
Looking back at 2024! Analyzing the in-form "Sanfrecce Hiroshima"
2024年のJリーグは、終盤に白熱の優勝・残留争いが繰り広げられた。DAZN「やべっちスタジアム #176 : 波乱のJ1第31節!番組初登場の林陵平が深堀り解説」より、長年Jリーグで活躍した林陵平がスタジオに初登場。「林陵平のボード解説 このクラブの戦術がすごい!」と題し、優勝争いを繰り広げたクラブの戦術の素晴らしさを解説する。今回は攻守にわたって好調だったサンフレッチェ広島を取り上げた。※トップ画像出典/Getty Images

林が広島の守備を大絶賛「ウイングバックが下がらない攻撃的な守備」
林は、サンフレッチェ広島の守備を「ウイングバックが下がらない攻撃的な守備」と評価する。例えば相手のフォーメーションが4-2-3-1、広島が3-4-2-1と想定した場合、相手センターバックがボールを持つと、トップにいるゴンサロ・パシエンシア1人では追い切れない。このとき、空いた片方のセンターバックに対し、トルガイ・アルスランが浮上してマークする。すると2ボランチを加藤陸次樹1人では見切れなくなる。そのため、また1つ後ろのボランチが出てくる。トップ下はボランチのもう1人がマークすれば安定するが、ここで1つの障壁が生まれてしまう。相手サイドバックが全くのノーマークになってしまうのだ。
ここで先ほどの評価点となる部分だ。林は「基本的に(ディフェンダーが)3枚だと後ろのウイングバックの選手は(下がってディフェンダーの場所を)5枚にしたくなるんです。ですが、広島のすごいところは、ウイングバックが下がらずに上がっていき、ノーマークとなっていた相手サイドバックの場所につくんです」と説明。前線が6対6の様相になる。
すると、相手の両ウイングがノーマークとなってしまうのだが、ここは後ろの残り3枚で徹底マーク。全ての相手に対し、マンツーマンのマークを完成させられる。林は「これが広島の特徴なんです。相手陣内でボールを奪う回数が多いのには、こういった理由があるんです」と力説した。サンフレッチェ広島には、アタッキングサードでのボール奪取数2位、タックルの位置の高さ1位、ショートカウンター数1位(2024年9月20日時点)という記録がある。それらはすべて、戦術が重なっての数字だった。「ゴールに近い位置でボールを奪うことができるので、よりゴールに繋がります。守備から攻撃が生まれるんです」。実際に、試合で何度も相手のミスを誘い出していた。
シュート・ゴール数1位の記録を作った「人があふれ出てくる攻撃」
攻撃面の良さももちろんある。林は一言で「人があふれ出てくる攻撃」と表した。初期配置が3-4-2-1と仮定する。基本的な戦術としては、2の部分である加藤にボールが渡ったとき、距離感の近いフォワード3人で攻撃するのが通常だ。だが「広島は違う」と林は断言する。「広島はボランチやウイングバックが関わってくるんです。サポートの仕方が後ろではなく、前に出てくるんですよね。これがあふれ出てくるということ」と解説した。このスタイルを取ることにより、もちろんリスクも生じるが、ゴールの近いところにボールを繋げやすくなる。広島が誇るシュート数、ゴール数ともに1位の記録(2024年9月20日時点)にはこういった攻撃戦術が関わっていた。
だが、広島はこれだけでは終わらない。林は「さらに3人のセンターバックまで出てきちゃうんです。これがすごいところ」と力を込める。「このセンターバックが上がってくると、誰もマークが出来ないんですよね」。大勢の人数が前線に上がることで、相手のマークをより分散させられるのだ。事実、試合のプレーを見ると、想定しない場所から攻撃陣が参加することにより、相手は誰もマークできていなかった。そこからチャンスを生み出し、ゴールを決めている。この戦術の結果が、相手陣PA内プレー数1位、ラストパス数1位(2024年9月20日時点)という記録だ。林は広島の攻撃スタイルに対し「自陣ではなく、相手陣内で攻守においてアグレッシブに攻撃できる。これがサンフレッチェ広島のすごいところです」と頷いた。
光る新戦力の活躍 広島で途中加入の選手が活躍できる理由とは
さらに広島は新加入の選手もしっかりとフィットしている。2024年7月22日に加入したアルスランがキープレイヤーの1人だ。以前の海外チームではボランチでプレーしていたが、年齢を重ねた影響もあり前のポジションに転換。それが彼にとってはプラスに働いた。ここまで7試合7ゴールと絶好調。林はこの要因について「新加入でここまで活躍するということは、広島の1人1人の役割がはっきりしていることが理由」と述べる。途中加入では、まだ互いの力量はわからない。それでも、プレーに入ったときに自分が何をすべきががわかれば、そこに集中することができる。事実、アルスランのみならず、9月2日に加入したパシエンシアもJリーグデビュー戦でゴールを決めた。林は「ここまで新加入の選手がフィットしてくれるとチームは勢いに乗ることができます」と笑顔で話した。
攻守ともにアグレッシブなスタイルを取るサンフレッチェ広島。今後の試合観戦では、今回挙げたウイングバックの攻撃的な守備にぜひ注目してほしい。優勝争いだけではないサッカーの試合の本質的な面白さも知ることができるだろう。
DAZN「やべっちスタジアム #176 : 波乱のJ1第31節!番組初登場の林陵平が深堀り解説」より
content:2024年Jリーグにおいて攻守にわたり好調だったサンフレッチェ広島の戦術を林陵平が解説する
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