【選手ヒストリー】パ・リーグ連覇に日本一も。チーム一筋13年の現役生活に幕ー安達了一(オリックスバファローズ)活躍の軌跡/2024年プロ野球引退選手
2011年のドラフト1位でオリックスに入団した安達了一は、華麗な守備で活躍した内野手で、チーム一筋13年の現役生活を送った。※イラスト/これ松えむ
2011年のドラフト1位でオリックスに入団した安達了一は華麗な守備とパンチ力のある打撃を持ち味とする内野手で、遊撃手や二塁手としてチーム一筋13年の現役生活を送った。
フットボールから野球へ
フットボールに打ち込んでいた小学校時代を経て、高崎市立第一中学校入学後に軟式野球を始めた安達は、捕手や外野手として起用され、3年時には県大会に出場し、準々決勝進出を果たした。
安達は地元の群馬県立榛名高校に進学。1年次から3塁手のレギュラーポジションを掴むと、2年時から遊撃手にコンバートされ主将も任されたものの、甲子園出場を果たすことは出来ず。地元の強豪校である上武大学に進むこととなった。
リーグMVPとベストナインを獲得も、ドラフト指名は逃し、社会人野球の名門チームへ
上武大学では、2年生でベンチメンバー入りした安達は、3年生で遊撃のレギュラーポジションを掴むと、2009年の秋季リーグのMVPとベストナインを獲得。4年時の春季リーグは首位打者、最多本塁打、最多打点の3タイトルを獲得する活躍を見せ、斎藤佑樹(元日本ハム)、菅野智之(巨人)らとともに大学日本代表にも選ばれたものの、ドラフトでは指名されることはなく、社会人野球の名門チームの一つ、東芝に加入することとなった。
2010年に東芝に加入した安達は、1年目の都市対抗野球で打率.391の活躍を見せて、若獅子賞を獲得し、チームの優勝にも貢献した。その活躍が認められて社会人の選手を中心に構成された日本代表に選出され、IBAFW杯に出場したが、2勝5敗に終わり、予選敗退に終わった。
念願のドラフト指名も1年目は苦戦。2年目から貢献も難病に
社会人での活躍が認められ、2012年のドラフト1位でオリックス・バファローズに入団したが、1年目はプロの壁に直面した。ウエスタン・リーグでは打率.269、2本塁打、11打点を記録したものの、1軍では打率.159、0本塁打、4打点に終わり、打撃面での課題を露呈することに。怪我や病での離脱が相次ぐなど、社会人出身野手としては物足りない結果に終わった。
2年目の2013年には、夏頃に2番遊撃手のポジションを掴むと、131試合に出場し、打率.235、5本塁打、30打点。38犠打、16盗塁とチームプレイでも貢献した。
2014年には143試合に出場し、レギュラーポジションを掴んだ安達は、巧みな守備力と強肩、パンチ力のある打撃力で存在感を示したが、2016年1月に厚生労働省が指定する難病の一つである潰瘍性大腸炎に罹患していることがわかり、緊急入院を強いられることに。
初の月間MVP獲得!パ・リーグ連覇と日本一に導き、選手兼任コーチに就任
4月に戦線復帰を果たすと118試合に出場し、自己最高の打率.273を記録。7月には自身初の月間MVPを獲得するなど、前年までと遜色のない成績でチームを支えた。
2017年には109試合、2018年には140試合に出場し、オールスターにも選出される活躍を見せた安達は、同年オフにFA権を行使せずに残留を決断した。だが2019年には肉離れや持病の影響によりコンディションの整わないシーズンを過ごすと、2020年以降は休養を取りながら起用されることとなった。
2021年は成長著しい19歳の紅林弘太郎が遊撃手として起用されたこともあり、二塁手として起用され、通算1000試合出場(6月2日・阪神戦)を達成。10月にはチームも25年ぶりの優勝を成し遂げ、クライマックスシリーズと日本シリーズではスタメンで起用された。2022年にパ・リーグ連覇と日本一を成し遂げると、2023年からは選手兼任コーチに就任した。
内野守備走塁コーチを任され、チームのリーグ3連覇に貢献した。チームがBクラスに沈み、24試合の出場に終わった2024年9月に引退を表明。およそ13年の選手生活に幕を下ろした。
profile
name:安達了一(あだち・りょういち)
Birthplace:群馬県
date of birth:1988年1月7日(36歳)
Height/Weight:179cm/80kg
Pitching/batting:右投げ右打ち
position:外野手
ドラフト年(順位):2003年4巡目
Biography:榛名高-上武大-東芝-オリックス・バファローズ
通算成績
1176試合(打率.245/906安打/36本塁打/325打点/127盗塁)
*The information in this article is current as of the time of publication (as of November 2024).