
川合俊一が語る“スポーツ熱狂度”とバレーボール界の未来とは
2025年「スカパー! スポーツ熱狂度ランキング」発表イベント後、川合俊一氏に個別インタビューを実施。スポーツの持つ魅力や競技ごとの盛り上がりについて熱く語ってもらった。バレーボール界の未来を担う会長としてのビジョンや、日本のスポーツ文化に対する想いとは?熱狂的なスポーツファンでもある川合が語る、記憶に残る名シーンや今後の展望に迫る。※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

― 本日のイベントの感想を教えてください。
やっぱりスポーツ好きが集まって、スポーツの話をするのは楽しいですね。それに、ランキングをつけるのって最近いろんな場面でありますけど、今回の「熱狂ランキング」は面白い企画だなと思いました。
例えば、年齢別のランキングとか、地域ごとのランキングとか、いろいろな形で見ることができますよね。そういうのが増えてくると、逆に僕たちの世代がどれくらいスポーツを楽しんでいるのかも分かる。特に、僕なんかはずっとバレーボールを見てきたので、すごく興味深かったです。
モータースポーツが一位ということにびっくりしましたね。スポーツって、やっぱり見ているだけでも楽しいし、深夜に放送されている試合なんかもつい見ちゃいます。ずっと見ていられるスポーツって、やっぱり魅力がありますよね。
日本だけに頼るな!世界的スターを生み出すべき理由
― 今日、「熱狂ランキング」などのワードがたくさん出ましたが、一視聴者として「これは熱狂したな」と思い出に残っているスポーツのシーンはありますか?

そうですね。古くから言えば、ブッチャーのプロレスの試合ですね。外国人レスラーでしたけど、日本でもものすごく応援されていました。あそこまで外国人を応援する雰囲気になったのは、戦術の影響も大きかったと思います。
今でも世界連盟に言ってるんですよ。「日本のファンは日本人選手を応援するけど、外国にも人気スターを作るべきだ」と。そうしないと、日本が低迷したときに盛り上がりに欠ける。だから、日本だけに頼るのではなく、世界的なスターをもっと生み出すべきじゃないかと。こういう考えは、プロレスの文化から来てるんですよね。
あとはF1ですね。セナの時代なんか、表彰台に日本人が上がらなくても10万人の観客が集まりましたよね。あれはメディアがしっかりスターを作った結果だと思います。スカパーさんとか、そういうレースをしっかり中継してくれるおかげで、僕らも見ることができる。こういうのはすごく勉強になりますね。
賞金なしでも熱狂!オリンピックが生み出す感動の瞬間
― 他に熱狂したスポーツのシーンはありますか?

オリンピックですね。オリンピックって莫大な賞金が出るわけじゃないのに、選手たちはとんでもない努力をして挑みますよね。どの競技を見ても感動します。
例えば、僕は昔、重量挙げの試合を見に行ったことがあるんですけど、すごく盛り上がるんですよ。MCがついて、音楽を流しながら選手を盛り上げる。YMCAなんかが流れると、世界中の観客が一緒に踊ったりして、会場全体が一体になるんです。
ビーチバレーも同じで、音楽の演出が重要なんです。去年のパリオリンピックでは、ビーチバレーが一番人気で、エッフェル塔の下で試合が行われました。それが本当に嬉しかったですね。サッカーはU-23でオーバーエイジが3人しか出場できないから、メッシみたいなスター選手は出てこない。だからこそ、ビーチバレーが1位、2位の人気スポーツになったんです。
僕も試合を観に行きましたが、何より感動したのは会場の雰囲気ですね。試合が始まる前に、ライティングの演出があって、エッフェル塔がライトアップされる。その後、試合の入場行進が始まるんですが、まさに「パリがビーチバレーを一番の競技として認識してくれた」瞬間だったと思います。これは本当に感激しましたね。
バレーボールの未来を担う「次世代選手」の発掘と育成戦略
―川合さんもバレーボール会長職について3年ですね。これからさらに男子バレーも盛り上がっていますが、より熱狂度を上げるための抱負や意気込みをお聞かせください。

そうですね。まず、先日女子の新監督フェルハト・アクバシュ氏が決まりましたが、男子も女子も世界最高峰の監督を迎えました。
男子の監督は東京オリンピックでフランスを優勝に導いたロラン・ティリ氏。そして、女子の監督は世界クラブ選手権で世界一になった実績を持つ方。もう最高の指導者を招聘したので、あとは彼らに任せて、やりたいことを存分にやってもらうのが大事ですね。そうすれば自然と選手たちも世界トップレベルに成長していくはずです。
そして、もう一つ重要なのは次世代の育成です。今の代表チームは監督に任せるとして、次の世代をどう発掘して育てるか。これが我々の使命ですね。
男子は大型選手も多く、スター性のある選手も揃ってきました。女子はまだ若い選手が多く、時間はかかると思いますが、大きくていい選手が出てきています。だからこそ、今の盛り上がりを未来につなげるための仕組み作りが必要だと思っています。
― つまり、日本のバレーボール界の未来を見据えて、強化の基盤を作っていくイメージですね。

そうですね。よくマーケティング部や広報に言うんですよ。例えに出すのですが、アーティストのコンサートを見に行ったとき、バックダンサーを見て「あ、この人かっこいいな」と思うことがありますよね。そういう人が、次世代のスターになっていくこともあります。
バレーボール界でもその方式を取り入れようと思っています。日本代表の試合が盛り上がっている間に、次世代の選手たちにも一緒に合宿を経験させたり、B代表として試合に出させたりする。そうすることで、「今の代表の次はこの選手たちだ」と多くの人に知ってもらえるようにしていきたいですね。
こうした戦略を進めながら、次世代のバレーボール界を支える選手を育てていきたいと思います。
川合俊一(かわい・しゅんいち)
1963年2月3日生まれ、新潟県出身。中学生のころからバレーボールをはじめ、明大中野高等学校を卒業後、日本体育大学へ進学。1984年、大学4年生でロサンゼルスオリンピックに日本代表として出場し、さらに4年後の1988年のソウルオリンピックでも日本代表を五輪出場へと導き、翌年には全日本の主将に就任した。1990年にインドアバレーボールを引退するも、その後プロビーチバレーボール選手として世界各地のツアーに参戦。2007年日本ビーチバレー連盟の会長に就任し”ビーチバレーの先駆者”として競技の普及に貢献。2022年には上部団体にあたる、『日本バレーボール協会の会長』に就任し、日本バレーボールの発展・競技人口の増加に努めている。
Photo: Rika Matsukawa
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