Kuga2 main

Professional boxer Yusaku Kuga "Recognized and into the world" Vol.2

On May 10, 2018, it was announced that a high-profile Japanese title match will be held after a long time. On July 27th, at the Korakuen Hall in Tokyo, Japan's Super Bantamweight champion Yusaku Kuga (27) has decided to hold its third defense battle with Shingo Wajima (30), who is the first in the class. The most powerful Kuga who is aiming for the world's first world challenge, and the Risen, who experiences the world's world challenge in the past and aims at the world again, is a harmony of the trademark. Boxing fans will not be annoyed because two of the best in the world rankings, both groups, will make a survival match for the world title of sadness. Two months ahead of such a battle, the author, who was unable to stand even if he was standing, visited Kuga and decided to talk to him in order to confirm the current Kuga.

Icon segawa.taisuke1Taisuke Segawa | 2018/05/29
「みんなに認められて世界に行きたい」

 なぜ、久我陣営は、リスクを冒してまで和氣との試合をするのか?

 もしも和氣に敗北を喫してしまえば、世界挑戦にあと一歩に迫った状況から、一気に後退してしまうリスクを孕む状況だ。

 こういった状況で、試合を挟む場合、世界前哨戦と称して、組みやすい相手が選ばれるケースも多い。小坂遼との一戦に圧勝し、すでに主要4団体で世界ランキング入りしている久我なら、和氣との試合を行わずとも、次の試合で世界戦を組むことだって出来たはずだ。

 ちなみに、久我が所属するワタナベボクシングジムの渡辺均会長は、「次の世界チャンピオンは久我」と公言するほど、久我の才能に惚れ込んでいる。それだけに、世界前哨戦に勝利して世界挑戦への切符を手に入れた久我に、あえてリスクを犯させるとは、まさか思ってもいなかった。陣営が和氣との一戦にGOサインを出すとは思えなかったのだ。

 だが、久我陣営の考えは違った。久我への愛情を込めて、和氣との試合にGOサインを出したのだ。たとえば、左利きの選手が決して得意なわけではない久我にとって、いま和氣と拳を交えることは、久我にとって大きな意味があると捉えることもできる。つまり、久我が世界を獲るために必要な最後のピースはキャリアであり、そのピースを埋める上で、和氣は絶好の相手だということなのだろう。
 そんな渡辺均会長の親心を知ってのことかは定かではないが、久我はこの一戦にかける想いをこのように語ってくれた。

「和氣選手が対戦を申し込んでくれて、素直に嬉しかった。僕の階級には日本国内にも有望選手がたくさんいると言われています。僕自身、これから世界に行くのに、国内選手との対戦を避けているようじゃ、世界は取れない。和氣選手にわかりやすい形で勝って、みんなに認められて世界に行きたい。」


成長を確かめる絶好のチャンス

 実は、久我と和氣は、過去に2度ほどスパーリングで拳を交えている。無名時代の久我にとって、和氣という選手は、はるか遠い存在だった。その後も努力を重ねて、自らの拳だけを頼りにのし上がってきた久我は、自らの立場を変えて、再びリング上で和気と顔を合わせるのだ。感慨深いものがあっても不思議ではない。そう思ったが、久我は、そんな様子は微塵も見せずに、こう語った。


「あの時、和氣選手はすでにトップクラスだった選手で、僕は無名でした。でも、今は違う。あの時とは立場も力も逆になったと思っている。それを試合で確かめるだけ。」


  成長した久我の勢いとパワーが、経験豊富なリーゼントボクサーを飲み込むのか?それとも、スピードと経験に裏打ちされた技術が、久我の勢いを止めるのか?

 一瞬足りとも目が離せない一戦は、7月23日、日本ボクシングの聖地・後楽園ホールにて、ゴングが鳴らされる。


Thumb 447a1260

 


Interview / text / photo:Yasuyuki Segawa