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スティックに導かれた運命!瀬川真帆とフィールドホッケーの物語 vol.3

「挑戦こそ成長の源」。この信念を抱く瀬川真帆は、現在東京ヴェルディホッケーチームでフィールドホッケー選手として活動中。目標は2028年ロサンゼルスオリンピックで世界一になること。そのためには、日本全体の競技力を高めること、そして個々の成長が必要だと考えている。彼女はかつての日本代表のユニフォームを脱ぎ、一から再出発する覚悟で新たな挑戦に取り組んでいる。オフィスワークと競技生活を両立させ、時にはモデルとしても活動し、スポーツ選手の新たな道を切り開こうとする彼女の姿を、3話にわたるインタビューで紹介する。※メイン画像/松川李香(ヒゲ企画)

IconIppei Ippei | 2024/09/11
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スティックに導かれた運命!瀬川真帆とフィールドホッケーの物語 vol.1

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スティックに導かれた運命!瀬川真帆とフィールドホッケーの物語 vol.2

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スポーツ漫画とファッション映画が変えた私の世界

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Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)

私の人生に大きな影響を与えてくれた作品を語るなら、まず挙げるのは『ハイキュー!!』です。このバレーボール漫画は、チームの結束や努力の大切さが描かれており、それが自分の経験と重なる部分が多いんです。また『ブルーロック』も大好きで、自己表現の重要性を教えてくれます。エゴをどう表現するかを考えさせられるこの作品は、自分の中にある情熱や意欲を再確認させてくれます。スポーツ漫画全般にわたって、その情熱や挫折、そして歓喜の瞬間に毎回心を揺さぶられています。

そしてもう一つ、私の人生を変えたのは『プラダを着た悪魔』です。この映画は、かつて服に全然興味がなかった私に大きな影響を与えました。子どもの頃は山を駆け回り秘密基地を作るような活発な子でしたが、いとこが読んでいた『メンズノンノ』がきっかけで服に興味を持つようになりました。しかし、その興味が本物になったのは、この映画を見たときでした。

冴えない女の子がキャリアや見た目の面で変わっていく姿が描かれていて、その変化に魅了されました。この映画をきっかけにココ・シャネルを知ったのですが、彼女が封建的な時代に女性のために動きやすく新しいファッションを提案した生き方にすごく感銘を受けました。「男性として生まれなくても、カッコよく生きている女性もたくさんいる」と知ったことが、私の価値観を大きく変えたのです。

ファッションやメイク、英語や海外への興味がどんどん広がり、私の世界は一気に広がりました。『プラダを着た悪魔』が教えてくれたのは、見た目だけでなく、内面からも自分を変えることの大切さです。この映画を見てから、自分の可能性を信じて、挑戦し続けていくことの重要性を強く感じるようになりました。

応援される選手になるために、スポーツ選手の見た目の大切さ

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Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)

スポーツ選手として結果を出すことはもちろん重要です。しかし、見た目の大切さも無視できません。現在のバレーボール人気を見ると、選手の身だしなみが注目度に大きく影響していることがわかります。自分自身や他の選手を通じて、もっと多くの人にスポーツに興味を持ってもらいたいと思っています。そのためには、見た目を整えることもプロフェッショナルとしての重要な要素だと考えています。

私はモデル活動を通じて、見た目や立ち振る舞いに気を配るようになりました。これが、スポーツ選手としてだけでなく、一人のプロフェッショナルとしての意識を高めるきっかけになっています。見た目や振る舞いに気を配ることで、応援してくれる人たちに対しても、より良い印象を与えることができると感じています。

見た目を整えることは、単なる外見の問題ではなく、自己表現の一部であり、プロフェッショナルとしての意識の表れでもあります。私たちがより多くの人にスポーツの魅力を伝え、関心を持ってもらうためには、見た目も大切にすることが不可欠だと思います。 

パリ五輪不出場の決断とロサンゼルス五輪への挑戦!メダル獲得への道のり

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Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)

今回はパリオリンピックに出場しないという決断をしました。そのため、昨年の秋頃からはずっとロサンゼルスオリンピックでメダルを獲得するためにはどうしたら良いかを常に考えて生活しています。ただ目標を掲げるだけでなく、日常の中でそのことをずっと意識している感じです。

高いパフォーマンスを出すために何が必要かを考え、それに基づいて必要なトレーニングや出場すべき大会を決めています。そして、それをさらに細分化して、具体的に何が必要かを考えながら過ごしています。

2028年のロサンゼルスオリンピックで最高の結果を出すために、これからも努力を続け、目標に向かって全力で取り組んでいきたいと思っています。常に自分を高め、必要な準備を怠らないようにして、メダル獲得を目指します。

チーム作りの課題と個々の成長

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Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)

選手全員の経験が異なることが大きな課題です。同じピッチに立つ選手たちが、自分たちでチームを作り上げていけるかどうかが重要です。そのためには、共通言語やイメージを持つことが必要です。選手同士の情報共有や絆を再構築することが課題だと感じています。

さらに、個々の技術や能力も重要です。海外の選手に負けない能力を身につけるために、多くの選手が海外に行くことを考えています。いつ海外に行くかについては、選手同士で話し合っています。

チーム競技では、チーム全体と個人の両方が強くなる必要があります。どちらか一方だけが強くても意味がないので、全員が自分の課題に向き合いながら、チームとしてもしっかりまとまることが重要です。これを達成しないと勝つことは難しいと思います。ロサンゼルスオリンピックに向けて、全員が自分たちのチームに誇りを持てるようなチーム作りを目指していきたいです。

アスリートとして挑戦したいプロジェクト、スポーツで日本を元気に!

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Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)

スポーツを通じて日本がより元気になるような取り組みを広げていきたいと思っています。スポーツ選手としてでも、スポーツそのものでも構いません。さまざまな要素とかけ合わせることで、社会全体を活気づけることができればと常に考えています。例えば、金銭面でも健康面でも、社会を元気にできる形を作りたいです。

スポーツが与える影響は非常に大きいと思いますが、それをアスリート側が主張するのではなく、一般の人々が「スポーツって本当に力があるよね」と感じてくれることが成功だと思います。

日本では、スポーツと社会が少し離れている印象がありますが、そこをどう組み合わせていくかが課題です。スポーツ選手が社会に寄り添い、一般の人々にスポーツの影響力を感じてもらうことが重要だと思っています。自分たちが「スポーツには影響力があります」と言うのではなく、受け取る側の人々が「本当に影響力がある」と感じてもらえた時が理想です。

スポーツと社会をより密接に結びつけるために、新しいプロジェクトや取り組みを考えています。例えば、地域貢献活動や教育プログラム、健康促進キャンペーンなど、さまざまな形でスポーツの力を活用し、社会に貢献していきたいです。


瀬川 真帆
1996年6月23日、岩手県出身。フィールドホッケー選手。幼少期に長期におよぶ闘病生活を乗り越え、小学生の時にホッケーを始める。中学時代には全日本中学大会、高校時代にはインターハイ優勝、海外遠征(U-16、18)への参加など多くの実績を残し、卒業後はソニーHC BRAVIA Ladiesに所属。スペイン・レアルソシエダへのレンタル移籍を経験し、2021年から東京ヴェルディホッケーチームに所属。そして東京オリンピックに日本代表として出場。並行してOLとして働きながら、モデル活動も行うなど多様なキャリアを実現している。 


Hair&make:Marijo Nishizawa(PUENTE Inc.)
Photo:Rika Matsukawa