
「新たな自分の道を作っていく」“清水希容”がアジア大会で培った財産と引退後に求める理想とは
キヤノン株式会社が主催するキヤノン「アジア競技大会協賛調印式」が2月27日に神奈川県のパシフィコ横浜にて行われた。ゲストとして登壇したのが東京五輪の空手女子形で銀メダルに輝いた清水希容(きよう)で、イベントでは演武の披露に加えて、思い出の写真を前にトークセッションを繰り広げた。清水がイベント後にキングギア の独占取材に応じ、広がりを見せてきた空手や現役を退いた今の生活、3連覇の経験があるアジア競技大会に対しての想いなどを語った。※メイン画像:撮影/松川李香(ヒゲ企画)

国際大会で広がった競技の浸透
ーー本日(2月27日)のイベントを終えられた感想はいかがでしょうか?
みなさんが知っているキヤノンさんだったので、私自身もこれまでいろんなカメラ、スチールで撮っていただいていて、選手にとってはなくてはならないものだなと思います。(写真は)多くの人に伝えることができると思っているので、改めていろんな人の力がいろんな人に物事を届けるんだなと思います。
ーー今日空手の形を見させていただいてすごく迫力がありました。舞台に立つまでと立っている間の心境はいかがでしたか?
競技生活を終えて、試合会場ではないところで演武をさせていただいているなかで、競技会場は空手を知っている方ばかりなんですが、知らない方たちにこうやって見ていただけるのは私にとってはすごくありがたい。今日はより多くの人に届けるカメラというツールのイベントで、このような経験ができたのはすごく良かったと思います。
ーー空手というと、東京五輪で正式種目になって今まで空手を知らなかった層にも届いていった印象があります。空手を続けてきたなかで、競技が浸透してきたことをどう思っていますか?
五輪やアジア競技大会と名前がつくものは多くの人たちが見るものなので、自分たちの競技だけに限らないんですが、その力はすごいんだなと思います。アジア競技大会は来年名古屋開催なので、国内だからこそより日本の方たちにも注目してもらえる大会になると思いますし、日本人選手にとってはより頑張るエネルギーになるような大会だと思います。

空手特有の「動と静」の動き
ーー今回キヤノンが協賛することになったアジア競技大会で3連覇をされています。何か思い出に残っていることはありますか?
どの大会もいつも必死でしたし、一度出るだけでも簡単に出られる大会ではないので、まさか3大会出られるとは思っていなかった。そういったなかで3大会も自分が出ることができて、プラスで3連覇もできたということは私にとって大きな経験になったと思います。どの大会も思い出がある大会なんですが、自分が今まで空手の世界しか知らなかったなかでより多くの夢や可能性を見ることができたので、それがアジア競技大会だったのかなと思っています。
ーー競技生活を昨年の5月に退かれたなかで、2026年の名古屋大会はどういうところに注目していますか?
もちろん自分の種目は注目しているんですけど、できるだけ多くの人にいろんな競技を見てほしいと思っていますし、五輪競技には入ってない競技がたくさんあります。そういった人たちも戦っているというところを知ってもらいたいですし、一人でも多くの人たちにスポットが当たるといいなと思います。
ーー今日のイベントで写真を2枚紹介されていて、自身が選ばれたと話されていました。清水さんが写真を撮られて「こういう写真がいい」と思うのはどのようなものですか?
空手は「動と静」があるのでそこがうまく写っている写真は私自身も好きですし、ただ形をやっているのではなくて、そういった表情をうまく抜いてくれているようなもの。戦っているからこそ出る雰囲気や表情があると思うので、そういったものは好むのかなと思います。
ーー引退した時に過去の現役時代の写真を振り返ったりはしましたか?
基本はしていないです。過去は過去のものと考えているんですが、データはもらうので、引退後の方が見るようにはなったかもしれません。それこそ、前回のアジア競技大会の写真はたくさんもらいましたし、引退する時にはこれまで以上にたくさん写真をいただきました。

空手家だけではない自分自身の新たな姿
ーー去年のパリ五輪前に競技生活にピリオドを打たれました。今はどのような形で活動されていますか?
今はミキハウスの正社員なので、会社の業務をしながらもこのようなイベントに参加して直接空手を見てもらう。それに加えて「空手家・清水希容」としてだけでなく、そこだけじゃないことにも取り組んでいきたいです。「空手家・清水希容」はこれまでの経験、今後技術を磨いていくための取り組み方はイメージできますが、そうではない空手を取り除いた時の自分の道というのも新たに作っていけるといい。このような今まで経験しなかったような場所に行って、見たり、感じたりということを大切にしながら蓄積していき、違った自分を見出していけるようにしたいと思います。
ーー空手家としてのこれからの想いはありますか?
私自身にとって空手はもちろん自分自身を成長させてくれたものですし、感謝しています。「自分の技術をしっかり磨いていく」ということは変えずにやっていきたいと思います。
ーー今後の人生についてもコメントお願いします。
競技をやっていた時からそうだったんですが、いろんな演武をやってきたなかで、一人でも多くの人たちに元気や勇気を与えたいという想いでやってきました。競技は引退したんですが、空手家としてや新しい自分としてやっていくなかで「どうやって人に何かを伝えられる人間になれるのかな?」ということを大事にする。そこの趣旨は変えることなく取り組んでいけたらと思っています。

清水希容(しみず・きよう)
1993年12月7日生まれ、大阪府出身。2013年の全日本空手選手権で当時史上最年少で優勝し、全日本選手権7連覇を達成。世界選手権も2連覇し、2021年東京五輪では女子「形」で銀メダルを獲得した。2023年にはエジプトで開催されたプレミアリーグ2023で優勝、中国・杭州で開催された第19回アジア競技大会で優勝しアジア競技大会で3連覇を果たした。2024年5月に現役を引退した。
Photo: Rika Matsukawa
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