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パリ五輪柔道48kg級女王・角田夏実「もう一度この人生を歩めと言われたら、きつい… 」史上最年長で“金”を掴むまでの壮絶な復活劇

初出場のパリ五輪にて、日本女子柔道史上最年長となる31歳での金メダルを獲得した角田夏実選手。日本中を勇気づけた遅咲きの柔道女王が、配信サービス「Lemino」のドキュメンタリー番組『Number TV』にて語った「挫折」とは何だったのか?競技人生における三度の“引退”の窮地について、涙とともに振り返った。※トップ画像出典/Getty Images

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Source: Getty Images

第一の“引退”危機|インターハイ準々決勝敗退

角田選手が、柔道人生をスタートさせたのは小学2年生の時。当初は一回戦突破もままならなかった角田選手だが、次第に頭角を表し、中学時代には全中にて県大会を制覇する。勝つ喜びを知り、角田選手はますます柔道にのめりこむ。さらなる高みを目指すべく、進学先に選んだのは県内の強豪校だった。そこで実力を伸ばし、高校2年時のインターハイでは全国3位に入賞。しかし、意気揚々と挑んだ翌年のインターハイでは、失意の準々決勝敗退を喫してしまう。

“柔道は高校で辞める”思い留まったきっかけは、恩師の言葉

インターハイでの敗戦を機に、“柔道人生”に区切りをつけようとした角田選手を思いとどまらせたのが、母校の監督・石渡正明氏。角田選手は「オリンピックに出て勝てたこと、ここまでやってこられたのは、先生がずっと諦めずに見ていてくれたから」と語った。

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Image provided by: NTT Docomo Sports Graphic Number

「“この人たちには勝てない”と思い、もう柔道は辞めようと思いましたね。でも石渡先生が柔道を続けて欲しいとずっと言っていて、それで大学へ入ったんです。その後も『大会に出る時には連絡しろ』と、ずっと応援してくれていて、大学でもまた頑張ろうと思うきっかけになりました」

柔道を続ける意志を固めた角田選手は、進学した東京学芸大学にて、巴投げ・関節技のスタイルを確立。高校時代、成し遂げられなかった全国優勝を果たすこととなる。

第二の“引退”危機|世界大会銀メダルが招いたスランプ

2017年、角田選手は代表に選ばれた世界選手権にて銀メダルを獲得する。順風満帆な競技人生にも思えたが、“銀メダリスト”の称号が思わぬ重圧になり、その後、極度のスランプに苦しめられた。世界大会で納得のいかない敗戦が続き、悪循環に陥った角田選手の頭には、再び“引退”の文字がよぎったという。

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Image provided by: NTT Docomo Sports Graphic Number

「どういう柔道をすればいいのか、わからなくなってしまったんです。 “負ければ練習が楽しくなくなる、練習が楽しくないから試合にも勝てない”と。どんどん悪循環になっていきましたね。こんな柔道をやっているんだったら、もうやらないほうがいいと思いました」

苦悩の末、角田選手はコーチとの二人三脚でスランプを克服。“自分らしい柔道”で2018年の世界大会を制し、一躍日本女子柔道界のトップに躍り出た。

第三の“引退”危機|過酷な減量で階級変更するも、五輪代表から落選

東京五輪の代表選考。当時27歳の角田選手は52kg級において有力候補となるも、ライバルにあと一歩及ばなかった。そこで、角田選手が見出した一縷の望みは、48kg級への階級変更。あばら同士が当たってお腹を動かすと痛むほどの減量を行い、見事に出場資格を得る。しかし、悲願の代表選考選では、本来の実力を発揮できず敗戦してしまった。

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失望感から練習にも身が入らず、苦悩する日々が続く。“引退”か“パリ五輪を目指すか”を葛藤する角田選手を後押しした原動力は、これまで自分を支えてくれた人たちの存在だったという。

「諦めるのは簡単なんです。だけど挑戦もせずに、挫折に向き合わないで“乗り越えられない”と決めてしまった時、いろんな人が支えてくれて、ここまであるということを忘れてしまいそう。その思いもあって、乗り越えたいなと思いました」

強い意志で挑戦したパリ五輪代表選考会にて、角田選手は念願のパリへの切符を掴む。そして現地に駆けつけた家族や恩師、共に歩んできたチームの声援を力に変え、歴史に残る“世界一”の称号を手にした。

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角田選手にとって“挫折”とは

“挫折”から何度も復活を遂げ、栄光を掴んだ角田選手。そんな角田選手にとって、挫折とは、どのようなものだったのか。

「私にとって“挫折”とは、“一番自分を成長させてくれる場面”。挫折して、それを乗り越えていく。1人では乗り越えられない部分が多いんですけど、いろんな人の支えがあって、挫折を乗り切った時に、本当に成長できたなって感じました。同じような挫折はないけれど、1つひとつ乗り越えていくことで前に進める。自分が強くなれた気がします」

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【解説】必殺の巴投げで五輪を制す 角田夏実(柔道女子48kg級/金)

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【解説】悲願の金メダル獲得ならず “柔道混合団体”銀メダル

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『NumberTV』 挫折地点~あのとき前を向いた理由~

title:#9 角田夏実
Release date:September 26, 2024 (Thursday) 0:00 ~ 24 episodes in total (scheduled to be distributed twice a month)
content:This documentary program focuses on the "failures" and "comebacks" of top athletes. In a special space (the Number Room) decorated with old photos, the athletes themselves look back on their lives and talk about moments of failure and the reasons they were able to move forward.

*The information in this article is current as of the time of publication.