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“氷の皇帝”ヒョードルが日本ラストマッチ。格闘技人生の集大成へ「エンターテイメント性の高い試合」届ける【12・29さいたまスーパーアリーナ】

「60億分の1の男」「ロシアン・ラストエンペラー」「人類最強の男」「氷の皇帝」と、その強さから様々な異名を持つロシアの総合格闘家エメリヤーエンコ・ヒョードル。2003年にPRIDE王者ヘビー級王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラを下して王座を獲得すると、2004年にはPRIDEヘビー級グランプリで優勝、さらに2005年にはミルコ・クロコップを破ってベルトを防衛するなど、その圧倒的な存在感は日本の格闘技ファンの脳裏に深く刻み込まれている。そのヒョードルが、4年ぶりに日本のリングに帰ってきた。舞台は12月29日、さいたまスーパーアリーナ「BELLATOR JAPAN」。日本ラストマッチを前に、彼の格闘技への想い、決戦への意気込みなどを訊いた。

Icon 70090528 511982836063813 5722354386395463680 nSatoshi Dairaku | 2019/12/27
――今回4年ぶりに日本で試合を行いますが、今の心境を教えてください。
 
ヒョードル:4年ぶりに日本に戻ることが出来て非常に嬉しく思っているんだ。確かに前回の来日から時間は空いてしまったけど、大好きな日本のファンの前で、全力で頑張りたいと思っている。
 
――日本に来た時の楽しみは何ですか?
 
ヒョードル:日本には試合だけじゃなく、家族旅行で何度か訪れることもあった。「これが楽しみ!」というものは特にないけど、食べ物や観光地など日本には魅力的なものが本当に沢山ある。
 
――「ジェットコースター好き」だと伺いました。日本で気に入っている遊園地や乗り物はありますか?

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ヒョードル:富士急ハイランドは何度も行ったことがある。「FUJIYAMA」「ド・ドドンパ」は、とてもエキサイティングなジェットコースターだよ(笑)。
 
――ヒョードル選手がジェットコースターに乗ってはしゃいでいる姿は、なかなか想像できないですね(笑)。そういえば、絵を描くのがとても上手だとインターネットで評判です。
 
ヒョードル:しばらく描いてないな…実は上の娘が絵を描くのが上手いんだよ。私の友達の、格闘技チームのTシャツデザインなども手がけているんだ。まぁ引退した後、私が絵の道に進むことはないと思うけどね(笑)。
 
――ある時期、毎年大晦日にヒョードル選手が日本のリングに上がっていました。年末年始、家族と離れ離れになり奥様や娘さんは寂しい思いをしていませんか?
 
ヒョードル:確かに、これまで年末は家族と一緒に過ごすことが出来なかった。しかし私の家族は、私の仕事を理解してくれる。幸いなことに、今回の試合は12月29日なので、急いでロシアに帰れば31日は家族と一緒に過ごすことができるよ。
 
――ちなみに、12月29日は娘さんの誕生日ですよね?

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ヒョードル:そうなんだ。でも何かあれば電話をして「おめでとう」と一言伝えることができる。しかし29日は大切な試合がある。まずはその試合に集中し、試合が終わった後、娘の誕生日のことは考えるよ(笑)。
 
――ヒョードル選手の勝率は9割を超えていますが、これまで戦ってきて印象に残って試合があれば教えてください。
 
ヒョードル:やはり自分のキャリアの中で一番重要だった試合は、PRIDEヘビー級タイトルに挑戦した、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦だと思っているよ。日本人だと、藤田和之選手が印象に残っている。キャリア的にお互い脂が乗っている時期に戦うことができた。対戦相手としては、とても厳しい試合ではあったが、今でも記憶に残る戦いの一つになっているよ。
 
――2000年のリングスの大会から、もうすぐ20年が経ちます。長い期間リングで活躍するために、モチベーションを保つ方法を教えてください。
 
ヒョードル:自分に出来ることは最大限準備をし、試合に向けてトレーニングすること。試合では全力を尽くすこと。そしてその結果を神に委ねること。それだけしかできない。
 
――昔と今を比べて、格闘技界はどのように変化してきたと感じますか? 

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ヒョードル:良い点は、沢山の選手が出てきてダイバーシティー(多様性)が進んだこと。
技や知識のレベルが上がってきたこと。一方、残念な点は、リング内で起きている試合で魅了しなければいけないのに、試合前のパフォーマンスで魅せる選手が増えたこと。相手のことを蔑むような発言であったり、そういったことでファンを獲得する方法は、昔と違うように感じる。本来であれば試合で魅せることが大切なのではないかと思う。
 
――公開記者会見の際、今後引退ツアーを行いたいという話をされていましたが、具体的なプランはありますか?
 
ヒョードル:特にないね(笑)。とにかく今回全力で試合をして、終わったら十分に休息を取りたい。BELLATORで、あと2試合行うことになっている。まだ相手は決まっていないが、きっちり戦いたいと思っているよ。
 
――引退した後のプランはありますか?
 
ヒョードル:私にはチームがある。BELLATORの中にもチームがあるし、サンボチームもある。そこに所属しているスタッフや選手のサポートをしていきたいと思っているよ。あとは、ロシア国内にアマチュアMMAの組織があるから、何らかの形で協力し、ロシア国内のMMAの知名度アップをサポートしたいね。
 
――ヒョードル選手が格闘技を通じて学んだことは何ですか?

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ヒョードル:総合格闘技だけでなくスポーツ全般に言えることだが、トレーニングを行っていく中で数々の学びがある。その中であえて2つ言うのであれば、「規律」と「辛抱強さ」ではないかな。
 
――12月29日が日本では最後の試合になりますが、対戦相手「クイントン”ランペイジ”ジャクソン」について印象を教えて下さい。
 
ヒョードル:総合格闘技の中でもトップファイターの1人だと思っている。日本での試合も数多く経験しているし、UFCでの経験もある。非常に経験値の高い選手であり、人気のある選手だと認識している。
 
――ジャクソン戦に向けて対策はありますか?
 
ヒョードル:私の中で試合のプランはできているが、それをこの場で話すわけにはいかないよ(笑)。ぜひ試合会場に来て、それを1人でも多くの人に確認してほしい。
 
――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

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ヒョードル:いつも日本のファンの応援に感謝している。12月29日だけではなく私が格闘家となってから、日本のファンにはずっと支えて貰っている。だから29日は、とてもエンターテイメント性の高い試合をお見せしたいと思っている。もちろん勝負に勝って、自分にとっても良い締めくくりにしたい。かつ私のファンにとっても良い結果をプレゼントしたいと考えているよ。


Interview and text: Satoshi Dairaku
Editing and photography: Shusho Sato
 

<Information>
日本ラストマッチとなるエメリヤーエンコ・ヒョードル選手が出場する
「BELLATOR JAPAN」は12月29日「さいたまスーパーアリーナ」で行われます。「氷の皇帝」の最後の勇姿を、その目に焼き付けろ!
 
詳しくは、下記の「BELLATOR JAPAN 大会情報」をご覧ください。