
監督解任、エース離脱…不安定な中でも集中守備でどこまで戦えるか?下馬評を覆すフェイエノールトの展望
昨年エールディヴィジで2位となりCLへの出場権を獲得しているオランダの名門フェイエノールト。昨シーズンまで指揮を採ったアルネ・スロット監督がリヴァプールFCの監督に就任し、ブライアン・プリスケ監督体制で臨んだエールディヴィジ新シーズンは現在4位と乗り切れない現状で、2月上旬にプリスケ監督が解任された。さらに絶対的エースのメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスがこの冬ACミランに移籍。MFクインテン・ティンバー、DFゲアノット・トラウナー、MFラミズ・ゼルキ、MFファン・インボム、そして日本代表FW上田綺世など主力メンバーが負傷で戦線離脱するなど、必ずしも見通しが良いとは言えない台所事情だ。それでも何とか進出したノックアウトステージでACミランを交わし、ベスト16の座を手に入れた。※イラスト/vaguely

エース離脱、監督解任、負傷者続出!劣勢を強いられる中での戦い方に注目
1次リーグ初戦の相手は、ドイツのバイエル・レバークーゼン。前半早々で相手に得点を許すとその後も次々と失点を重ね、前半終了間際にはオウンゴールで4点差を付けられる形に。その後もドイツ王者の固い守備をこじ開けることができず、幸先の悪い大会の開幕となった。しかし、その後は攻撃陣の奮起を起点に持ち直し、年内をマンチェスター・シティとの引き分けを含む3勝2敗1分で切り抜けると、新年初戦となったFCバイエルン・ミュンヘン戦ではFWサンティアゴ・ヒメネスの2ゴールや上田綺世のゴールで3発快勝。ベスト16ストレートインの可能性を残す勝ち点13で迎えたリーグフェーズ最終節の相手は、同じ勝ち点で並ぶフランスのLOSCリール。何としても勝ちを掴みたいところだったが、FWヒメネスやGKジュスティン・バイローの前半での負傷交代やDFゲアノット・トラウナーの2度のオウンゴールなどアクシデントが重なり、1-6と大敗を喫した。その結果、1次リーグを19位で終えることになったフェイエノールトは、プレーオフに回ることに。
プレーオフでは、FWヒメネスの移籍先であるACミランとの一騎打ちに。しかし第1戦の2日前、リーグ戦の不振の責任を問われたプリスケ監督が退任。U-21チームのパスカル・ボスハールト監督が暫定で指揮を採るという体制でのゲームとなった。試合は開始3分でFWイゴール・パイションのゴールで先制すると、FW上田の負傷などトラブルがありながらもリードを守り切り、ホームで先勝。相次ぐ負傷者、暫定監督など2ndレグは、FW上田やMFクインテン・ティンバーら主力を負傷で欠き、FWゼピケノ・レドモンドをCLリーグデビューさせるなど満身創痍で臨んだ。しかし開始35秒でFWヒメネスから“恩返し弾”で先制を許し、早々に2戦合計スコアが追いつかれる展開に。それでも後半の序盤に相手DFテオ・エルナンデスがシミュレーションの判定で退場し数的優位を得ると、FWフリアン・カランサがヘディングシュートを決めて再び相手を突き放し、残りの20分弱を守り切ることに成功。激戦を制してベスト16進出を決めた。
▼2024-2025UEFAチャンピオンズリーグ1次リーグ成績
4勝1分3敗/18得点21失点/勝ち点13
2025年シーズン予想フォーメーション
攻撃時は4-3-3あるいは4-2-3-1を基本にしているフェイエノールト。ここではノックアウトステージでも採用された4-3-3を掲載する。また負傷者が多く決勝トーナメントまでにどのくらい回復するのかは未定なので、ここではあくまで基本メンバーとして、長期離脱が決定している選手以外はケガを考慮に入れずに掲載する。
GKは、シーズン通して出場中のティモン・ベレンロイター。フェイエノールトの下部組織出身であるジュスティン・バイローの出場もあるが、リーグフェーズのリール戦で負傷している。CBはDFゲアノット・トラウナーとDFダヴィド・ハンツコがレギュラーといっていい出場数だが、DFトラウナーは負傷。SBは右にDFバート・ニーウコープ、左にDFハイス・スマルが定番。CMFはMFクインテン・ティンバー、MFファン・インボム、MFアントニ・ミランボの出場機会が多いが、MFティンバーとMFファンは負傷を抱えている。3トップの中央は、負傷の回復状況によっては上田の出場も期待できるが、復帰は未定。ACミランとの2ndレグで大仕事をやってのけたFWフリアン・カランサの仕事ぶりが重要になる。左はFWイゴール・パイション、右はFWアニス ・ハジ・ムーサが務める。

決勝トーナメントの展望ーエース不在でも集中守備で上位勢に挑む
1次リーグは、8試合中5試合で3得点以上と攻撃力は評価できる一方で、レバークーゼン戦の4失点、リール戦の6失点など、守備の不安定さもあり得失点差がマイナスの状況で決勝まで駒を進めることができたフェイエノールト。加えて、エースのFWサンティアゴ・ヒメネスの離脱や相次ぐ負傷者などが攻撃力にどう影響するのか。とはいえ、プレーオフのACミラン戦は、僅差のリードを守り切ることができた印象。あの集中した守備を持続することができれば、リーグフェーズでマンチェスター・シティやバイエルン・ミュンヘンから3点を奪ったように、格上を叩くことができるチームでもある。“ベンチが野戦病院”という言葉も飛び交う状況の中、格上たちの戦いでどう自分たちを表現するのか。下馬評は決して高くないだけに、快進撃を見せてくれたらおもしろい。
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