悲願の金メダル獲得へ… 女子バスケ日本代表の現在地とその課題「目指しているバスケットにフィットしてきた」
パリ五輪に出場するバスケットボール日本代表は、日本時間の29日に行われるアメリカ戦で初陣を迎える。4日と6日には東京の有明アリーナで行われたニュージーランドとの戦いに臨み、見事に連勝。(第1戦:125-57、第2戦:92―50)2戦目を終えた後に高田真希選手が「私たちが最高の景色を見せたい」と宣言するなど、金メダル獲得に向けて順調な調整ぶりを伺わせた。※トップ画像提供/JBA
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「スリーを決められずにすみません…」今月6日に行われたニュージーランド戦に勝利した後、キャプテンの林咲希(SG・富士通)は試合中に放った11本の3Pシュートのうち、わずか1本しか決められなかったことを観客に謝罪し「金メダルを取って帰ってくる」と決意を込めた。試合後の会見でも、林は「私自身も、チーム全体としても、3Pシュートの決定率が低くなってしまいました」とチームの成功率が26・7%にとどまったことに言及し、改善を誓った。
一方で「同時に取り組んできた2Pを取ることに関しては手応えがありましたし、以前よりもプレーの幅が広がったように感じている。オフェンスがうまく行かなかった時も、ディフェンスやリバウンドについてチーム全体で理解しながらプレー出来た点は良かったんじゃないかなと思います」と手応え語った。
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「走り勝つシューター軍団」をコンセプトとする日本代表にとって、3ポイントシュートの成功率はチーム浮上の鍵を握るといっても過言ではない。だが、本番でシュートが思うように決まらないケースを想定した場合に、どのような試合運びをするのか。序盤は苦しい時間帯が続いたニュージーランドとの第2戦では、それらを解決する糸口が見出された。高田真希(C・デンソー)も「なかなかシュートが入らない状況をどうやって打開するのか。課題もありましたが、試合の中でそれらを修正できましたし、後半は自分たちのディフェンスから攻撃のリズムを掴めた。そしてチーム全体でプレッシャーをかけながら守るという点においては、(圧勝した)初戦よりも改善できたと思います」と、本番を見据えて順調な仕上がりをアピールした。
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そしてチームを率いる恩塚亨HCも、「私たちにとってのアップサイドのゲームで、いい流れの中で気を引き締めて最後まで戦い抜けた」という初戦の圧勝とは一転し、「ダウンサイドでシュートが打てず、自分たちにとってあまりいい時間帯じゃない時にどうプレスできるか。高田選手と林選手の選手がチームを素晴らしくリードしてくれた。試合の時に色々な状況が起こり得ると思いますが、(流れが良くない時も)自分たちのバスケットをやりきるっていうことできていたんじゃないかなと思います」と2試合を総括。
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2戦目の序盤にはシュートがあまり決まらなかった時間帯も見られたが、「オープンな状況でシュートを打てていましたが、もし入らなかったとしても、オフェンス面ではリバウンド から高い位置でマッチアップして、ディエンスで相手にプレッシャーをかけていく。(圧勝した)初戦では、ディエンスが緩くなってしまったことがありましたが、2戦目ではそれが見られなかった。 シュートが入らない時間帯にどういうプレーをデザインするか。それについてはいくつかオプションがあるので、これから増やしていこうかなと思っています」と現状を振り返った。
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東京五輪で銀メダルを獲得した女子バスケ代表には、前回大会を上回る悲願の金メダル獲得に向けた期待が高まっている。「攻撃ではシュートの確率を高め、3Pシュートもしっかり成功させていくこと。あるいは決まらないとき時にどのようにプレーしていくか。ディフェンス面においてはペイントエリアの失点をいかに減らせるか。そのためには高い位置で仕掛け続けなければなりませんし、プレッシャーをかけることで相手を停滞させるプレーにはこだわっていきたい。日本チームの強みはコートにいる5人全員が走れて、3Pシュートが打てて、先手を取った後にも献身性のある動きを続けるメンタリティを持っているところだと思うので、それらを続けられるようにしていきたい」と、恩塚HCは目標達成に向けて意欲を語った。
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「考え方や技術は素晴らしいものを持っていると思いますが、頭で考えたことをいかに体現できるかがバスケットにおいてはすごく難しい。進化というよりは目指しているバスケットに自分たちがフィットしてきた感覚がありますし、考える部分において成長があったと思います」(髙田)と、有明アリーナでの壮行試合を締めくくった日本は、渡欧後の20日未明(現地時間19日)に世界ランク7位のフランス代表と対戦した。前回と同様に前半からリードを許す苦しい展開が続いた試合は、62対75で敗戦。ニュージーランド戦と同様に3Pの成功率とリバウンドの奪取に課題を残した。
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パリ五輪1次リーグの初戦は日本時間の21日(現地時間20日)。前回の決勝で敗れたアメリカ代表(世界ランク1位)との再戦となる。
「アグレッシブに前からディフェンスを仕掛け、足を止めずにオフェンスを展開していく持ち味」(林選手)を発揮することができるのか。金メダル獲得に向けて残り少ない期間でのさらなる修正が求められることとなるだろう。