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破壊力のある攻撃で10年ぶりの栄光へ!強豪との激闘に向けた戦術とはーーFCバルセロナの展望

世界的スター選手であるFWリオネル・メッシやMFアンドレス・イニエスタ、MFシャビ・エルナンデスなどを擁し、2000年代から2010年代にかけて黄金時代を築く。サッカーファンなら誰もが知るスペインの超一流クラブだ。現在は多くの選手が入れ替わったものの、DFパウ・クバルシやMFペドロ・ゴンサレスといった将来を嘱望されるスターや、FWロベルト・レヴァンドフスキのような頼れるベテランも在籍。2022-2023シーズンは2018-2019シーズン以来のリーグ制覇を果たすなど結果も出しているが、CLでは2014-2015シーズンに戴冠してからはそのタイトルから遠ざかっている。1次リーグ2位と好発進した今シーズンは、10年ぶりの欧州頂点の座を目指す。※イラスト/vaguely

Icon kinggear iconKING GEAR Editorial Department | 2025/02/24

リーグ最多の得点数で一気に頂点へ!『攻撃は最大の防御』を体現し、10年ぶりのCL制覇となるか

1次リーグ初戦の相手はフランスのASモナコ。終始試合を優勢に進められ、前半16分に先制されるも、28分に同点に追いつく。1-1のまま後半に突入したが、後半26分にモナコが勝ち越しに成功しそのままタイムアップ。大事な初戦を落とす結果となった。それでも、第2節のBSCヤングボーイズ戦はエースのFWロベルト・レヴァンドフスキの2得点などで5-0とし、その後もドイツの強豪FCバイエルン・ミュンヘンには4-1、セルビアのレッドスター・ベオグラードには5-2と自慢の攻撃陣が火を噴いた。続くフランスのブレスト戦でも3-0と快勝し、初戦の黒星を取り戻す快進撃を遂げる。特にFWレヴァンドフスキは5試合7得点と圧倒的な決定力を見せ、チームの攻撃陣をけん引。また、ブラジル代表のFWラフィーニャ(ラファエウ・ジアス・ベローリ)も、FCバイエルン・ミュンヘン戦でハットトリックを決めるなど、さまざまな得点パターンで白星を積み重ねていった。第6節のボルシア・ドルトムント戦は3-2、続くベンフィカ戦も5-4という結果を見ても、多少の失点よりもそれ以上に得点を挙げる攻撃力で勝ち上がってきた印象だ。特にベンフィカ戦では、後半32分から3得点を挙げて逆転に成功している。決勝トーナメント進出を手中に収めた第8節のアタランタ戦では2-2の引き分けに終わったものの、総得点28は1次リーグ断トツの数字。全体の2位で決勝トーナメントに進んだ。この先の試合でも、観るものを魅了するような攻撃サッカーに期待したい。

▼2024-2025UEFAチャンピオンズリーグ1次リーグ成績

6勝1分1敗/28得点13失点/勝ち点19

2025年シーズン予想フォーメーション

FCバルセロナでは、4-1-2-3を基本のフォーメーションとし、4-2-3-1も併用して戦うというスタイルをとっている。GKは主将も務める大黒柱のテア・シュテーゲンがレギュラーだが、昨年右膝の大けがを負い、残りシーズンの欠場が濃厚。代わりに、ベテランGKヴォイチェフ・シュチェスニーが務めることになる。DFラインは左からアレハンドロ・バルデ、イニゴ・マルティネス、パウ・クバルシ、ジュール・クンデがレギュラーメンバーだ。中盤の底に入るのはMFマルク・カサド。21歳ながらチームのバランスをとる仕事を任され、同クラブに所属していたMFセルヒオ・ブスケツの正統な後継者としても注目されている選手だ。中盤の攻撃的ポジションには、MFペドロ・ゴンサレスとMFガビ(パブロ・パエス)が入る。MFはほかにも、フレンキー・デ・ヨングやダニ・オルモ、フェルミン・ロペス、パブロ・トーレといった多彩な面々がバックアップを担い、中盤が厚くなる4-2-3-1のフォーメーションでも対応できる布陣だ。前線はFWロベルト・レヴァンドフスキを中心に左にFWラフィーニャ、右にスペインの至宝FWラミン・ヤマルというどこからでも点が取れる並びに。若手・中堅・ベテランが融合したバランスのよいフォーメーションといえるだろう。

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Illustration by vaguely

決勝トーナメントの展望ー柔軟なフォーメーションで強敵を圧倒

1次リーグでは初戦こそ敗れたものの、圧倒的な攻撃力で欧州の並み居る強豪をねじ伏せてきた。フォーメーションや選手を入れ替えて戦っても、FWロベルト・レヴァンドフスキを中心とした破壊力は健在。総得点28と1試合平均3点以上の得点力を叩き出し、リーグ2位で通過した。しかしここからは、さらなる強豪と相まみえることになる。注目は1次リーグ首位で突破したリヴァプールFCや、8試合で1失点しか許していない堅守を誇るイタリアのインテル・ミラノとの戦いだ。組み合わせ次第ではあるものの、堅実な試合を見せる両チームに対し、自慢の攻撃力がどこまで注目するのか見ものである。各ポジションの層も厚く、誰が出ても“バルセロナの哲学”が浸透しているのもこのチームの強みだ。唯一の不安材料といえるのは、サブメンバーを置かざるを得ないGKか。しかし、元々のスタイルである攻撃的サッカーをいかんなく発揮できれば、10年ぶりのCL制覇も現実的な目標といえる。

*The information in this article is current as of the time of publication.