Professional basketball player "Souichiro Inoue" - "Games" in the morning, "men's meals" at night. The true face of his off-time, when he is in the middle of collecting, and on-time, when he is putting his all into the competition
B.LEAGUE・越谷アルファーズで活躍する井上宗一郎が明かす、知られざる「オフの顔」。ハードなシーズンの合間に見せるのは、意外すぎる“遊戯王カード”への情熱と、ガチゲーマーとしての一面。朝の「朝ゲー」から始まる1日は、どこかユニークで、どこまでもリアルだ。さらに、料理男子としての一面やファッションのこだわり、父から受け継いだネックレスに込めた想い、そして“勝利の瞬間にしか味わえない”という高揚感まで――。競技人生の先に描く未来、そして「バスケに関わり続けたい」という率直な言葉には、彼のまっすぐな想いが詰まっていた。※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

「朝ゲー」から始まる1日。カードとゲームに支えられる“オフの自分”
──オフの時間って、どう過ごしてるんですか?何かちょっと変わった趣味とかあります?
じつは僕、かなり“収集癖”のあるタイプで(笑)。いま一番ハマってるのは、昔のトレーディングカード集めですね。
──カード? たとえば遊戯王とか、そういう系?
そう、それです!小さい頃に集めてた遊戯王カードなんですけど、大人になってからまた興味が出てきて。“これ、昔持ってたやつ…え、今こんな高くなってるの!?”みたいな(笑)。それをきっかけに、もう一気に再燃しました。
──完全にバスケとは違う世界ですね。
だからこそ、逆にいいんです。バスケとまったく関係ないから、気持ちがリセットされる。完全に“趣味の世界”なんですよ。
──他にハマってることはありますか?
ゲームですね。かなりガチでやってます(笑)。じつは一時期、YouTubeでゲーム配信してたこともあるんですよ。中学時代の同級生と一緒にやったりして、そういう時間は本当に楽しいし、貴重なリフレッシュになってます。
──バスケにとっても良いリフレッシュになっている?
まあ…正直、やりすぎるのは良くないなって自覚してます(笑)。だから夜はなるべくバスケの映像を観るようにしてて、ゲームをやるのは朝が多いですね。
──早朝ですか!?
はい、いわゆる“朝ゲー”ってやつです(笑)。朝早く起きて軽くプレイして、朝ごはん食べて…っていう感じで、1日をスタートするのがちょっとしたルーティンになってます。メリハリを大事にしながら、好きなことも大切にしてるって感じですね。
朝はジム、夜は“男飯”。Bリーガーのリアルな1日
──シーズン中の1日は、どんなスケジュールで動いていますか?
朝はまずウエイトトレーニングからスタートです。だいたい8時頃に家を出てジムへ直行。そこからトレーニング、シューティングをこなし、チーム練習に入る流れですね。
練習の内容や時間は日によって変わるんですが、だいたい午後4時から6時くらいまでには終了していることが多いです。
──帰宅後はどう過ごしていますか?
家に帰ってからは、自炊して、食事して、その後は自分の時間をゆったり過ごしてます。意外と自炊、けっこうやってるんです。量も味も自分好みに調整できるんで、めちゃくちゃ助かってます(笑)。最初は面倒くさいなって思ってたんですけど、一回ハマると意外と楽しくて。インスタで見つけたレシピを試してみたりもしてますね。時間に余裕がある日なんかは、ちょうどいいリフレッシュになります。
──得意料理、教えてください。
とりむね肉を使った韓国風の甘辛どんぶりですね!タンパク質も取れて、味もガッツリ系で満足度高いです。いかにも“アスリート飯”って感じですけど(笑)。
──友人にふるまったりも?
何度かありますよ、1〜2回くらい。男同士なんで、特別な演出とかはせずに、“ザ・男飯”をどーんと出す感じですけどね(笑)。でも評判は悪くなかったですよ。
自分らしく着る。想いを込めて身につける。
――今日のファッションのポイントは?
まず、自分は体が大きいので“サイズ感”を優先します。今日のウェアはすべてNIKEのNOCTA(ノクタ)でそろえました。サイズ展開が豊富で、他と被らないデザインも気に入ってるんです。“この服着てる人、あんまり見ないな”っていうのが、逆にいいなって思ってて。たしか今日のアイテムは、NOCTAとJ Balvin(ジェイ・バルヴィン)のコラボだったはずです。
――首元のネックレスも印象的ですね。
これは父の形見なんです。ずっと身につけています。見た目のアクセントでもありますけど、自分の中では特別な意味がある。大切な想いを、いつも肌で感じていたいので。
――今のオフの過ごし方は?
正直、なにもしてない日が多いですね(笑)。オフの日は、とにかく寝たり、ゆっくりしたり。特別なケアやトレーニングを入れるより、“何もしない時間”を意識的につくることが大事だと思っています。心と体をフラットに戻す時間、みたいな感覚ですね。
カード、旅、そしてバスケ。オフに見せる素顔の理由
――オフのご褒美、みたいな時間ってありますか?
ありますね。バスケから完全に解放された瞬間に、自分の“好き”を楽しむ。そんな時間がすごく大切なんです。
――たとえば、どんな“好き”を?
カード集めですね。秋葉原にはよく行きます。あそこは本当に品ぞろえがすごい。都内のカードショップを回ったり、掘り出し物を探したりする時間がめちゃくちゃ楽しくて。特にハマってるのは昔の遊戯王カード。子どもの頃に持ってたやつが、今じゃプレミアついてて、『え、こんな値段になってるの?』って驚いたのがきっかけで、完全に火がつきました(笑)。
――それ、もはや“資産”ですよね?
資産兼趣味って、自分に言い聞かせてます(笑)。高級時計と同じ感覚です。眺めるだけでもテンションが上がるし、集める過程もワクワクする。コレクションって、ただのモノじゃなくて、思い出や価値観を刻んだ宝箱みたいなものだと思うんです。
――同じ趣味を持つBリーガーもいるんですか?
いますよ。うちのチームだと笹倉怜寿選手が、ポケモンカード大好きで。一緒にカードショップ行ったりします。やっぱりみんな、“子どもの頃に夢中になったもの”に再び火がつくんですよね。世代的にも共有できる話題があるから、自然と盛り上がれるんです。
――仮に1ヶ月、完全なオフが取れたとしたら、何をしますか?
旅行がしたいですね、シンプルに。あと、実は僕の父の出身が長崎の軍艦島なんですよ。個人的にもすごく興味がある場所なので、しっかり時間を取って見に行ってみたいです。それから…できれば海外のカードショップにも行ってみたい(笑)。海外版のカードって、日本とはまた違う雰囲気があって、見るだけでも楽しそう。コレクターとしては、やっぱり世界の“市場”をこの目で見てみたいって思うんです。
現役を終えたその先も、バスケとともにありたい
――少し先の話になりますが、もし現役を引退したら、どんな未来を描いていますか?
今のところは、何かしらの形でバスケに関わっていたいという気持ちが強いです。最近は解説者になる選手も増えていますし、スポーツ業界の企業に入って、裏方として競技を支える人もいますよね。僕の大学の先輩では、インソールの開発をしている方もいて。選手としてやってきたからこそ分かる“現場のリアル”を活かせる仕事だなと感じます。まだ具体的な道筋があるわけじゃないですが、自分が好きなバスケに関われる場所があるなら、そこに身を置いていたいと思っています。
――バスケットボールをしていて、一番高揚する瞬間はどんなときですか?
それはやっぱり、『勝った』という瞬間ですね。ワールドカップでオリンピック出場を決めたあの場面は、バスケ人生の中でも特別でした。心の奥から湧き上がる感覚というか…言葉でうまく説明できないんですけど、あの瞬間のためにやってきたんだって思えるくらいの高揚感でした。他にも、B1昇格を決めた一戦、今年の千葉ジェッツに劇的な逆転勝利を収めた試合。今でもその光景は鮮明に覚えています。自分たちが積み上げてきたものが結果に結びついたときの、あの感覚は何ものにも代えがたいです。それと同時に、自分たちの姿が、誰かの心を動かせたかもしれないって思える瞬間は、本当に嬉しいですね。
――まさに「勝負に挑み、結果を出した瞬間」こそが、一番アガる時間なんですね。
はい。その1本、その1勝のために、すべてを懸けてきたっていう思いがあるからこそ、あの感情が生まれるんだと思います。そしてその瞬間があるから、また次の戦いにも全力で向かっていける。それが、アスリートとして生きる理由なのかもしれません。
井上宗一郎(いのうえ・そういちろう)
1999年5月7日生まれ、東京都出身。バスケットボール選手。越谷アルファーズ所属でポジションはPF。梅丘中学校、福岡大附大濠高校に進学し、高校3年でインターハイ優勝、ウインターカップで準優勝を経験。筑波大学進学後、2020年に第72回全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)で優勝、翌2021年にインカレ準優勝、自身はBEST5を受賞。同年に三遠ネオフェニックス(B1)に特別指定選手として契約、2022年にサンロッカーズ渋谷(B1)に移籍した。そして同年6月に日本代表に初選出、翌月に代表デビューを果たす。2023年に越谷アルファーズに移籍。2024年にFIBAアジアカップ2025予選 Window1 男子日本代表メンバーにも選出されている。
Photo: Rika Matsukawa
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