松下知之が見せた驚異的な追い上げ!競泳・400m個人メドレー~プレイバックパリ五輪2024~
パリオリンピックで行われた競泳では、松下知之選手が銀メダルを獲得した。獲得したメダルが1個以下に終わったのは、獲得が0だった1996年のアトランタ大会以来。近年の低迷が露呈する結果となった。※トップ画像出典/Getty Images
パリ五輪“競泳・400m個人メドレー”をおさらい
競泳競技は長さ50mのプールで行われ、種目は主に平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎ、自由形の4種類にわかれる。自由形には個人競技だけでなく、4人1組で行うリレーも含まれている。さらに全ての泳法を行うメドレー種目には個人メドレーとリレーメドレーがあり、リレーでは男女混合チームが編成されることもある。競技の距離は多種多様であり、50mの短距離から1500mの長距離まで幅広い。そのため、自由形では短距離スプリンターから長距離選手まで、求められるスキルや体力が大きく異なる。また自由形では通常クロールが使われることが多く、実際に自由形とクロールは同義と見なされることが一般的だ。競泳においては、単なるスピードだけでなく、スタートやターン、タッチなどのテクニックも勝敗を大きく左右する要素となる。
プレイバックパリ五輪2024ホットな瞬間
フランスのレオン・マルシャン選手は、パリ2024オリンピック競泳競技で大きな注目を集めた。22歳という若さでありながら、すでに世界選手権での優勝経験があり、地元フランスの大きな期待を背負って競技へと挑むことに。大会初日からマルシャン選手はその実力を存分に発揮し、400m個人メドレーでは他の選手を圧倒する泳ぎで金メダルを獲得。銀メダルを獲得した日本の松下選手に5秒以上の差をつける圧勝で、オリンピックレコードを上回るタイムでフィニッシュした。さらに、200mバタフライや200m平泳ぎでもオリンピック新記録を樹立。特に200mバタフライでは、前回王者で世界記録保持者のクリシュトフ・ミラーク選手とデッドヒートを繰り広げ、観客を大いに沸かせていた。最後に出場した200m個人メドレーでも圧巻の泳ぎを見せ、1分54秒06でまたもやオリンピック記録を更新して金メダルを獲得した。マルシャン選手は出場した4種目すべてで、オリンピック新記録をマークしての金メダル獲得という驚異的な強さを発揮。地元開催のオリンピックで、これ以上ない活躍を見せた。
プレイバックパリ五輪2024【日本選手メダル獲得の瞬間】
日本勢では、400m個人メドレーに出場した松下選手が見事な泳ぎで銀メダルを獲得した。松下選手は、2024年の国内代表選考会で同じく400m個人メドレーの長年の王者である瀬戸大也選手を破り、日本代表としてパリオリンピックに挑んだ。決勝の舞台では、地元フランスのレオン・マルシャン選手が序盤からリードし、圧倒的なスピードでレースを展開。松下選手は平泳ぎまでの段階では5番手につけていたものの最後の自由形で驚異的な追い上げを見せ、2位でフィニッシュ。自己ベストを大幅に更新し、銀メダルを獲得した。レースのラストスパートでは、カーソン・フォスター選手や瀬戸選手を抜き去るスピードで、観客を沸かせた。2005年生まれの松下選手はまだ19歳。これから選手として充実期に向かう4年後の大会では、さらによい色のメダル獲得が期待されている。
パリ五輪2024キングギア編集部が注目した選手
本大会の主役となったのは、地元フランスの22歳・レオン・マルシャン選手。男子200mバタフライと平泳ぎ、400m個人メドレーで合計3個目の金メダルを手にしており、フランスの競泳選手がオリンピックの個人種目で複数の金メダルを獲得するのは初めてのことだ。200mバタフライはオリンピック連覇を狙ったクリシュトフ・ミラーク選手と名勝負を演じたうえでの勝利となった。序盤はミラーク選手が先行しマルシャン選手との差を広げてたものの、残り50mのターン後からマルシャン選手が一気に追い上げを見せる。最終的に、マルシャン選手がミラーク選手をわずかにかわしてゴールイン。マルシャン選手は前大会でミラーク選手がマークしたオリンピック記録を更新するタイムで激戦を制し、金メダルを獲得した。なお、続く200m平泳ぎの決勝でもオリンピック新記録のタイムをたたき出している。
【松下知之】 パリ五輪の戦績
予選:5位(4分11秒18)
決勝:2位(4分8秒62)
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