パリ五輪・日本人メダリストの活躍と注目の戦いを総括(大会8日目)
日本時間の27日未明にパリ五輪が開幕した。ここでは現地時間の8月2日の(日本時間8月2日〜3日)大会8日目にメダルを手にした選手たちの活躍や、注目選手の戦いぶりを振り返ってみたい。※トップ画像出典/Getty Images
大会8日にはバドミントン混合ダブルスの渡辺勇大・東野有紗組(ワタガシペア)が2大会連続の銅メダル、東京五輪団体のフェンシングエペ団体が銀メダルを獲得した。
バドミントン混合ダブルス 渡辺勇大・東野有紗組 銅メダル (2大会連続)
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1次リーグC組に入った渡辺勇大・東野有紗組(ワタガシペア)は、初戦で台湾の葉宏蔚・李佳馨組を2対0のストレートで退けると、トーナメント1位進出を懸けた2戦目で香港の鄧俊文・謝影雪組と対戦。2対1で勝利を収め、1位で決勝トーナメントに駒を進めた。
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【予選1次リーグC組】
葉宏蔚・李佳馨組(台湾)2対0(21-14、21-13)○
鄧俊文・謝影雪組(香港)2対1○ (21-17、14-21、21-18)○
【決勝トーナメント】
準々決勝では東京五輪でも対戦したタイのデチャポン・プアバラヌクロ ・サプシリー・タエラッタナチャイ組と顔を合わせた渡辺・東野組は、セットカウント2対0で勝利を収め、準々決勝へと駒を進めた。
・準々決勝
デチャポン・プアバラヌクロ ・サプシリー・タエラッタナチャイ組(タイ)2対0 ○(23-21、21-14)
準決勝では優勝候補と言われた東京五輪で銀メダルに終わり、悲願達成に燃える鄭思維 ・黄雅瓊組と対戦した。
世界ランク1位の相手に序盤から押される展開が続く渡辺・東野組は5連続得点を許すなど苦戦し、第1ゲームを14対21で落とすことに。第2ゲームも終盤に押し込まれて15対21と、ストレートで敗れた。その後は鄭思維 ・黄雅瓊組は決勝でも勝利し、悲願の金メダルを獲得し、名実ともに世界一の称号を手にした。
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3位決定戦に回った渡辺・東野組は、韓国の叙承宰・蔡侑玎組と銅メダルを懸けて対戦した。第1ゲームを21対13で制した渡辺・東野組は、続く第2ゲームも22対20で制して勝利を掴み、東京大会に次ぐ2大会連続の銅メダルを獲得した。
・準決勝
鄭思維 ・黄雅瓊組(中国)0対2⚫︎ (14-21 15-21)
・3位決定戦
叙承宰 ・蔡侑玎組 (韓国) 2対0○(21-13、22-20)
フェンシング男子エペ団体 銀メダル (前回金メダルに次ぐ2大会連続メダル)
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東京大会で金メダルを獲得し、『エペジーーン』が流行語に選ばれたフェンシングエペ男子団体は、個人戦で金メダルを獲得した加納虹輝に、山田優、見延和靖という前回大会に出場した3選手と、交代選手の古俣聖の4名で大会に挑んだ。
1回戦でベネズエラと対戦した日本は、試合中盤まで抜きつ抜かれつの展開が続いたが、第6試合の山田がリードを奪うと、交代出場の古俣、加納が得点を重ねて粘るベネズエラを振り切り、39対33で勝利した。
準々決勝でチェコと対戦した日本は、第5試合を終えて15対10でリードしていたが、第7試合を終えて一時は22対21で逆転を許す展開に。だが第8試合で加納が6対1、最終第9試合で山田が18対14でリードを広げて、45対37で勝利を掴んだ。
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決勝は52年ぶりの金メダル獲得を目指すハンガリーと対戦した。序盤からハンガリーが3点ほど先行する展開で続いた試合は、第6試合で古俣が5対3として1点差に詰め、第9試合では加納が7対6で終えたものの、その差はわずかに1点及ばず、25対26でハンガリーに敗れ、銀メダルで大会を終えた。
【試合結果】
男子エペ団体1回戦:対ベネズエラ○(39-33)
男子エペ団体準決勝:対チェコ○(45-37)
男子エペ団体決勝:対ハンガリー⚫︎(25-26)
柔道 男子100キロ超級 斉藤立 3位決定戦敗退
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五輪を連覇した斉藤仁(故人)を父に持つ斉藤立は、2回戦で東京大会金メダリストのルカシュ・クルパレク(チェコ)に1本勝ちすると、続く準決勝ではアンディ・グランダ(キューバ)と対戦した。延長戦4分を超える壮絶な試合は斉藤が大外刈りを奪い、準決勝進出を決めた。
準決勝では金旻鍾(韓国)と対戦したが、背負い投げで1本負けし、親子での金メダルの夢はここで途切れることに。斉藤は銅メダルを懸けて3位決定戦に挑むこととなった。
3位決定戦ではアリシェル・ユスポフ(ウズベキスタン)と対戦した斉藤は、試合開始1分過ぎに技ありを奪われると、腕ひしぎ十字固めを決められて1本負け。自身初の五輪はあっけなく幕切れとなった。
柔道 女子78キロ超級 素根輝 準々決勝敗退
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東京五輪金メダリストの素根輝は、初戦でリシェルアニタ・ソピムベラ(カメルーン)と対戦し、残り1分を切ったタイミングで素根が浮落としで技ありを奪うと、袈裟固めで合わせ技1本とし、白星スタートを切った。2回戦では徐仕妍(中国)を相手に残り25秒のところで、大内刈りで技ありを奪って優勢勝ちし、準々決勝に進出したが…。
カイラ・オズデミル(トルコ)と対戦した準々決勝では、延長戦の1分30秒すぎに上四方固めの技ありを奪われて敗れた。敗者復活戦の結果如何では銅メダル獲得の可能性を残していたが、この試合で古傷の左膝を痛めた素根は試合を棄権し、2大会連続の金メダルは逃した。
競泳 男子200m個人メドレー 瀬戸大也 7位
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リオデジャネイロ五輪以来2大会ぶりのメダル獲得を目指す瀬戸大也は、7位入賞の400mに続き、200m個人メドレーに出場した。
予選を1分57秒48の全体1位で通過した瀬戸は、準決勝でも全体5位の1分56秒59で決勝に進出した。
序盤からマルシャン(フランス)らにリードを許す展開となった瀬戸は、平泳ぎで順位を5位に上げたものの、最後の自由形で失速し、1分57秒21の7位でシーズンを終えた。
【結果】
予選:全体1位 1分57秒48
準決勝:全体5位 1分56秒59
決勝:7位 1分57秒21
競泳 女子200m個人メドレー 大橋悠依 松本信歩 準決勝敗退
東京五輪でこの種目を含む2冠を成し遂げた大橋悠依が登場した。予選を2分11秒70の全体14位で通過すると、準決勝では2種目目の背泳ぎ以降にタイムが伸びず、2分10秒94の全体12位(組別6位)で競技を終え、決勝に進むことはできなかった。
なお、同種目に出場した松本信歩も2分11秒67の14位で予選を通過したものの、準決勝は2分11秒85の14位(組別8位)に終わり、決勝進出はならなかった。
【結果】
大橋悠依
予選:全体14位 2分11秒70
準決勝:全体12位 2分10秒94
松本信歩
予選:全体13位 2分11秒67
準決勝:全体14位 2分10秒94
トランポリン女子 森ひかる 6位
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メダル候補と期待された東京五輪でまさかの予選敗退を喫した森ひかるは、さまざまな挫折を乗り越えて2度目の五輪に挑んだ。
難度の高い技で構成された演技を披露した森は、55.150点の6位で予選を通過し決勝に駒を進めると、決勝でも難易度の高い3回宙返りなどを含めて54.740点を獲得。惜しくもメダルには手が届かなかったものの、6位入賞で大会を終えた。