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まさに“ショー”!テニスとエンタメの融合【ドリームテニスARIAKE】テニス界の豪華共演を楽しむ贅沢な時間

国内外問わずテニスファンなら一度は観戦したい豪華な顔ぶれが揃い、12月8日(日)に東京・有明コロシアムにて行われた「ドリームテニスARIAKE」。普段見ることができない選手たちの素顔を垣間見ることができ、会場は終始和やかなムード。6年ぶりの開催ということも相まってか、集まった1万人のファンは大いに盛り上がりを見せ、私は公式戦の決勝以外では見られないだろう組み合わせの試合を観戦できたことに大満足な1日だった。※トップ画像/本人撮影

Icon img 9605 1  1Nana Takahashi | 2024/12/16

見たかった!錦織圭vsダニエル太郎

錦織圭とダニエル太郎はツアーでの対戦経験がなく、観客の前での対戦は今回が初めて。8ゲームの1セットマッチで対戦し、両選手はサービスゲームをキープし続け、タイブレークに突入。結果は8-7でダニエルの勝利となった。

試合の最初の3ゲームでは、車いすテニスの元世界王者・国枝慎吾がコートサイドで豪華な解説を行い、観客の熱気がヒートアップ。時折、両選手が国枝の解説にやりずらさを見せる場面もあったが、両選手の鋭いショットや素晴らしいプレーが随所で見られ、充実感のある試合だった。

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パリオリンピックの男子ダブルス出場の錦織圭(右)とダニエル太郎(左)(出典/Getty Images)

新旧対決!国枝慎吾vs小田凱人

車いすテニスのシングルスも見逃せない。元・世界ランキング1位の国枝慎吾と、現在の世界ランキング1位である小田凱人(パリパラオリンピック男子シングルスで金メダル獲得)による新旧王者対決が実現。試合は6-3で国枝の勝利となったが、国枝は試合に向けて2ヶ月間準備を重ねてきたそうで、そのプレーには「まだまだ現役でいける!」という声も上がっていた。

車いすを一度止めてしまうと動き出しや次の動作まで時間がかかるため、常に車いすを動かし続けるというハードな状況の中で自由自在に車いすをコントロールし、強烈なショットを打ち込む。その「チェアワーク」に誰もが圧倒されていた。あの迫力を会場で間近に感じられて贅沢な時間を過ごせた。

また今年のパリパラリンピック金メダリストの上地結衣による解説も素晴らしく、車いすテニスの基本や選手の視点がわかりやすく説明され、試合を一層楽しませてくれていた。

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小田凱人選手(出典/Getty Images)

小田選手はアスリートでありながら、エンターテイナーでもあると私は思っている。彼は試合を“マッチ“ではなく“ショー”と表現していて、入場からしっかり“コーディネート”しているのだ。試合の入場時には音楽に合わせてカッコよく登場し、会場の注目を一気に集め、試合中もポイントを取るたびに観客を煽って熱気を高めるーまさに“ショー”のような試合運びが印象的だった。

予測不能なダブルス対抗戦

大会の後半で、チームKEIとチームTAROの2チームにわかれて行われたダブルス対抗戦。試合は12ゲーム先取というボリューム満点の内容。チームのメンバーは以下の通りだ。

チームKEI:錦織圭、内田海智、望月慎太郎、国枝慎吾、石井さやか
チームTARO:ダニエル太郎、坂本怜、小田凱人、上地結衣、小池愛菜

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本人撮影

試合は錦織・内田ペア vs ダニエル・坂本ペアから始まり、内田の強烈なストロークと積極的なネットプレーが特に光っていた。その後、メンバーが入れ替わり、錦織・国枝ペア vs ダニエル・小田ペアという「ニューミックステニス」が展開された。この「ニューミックステニス」、私は初見だったこともあるが、このダブルスには結構驚いた。原則1バウンドで返球、車いすテニス選手は2バウンドまで返球するルールで、みんながコート内を縦横無尽に動き周り、強烈なショットを炸裂させる。まさにミックスでボーダーレスな試合に。試合はその後も次々に組み合わせが変わり、最終的にはチーム全員が入った5対5の「“ニュー”ミックステニス」に。

ここでテニスの試合の「チャレンジ」というシステムについて説明しておきたい。選手がライン判定に異議を申し立て、ビデオ判定を求めることができるシステムのことで、今大会においては観客の拍手の大きさで判定が決まるという独自のシステムが採用されていた。

チームKEIのマッチポイントの時に、チームTAROのダニエルが最後にスマッシュを大幅にアウト。ここで今大会特有のチャレンジが発動。アウトジャッジでチームKEIの勝利だとわかっていたのだが、「もっとこの試合を見ていたい」というのが全観客の総意なわけで…判定は“イン”となり、試合は続行。

このような“システム”による「盛り上がり」が2回ほどあったものの、最終的にチームKEIの勝利に終わった。緊張感と笑いが入り混じった貴重なダブルス対抗戦だったと思う。

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本人撮影

イベントの最後には、選手たちが観客に向けてサインボールを打ち込んでくれた。同行していた友人は、見事に小田凱人選手のサインボールをゲット!イベントの終わりに大歓喜の瞬間を迎えたのだった。