【選手ヒストリー】数々のタイトル獲得、チーム3連覇に貢献ー野村祐輔(広島東洋カープ)活躍の軌跡/2024年プロ野球引退選手
野村祐輔投手は広陵高校、明治大学を経て2011年ドラフト1 位で広島東洋カープに入団。先発として211試合に登板し、80勝(64敗)防御率3.53の活躍を見せ、9勝をマークした2012年には新人王、16勝を挙げて広島の25年ぶりのセ・リーグ優勝に貢献した2016年には最多勝と最優秀勝率、ベストナインを獲得した。※イラスト/これ松えむ
岡山県倉敷市に生まれた野村祐輔は、連島南小学校1年生の時に軟式野球を始め、6年生の時にはエースとして県大会に出場し、準優勝を成し遂げた。
連島南中学校では倉敷ビガーズに入り、本格的に硬式野球に取り組むこととなった野村は投手と二塁手して実力を磨き、3年生では2番手投手として西日本大会優勝(2004年)を手にした。その後は広島県にある甲子園の広陵高校に進学した野村は、同期に土生翔平(元広島)、小林誠司(巨人)らを擁する選手層の厚いチームで1年次からベンチメンバー入りすると、2年生の秋(2006年)からはエースとしてチームを牽引した。
甲子園では優勝を逃すもエースとしてチームを引っ張る
2007年春の選抜大会では、初戦で唐川侑己(現、千葉ロッテ)を擁する成田高を相手に延長戦の末に自責点0の完投勝利を挙げるも、北陽高(現、関西大北陽)戦に勝利して臨んだ帝京戦で初回に6失点の大炎上で、準々決勝敗退に終わった。
夏の甲子園にもエースとしてチームを牽引した野村は、当時4年連続で決勝進出を目指していた駒大苫小牧に対して逆転勝利を収めると、東福岡、聖光学院、今治西、常葉菊川と並いる強豪校を退けて決勝進出を果たした。決勝では「がばい旋風」を巻き起こした佐賀北高と対戦したが、副島浩史の満塁弾などで逆転を許し、準優勝に終わった。
明治大学では史上5人目の「シーズン防御率0.00」を達成!「大学ビッグ3」と呼ばれる
明治大学に進んだ野村は、1年の春(2008年)に公式戦デビューを果たすと、1年生の秋にはリーグ史上5人目のシーズン防御率0.00で、史上5人目の「シーズン防御率0.00」を達成。江尻亮(元大洋)以来44年ぶりの快挙を成し遂げて、最優秀防御率のタイトルも獲得。5勝、防御率1.30の成績を収めた3年(2010年)の秋にも、自身2度目の最優秀防御率を手にした。
4年(2011年)春のシーズンには、史上14人目の通算300奪三振を達成。ドラフトを控えた秋には史上7人目の30勝300奪三振を達成し初のベストナインに選出され、優勝にも貢献。東京六大学勝者として臨んだ明治神宮野球大会でも、キャリアでは初の日本一を手にすることに。
大学野球屈指の実力右腕として菅野智之(東海大)、藤岡貴裕(東洋大)とともに「大学ビッグ3」と呼ばれ注目された野村は、この年のドラフトで広島東洋カープの1位指名を受け、入団の運びとなった。
新人王など数々のタイトル獲得、先発として広島カープの3連覇に貢献
ルーキーイヤーの2012年は、開幕から先発ローテーションの一角を担うと、前半戦だけで7勝(3敗)の活躍で、監督推薦でオールスターゲームにも出場を果たした。後半戦は勝ち星を伸ばせず、9勝11敗と負け越してシーズンを終えることとなったが、防御率1.98の安定した投球でチームを支えて新人王も獲得した。
2013年も防御率こそ3.74に落ち込んだものの、12勝(6敗)の活躍を見せたが、以後2年間は不振に陥り低迷。
だが、2016年には勢いに乗るチームで安定した投球を取り戻した野村は、前半戦だけで10勝を挙げる活躍を見せ、6月には月間MVPを手にし、オールスターゲームにも出場した。最終的に16勝(3敗)防御率2.71の好成績を収めた野村は、25年ぶりのセ・リーグ優勝に貢献し、最多勝と最優秀賞率のタイトルを獲得。ベストナインにも選出された。
2017年には9勝、2018年には7勝を挙げる活躍でチームのセ・リーグ3連覇に貢献した野村だったが、6勝をマークした2020年以降は徐々に登板機会を減らし、2024年限りでの引退を表明した。
profile
name:野村祐輔(のむら・ゆうすけ)
Birthplace:岡山県
date of birth:1989年6月24日
Height/Weight:177cm/85kg
Pitching/batting:右投右打
position:pitcher
ドラフト年:2011年ドラフト1位
Biography:広陵高-明治大-広島東洋カープ
通算成績
実働13年:211試合登板(80勝64敗/防御率3.53)
獲得タイトル
2012年:新人王
2016年:最多勝、最優秀勝率、ベストナイン(16勝3敗 防御率2.71/勝率.842)
*The information in this article is current as of the time of publication (as of November 2024).