【パリ2024オリンピック】日本勢の試合も見逃せない…!テニスヲタクが熱狂した試合の場面も解説
ついにパリ2024オリンピックが開幕した。開会式はセーヌ川を各国の選手団が船に乗って登場。有名アーティストのパフォーマンスなど華やかでお洒落な演出、フランス・パリならではの表現が素敵だと思い、自宅のテレビで見ていた。また聖火ランナーとしてテニス界からはナダル選手、元プロのウィリアムズ氏、モレスモ氏も登場。「え!このタイミングでナダルさん⁉︎⁉︎」と明け方の夢うつつ状態から覚醒しました。
開幕したパリ2024オリンピック
今回のオリンピックの出場選手は男女それぞれ5250人で男女比は1対1。余談だが、選手村にはスーパーや美容院、ネイルサロンや託児所等も設置されており、まるで街のような構造になっているらしい。選手団のユニフォームや競技で着用されるユニフォームは、国ごとにブランドやカラーが異なり、今大会を華やかにしてくれている。
テニスでは残念ながら、今回のオリンピックで引退を表明をしている選手がいる。男子元世界ランク1位のアンディー・マレー選手、女子元世界ランク1位アンゲリク・ケルバー選手だ。
私は以前の記事でクレーコートでのテニスについて語っている。果たして2024パリオリンピックではどんな試合が観られるのか、どんな歴史が刻まれるのかとても楽しみだ。
今回の連載では日本代表について話したいと思う。
パリ2024オリンピックのテニス日本代表
- 男子シングルス ダニエル太郎選手、錦織圭選手
- 男子ダブルス 錦織圭選手/ダニエル太郎選手
- 女子ダブルス 青山修子選手/柴原瑛菜選手
- 混合ダブルス 錦織圭選手/柴原瑛菜選手
- 女子シングルス 内島萌夏選手、大坂なおみ選手
パリ2024オリンピックにおけるテニス競技はすでに試合が始まっており、日本勢の初戦は現時点ですべて終了している。2024年7月31日時点で、女子ダブルス、混合ダブルスはなんと初戦突破!残念ながら、男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルスは惜しくも初戦敗退となった。
出典/Getty Images
ここで簡単に基本的なルールを確認していく。ダブルスはその名の通り、2対2で行う。如何に相手のフォーメンションを崩してコートに無人スペースを作りショットを決めるか、相手のミスを誘うか、そんなところが見所だと思う。
ダブルスではネットの近くでボールを打つ「ネットプレー」も多く見られる。相手の球をノーバウンドで返すボレーや頭上でボールを力強く打ち下ろすスマッシュ等が多く見られ、ペアがラリーしてる中で、相手のショットを予測し、前衛(コートの前方選手)が素早いボレーで、相手にコートに返すポーチも見所だ。
女子ダブルス
まずは女子ダブルス。青山修子選手/柴原瑛菜選手ペアは、ルーマニア相手に6-2,6-3で快勝。
今大会の日本初勝利であった。この試合ではファーストサーブがあまりに決まっていた。素晴らしい事だが「こんなにも入るものなのか?」と。入るに越したことはないが「サーブは2回まで打てるのに…」と。もちろん非常に素晴らしいことである。
改めて試合の振り返りに戻ろう。ストレートにきた球を青山選手がバックボレーで返しポイントをとった場面があった。文字に起こすと簡単そうなプレーに想像されてしまいそうで悔しいのだが、高レベルなプレーなのだ。ストレートで決めれると思いっきり打った球が鉄壁に阻まれたのだ。あんな返しをされたら、ストレートに打つのがトラウマになりそうなほどである。
さらに青山選手の深めのリターンからの、柴原選手のボレーも本当に最高だった。柴原選手の強烈なサーブからの青山選手のボレー。この試合は本当に楽しくてたまらなかった。
特に第1セット3ゲーム目15-15が個人的にすごく好き。さらに言えば、第2セット第8ゲーム目も熱かった。青山選手の強烈なリターンからのストレート抜き。柴原選手のドライブボレーでブレーク。
先述した通り、ダブルスではネットプレーがあるのは当たり前なのだが、そのネットプレーが本当に素晴らしくて大興奮だった。なめらかで美しい連携プレーの数々に、終始「なんで⁉︎」と叫びながら観戦していた。私自身ネットプレーが苦手なので、画面越しに崇拝していた。私と同様にネットプレーが苦手なプレイヤーのみなさんと、この「なんで⁉︎」を共感したいぐらいだ。
少々話が変わるが、実は2024年4月に有明コロシアムで行われた女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ(BJK杯)」でこのお二方の試合を観戦していた。
大会後に客席からインカメで選手と写真を撮ろうとトライしたところ、なんとお二方とも気付いて下さりカメラ目線をいただいた。半径5m以内にいる人目線もらったというあの感じではなく、確実に100%こっちを見て下さっていた。間違いない。
試合でのカッコいい姿とはまた別の、巨大な「優」オーラを纏っていたのを鮮明に覚えている。
出典/Getty Images
混合ダブルス
混合ダブルス錦織圭選手/柴原瑛菜選手ペアはフランスを相手に6-4,3-6,タイブレークの末10-7で勝利。混合ダブルスはベスト8進出を決めた。
相手がフランスということもあり完全にアウェー。途中、フランス勢の応援の声がものすごく、画面越しでもその勢いが伝わってきて、思わず一旦音量を下げてしまったぐらいだ。
柴原選手に関しては、この試合前に女子ダブルスの試合を終えたばかりで体力がすごいなと感じた。柴原選手のサーブからの錦織選手のスマッシュ。ストロークで錦織選手が打ち合ってる中での柴原選手のポーチボレー。タイブレークでの柴原選手のバックボレーと錦織選手のサーブ。
アウェーでの試合にも関わらず、お二方とも本当に楽しそうに試合をしているように見えた。観戦をしている私が、思わず「あぁダブルスやりたい」と思うほど。そう、8ゲーム先取のミックスダブルスの大会に出て、1回もポーチを決めれなかった、そんなダブルスが苦手な私が、である。それほど観戦するのが楽しい試合だった。
葛藤した応援。
男子ダブルスは逆転負け。
第1セット目を先取し好発進だった。第2セット目は取られてしまったが、第3セット目の試合の流れで「これは勝てるのでは!」と思ったが、その後が苦しかった。
なかでも、ダニエル太郎選手のドライブボレーで日本のマッチポイントになった瞬間、本当にすごかった!
タイブレークで日本がマッチポイントになりながらも、相手イギリスが怒涛の7ポイント連取でイギリスの逆転勝利。結果は負けてしまった。しかしとても見応えのある試合だった。
対戦相手は引退を表明している元・世界1位のアンディ・マレー選手。日本を応援する気持ちとマレー選手をもう少しだけ見たいという気持ちが大混戦で独り熱狂しながら試合を見守った。錦織圭選手の「勝ちたいのと勝ちたくないのと半々だった」の一言に大きく頷いた。一生タイブレークやっててほしいと思ってしまった。
出典/Getty Images
最後に「引退」に関して、おまけのハナシ。
私が推しているアイドルグループには卒業制度がある。だから毎年行われる真夏の全国ツアーをはじめ、コンサート1つ1つが特別で、毎回「このメンバーでのライブは最後だろう」という気持ちで応援している。一瞬一瞬を見逃したくなくて、食らいつくように、余すことなく見ている。だって卒業発表は、いつもあまりに唐突で、もしかしたら最後である心構えもできずに見ることが叶わなくなってしまうこともあるのだ。
そんな推し活をしながらも、テニスは世界四大大会をはじめ、1年を通して世界各国で大会が行われているからか、正直いつでも観れると高をくくっていた。しかも引退表明までしてくれるので、心置きなく試合楽しめるのだ。実はこれって幸せなことなのでは?と感じた。
だって事前にラストを教えてもらえるなんて、ファンとしては悲しさはあるものの、別れの準備ができる、本当に有難いことなのだ。
2024年はテニス界も別れが多く、今大会で新たな歴史が刻まれ、新たな時代に変わろうとしている。しっかり最後の勇姿を目に焼き付けたい。どの試合も見逃すことができないパリ2024オリンピックになるだろう。