れ、世界最高峰の地・プレミアリーグに挑戦。しかし、そのスタートは決して思い描いた通りのものではなかった。悶々と過ごしたファーストシーズンを「『どうしたら勝てるんだろう』と考える時期が長かった1年」と自身も振り返っている。
常勝の強豪クラブに所属していた長谷川選手は、中堅クラブ特有の“勝てない”状況に、大きな戸惑いを感じたという。チームの予算やリーグ内での立ち位置もあり、練習内容の主軸が守備だったことも、ギャップの一因となっていった。さらに、立ち塞がった問題が、コミュニケーションだった。試合中の想定外の問題にも、気心の知れたチームメイトであれば即座に対応を修正できるが、新しいチームでは、いちから全てを説明しなければ伝わらない。息を合わせた連携が難しい環境で、長谷川選手は自らのパスによってチームメイトを動かしながら、トップチームに立ち向かっていった。
「自分でどうにかしなければならない場面で、しっかり打開できるというのは、ウェストハム時代にやってきたからなのかなと感じます。大変だった1年なので戻りたいとは思わないですけど、自分のサッカー人生においてなければならない1年だったと思います」

長谷川選手にとって“挫折”とは、何だったのか
“挫折”から何度も課題を見出し、成長へのポジティブな原動力として勝利に繋げてきた。現在は、名門マンチェスター・シティWFCにて、さらなる高みを目指す日々を送っている。そんな長谷川選手が考える“挫折”が持つ意味とは。
「『挫折』とは、自分を大きくしてくれるもの。正直『挫折』って聞かれたときに、苦しいという感覚はなくて、悔しさの方が大きかったと思います。振り返ってみると、成功よりも悔しかったことの方が、その後のサッカー人生に生きていると感じます」
『NumberTV』挫折地点~あのとき前を向いた理由~
title:#13 長谷川唯
Release date:September 26, 2024 (Thursday) 0:00 ~ 24 episodes in total (scheduled to be distributed twice a month)
content:トップアスリートの「挫折」と「復活」をテーマにしたドキュメンタリー番組。過去の写真が飾られた特別な空間(Number Room)で、アスリート本人がこれまでの人生を振り返り、挫折の瞬間や前を向けた理由について語る。
*The information in this article is current as of the time of publication.

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