
守備力の高さは欧州屈指!14年ぶりの優勝のカギは得点力かーーインテル・ミラノの展望
2004-2005シーズンから2009-2010シーズンまでリーグ戦5連覇を達成したイタリアセリエA屈指の名門クラブ。日本人には、元日本代表のDF長友佑都が在籍していたチームとしても知られている。近年でも常に上位の成績を残し、2023-2024シーズンには29勝7分2敗でリーグ優勝を果たした。しかし、CLでは2010-2011シーズンの制覇を最後に優勝からは遠ざかっている。14年ぶりのCL制覇を目指す今季は、1次リーグ8試合をわずか1失点に抑える堅実ぶりで、全体の4位で決勝トーナメントに進出。イタリア伝統の守りのサッカーを武器に、勝利を積み重ねられるだろうか。※イラスト/vaguely

8試合で1失点の守備力は欧州屈指!
1次リーグ初戦は、イングランド・プレミアリーグの王者マンチェスターシティとの戦い。1試合を通して23本のシュートを打たれる厳しい展開となったものの、GKヤン・ゾマーを中心とした組織的な守備で最後の最後までゴールラインは割らせなかった。結局0-0のスコアレスドローとなり、勝ち点1を分け与える形で終わった。しかし、第2節のレッドスター・ベオグラード戦では、初戦のうっ憤を晴らすかのようにゴールラッシュを見せる。前半11分から後半36分まで4得点を挙げ、4-0と試合を圧倒。格下相手とはいえ、隙のない試合運びを見せた。続く第3節のヤングボーイズ戦を1‐0で勝利すると、第4節の相手は強豪アーセナルFC。前半終了間際にフリーキックから相手のハンドを誘い、PKをゲット。これをMFハカン・チャルハノールが落ち着いて決め、1-0とする。後半はアーセナルの猛攻に合い、マンチェスターシティ戦に次ぐ21本のシュートを打たれるも、鉄壁の守備で虎の子の1点を守り切った。続く第5節のRBライプツィヒ戦も1‐0で辛くも勝利するが、第6節はドイツブンデスリーガのチャンピオンチーム、バイエル・レバークーゼンに0-1で敗れる。試合終了間際に決められたDFノルディ・ムキエレのゴールは、1次リーグ唯一の失点となった。最終2節はACスパルタ・プラハに1-0、モナコに3-0と快勝し、全体の4位で決勝トーナメント進出を決める。強固な守備はもちろん、勝利した6試合中4試合が1-0というイタリアサッカー伝統の“ウノゼロ”で勝ち上がったのが印象的だ。
▼2024-2025UEFAチャンピオンズリーグ1次リーグ成績
6勝1分1敗/11得点1失点/勝ち点19
2025年シーズン予想フォーメーション
インテル・ミラノが採用している基本フォーメーションは3-3-2-1。守備時は5バックを形成する非常にディフェンシブなフォーメーションといえる。GKは元スイス代表のヤン・ゾマーが君臨。強固なディフェンスを支える中心的存在だ。3バックはDFアレッサンドロ・バストーニ、DFステファン・デ・フライ、DFヤン・ビセックがレギュラーを担う。ほかにも、フランス代表のDFバンジャマン・パヴァールらも加わるDF陣は層が厚く、どの選手が出場しても高いクオリティを誇る。WBは左にDFフェデリコ・ディマルコ、右にDFデンゼル・ダンフリースを配置するのがメインとなるだろう。攻守に激しく運動をする必要があるため、消耗の激しいポジションだ。その中央には、MFハカン・チャルハノールが位置し、攻撃のタクトを振るう。攻撃的ポジションにはベテランになった今でも豊富なテクニックで相手を翻弄するMFヘンリク・ムヒタリアンと、MFとしてオールマイティな能力を持ち合わせているニコロ・バレッラが担う。前線には、FWラウタロ・マルティネスとFWマルクス・テュラムの鉄板2TOPを配置した。さらに、イラン代表のFWメフディ・タレミも控えており、膠着した試合でも一発が期待できるメンバーといえる。

決勝トーナメントの展望ー堅実な守備で決勝トーナメント進出も、攻撃陣に課題
最も堅実な戦いを見せ、1次リーグ4位で決勝トーナメントへ進出した。8試合1失点という堅実な守備は欧州の舞台でも十分通用する。一方、攻撃陣は少々物足りないといえよう。イタリアサッカーの美学であるウノゼロを体現するフットボールとはいえ、総得点11はストレートで決勝トーナメントに進出したどのチームよりも少ない。さらに、敗退したチームを入れても下から数えたほうが早く、ある意味ではチームのコンセプトをよく表しているが、同時に得点力不足も伺える。起爆剤として期待されたイラン代表のストライカーFWメフディ・タレミもリーグ戦23節時点で未だ1得点と波に乗り切れていない。その1得点もPKによるもので、ファンからしても物足りない数字だろう。ホーム&アウェー方式で行われる決勝トーナメントは、得失点差も重要だ。攻撃陣のこれまで以上の奮起が、14年ぶりのCL制覇のカギになるだろう。
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