【解説】東京に次ぐ連覇 “柔道男子66kg級”金メダル 阿部一二三
柔道男子66kg級の阿部一二三選手は、決勝戦でブラジル代表のウィリアン・リマ選手との試合を制し、2大会連続の金メダルを獲得した。※トップ画像出典/Getty Images
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阿部選手は2回戦からの登場。初戦で立ちはだかったタジキスタン代表のヌラリ・エモマリ選手、準々決勝のハンガリー代表ベンツェ・ポングラツ選手をそれぞれ合わせ技一本で下し、オリンピック2連覇へ向けて、危なげないスタートを切った。
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モルドバ代表のデニス・ビエル選手が立ちはだかった準決勝はゴールデンスコアに突入するなど苦戦を強いられたものの、ウィリアン・リマ選手との決勝では、残り1分24秒で合わせ技一本。すべての試合を通して相手に1ポイントも奪われることない圧倒的な強さで、日本柔道史上8人目となるオリンピック連覇を成し遂げた。
パリ五輪の戦績
準々決勝: ベンツェ・ポングラツ/○袖釣込腰→大内刈り(合わせ技一本)
準決勝: デニス・ビエル/○腰払(技あり)
決勝 :ウィリアン・リマ/○隅落→袖釣込腰(合わせ技一本)
<Profile>
1997年生まれ、兵庫県出身の阿部選手は、中学時代から各年代の主要大会に出場。国内のタイトルを次々に獲得していき、高校2年で出場したグランドスラムで男子史上最年少優勝を果たした。
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日本体育大学に進学しても、その強さは留まることを知らず、全日本選抜体重別選手権の連覇や、グランドスラム、世界選手権などの国際タイトルも獲得していった。東京2020では、妹で柔道女子52kg級の選手である阿部詩選手と共に、オリンピック史上初の兄妹同日優勝を果たして国民を沸かせた。2大会連続での“兄妹金メダル”を目指したパリ五輪では、詩選手がラウンド16で敗退。その借りを返すかのような圧巻の柔道で、2大会連続金メダルを獲得した。
<コメント>
連覇という結果を受けて、阿部選手は「最高の思い。東京2020以降の3年間は楽な道ではなかったので」と振り返った。また詩選手の敗退については、「僕自身も苦しい1日だった。妹の分まで、兄として頑張らないとという思いだった」と答えた。