「仲間と歩む新たな一歩」宮間あやが語る、ウォーキングフットボールで見つけた喜びとつながり
元なでしこジャパンの宮間あやがウォーキングフットボールのイベントに参加し、そこで改めて感じたのは、仲間と過ごす喜びや支え合うことの大切さ、そしてスポーツが教えてくれる人生の大きな教訓だった。現役時代から培ってきた「信じられる仲間」との絆、スポーツが持つ力について語る彼女の言葉には、これまでの経験がぎゅっと詰まっている。宮間さんのまっすぐな思い、その先にあるメッセージに耳を傾けてみよう。※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

「仲間と過ごす時間の価値」新しいスポーツのコミュニティで感じた喜び
Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)
――本日はお疲れ様でした。最初にイベントの感想をお伺いします。
今日はたくさんの老若男女の方々と一緒に、ストレスなく楽しく過ごせて本当に嬉しかったです。普段、走るサッカーに慣れた私たちにとって、皆さんとこうして交流する機会はなかなかないのですが、ウォーキングフットボールに参加させていただく中で、新しい仲間と触れ合う喜びを感じています。
特に印象的だったのは、「こうしてまたスポーツを楽しむ日が来るなんて思わなかった」と語ってくださった年配の方がいたことです。その言葉を聞いて、自分もこの先、ウォーキングフットボールを通じて長くスポーツに関わりながら、皆さんと一緒に楽しんでいけたらと思いました。ピッチの上で笑顔でプレーする姿を見て、スポーツの持つ力ってやっぱり素晴らしいと改めて感じましたね。またこういう機会があれば、ぜひ参加したいなと思っています。
――宮間さんは、何度かウォーキングフットボールをプレーされていますが、これから初めて挑戦する方へのアドバイスがあれば。
そうですね、ウォーキングフットボールは皆さんがイメージするサッカーとは全然違いますし、痛みや怪我のリスクも少ないので気軽に楽しめるスポーツです。サッカー未経験の方でも気負わずに楽しめるのが魅力だと思います。なので、初めての方もぜひリラックスして参加してみてください。ボールを蹴るだけでも楽しいですし、ウォーキングフットボールならではの「穏やかさ」もあって、仲間との一体感をすごく感じられますよ。
Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)
――スポーツの中で、仲間や人生の大切さを感じたエピソードを教えてください。
スポーツを通じて同じ目標に情熱を注いできた仲間たちが、私にとっては本当に大きな財産です。人生には良いことばかりじゃなく、辛い時期や壁にぶつかることも多々ありますが、そうした時に仲間に助けてもらったり、逆に困っている仲間を支えたりする場面を通して、人との絆の大切さを深く学びました。自分の役割や誰かの役に立てる喜びも、こうした経験から自然と考えられるようになったと思います。これはスポーツがくれた、人生で何より貴重な学びですね。
「海外と日本のスポーツ観の違い」スポーツをもっと身近に
――宮間さんは海外でもプレーされていたと思いますが、日本と海外でのスポーツに対する意識の違いを感じたことはありますか?
例えばアメリカでは、地域のイベントに立ち寄る感覚でサッカーに参加している人が多かったです。子どもからお年寄りまで気軽にボールを蹴っていて、普段着でボールを触る人もいたのが印象的でした。日本では準備を整えて参加するのが一般的ですが、あちらでは『とりあえず楽しんでみよう』という雰囲気があり、スポーツが生活の一部なんだと感じました。こうした柔軟な姿勢からも学べるものがあると感じましたね。
Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)
――これまでの経験や現役引退後の日常で、スポーツが役立っていると感じる瞬間はありますか?
例えば、イベントや会合でいろいろな方と接する時、あまり意識せずとも自分がどのように動けばスムーズか、自然に判断できるようになっていると感じます。現役時代にチームの中で瞬時に役割を見つけ、周囲と連携してプレーした経験が日常にも活きているんでしょうね。また、そんな姿勢を周りの方から信頼される場面で実感することがあり、スポーツを通して得た自信や強さが今も支えになっていると感じています。
「未来を楽しむ」宮間あやが大切にする日々の積み重ね
――宮間さんには、ワールドカップ優勝という非常に貴重な経験もありますが、その後の人生に影響を与えたことはありますか?
Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)
あの優勝がもたらしたのは、もちろん一生の誇りですが、それ以上に『一人ではできなかった』という強い思いです。一緒に闘った仲間たちの存在があったからこそ、どんなに厳しい場面でも自分を信じ続けられました。今でも大きな壁に直面したとき、『あの時の仲間となら乗り越えられたんだ』と思い出し、そこから勇気をもらっています。この経験があったからこそ、新しい挑戦にも自然と前向きになれるんだと思います。
――最後に今後の目標や展望についてお聞かせください。
Photography: Rika Matsukawa (Hige Kikaku)
サッカーをしていた頃から大きな目標を立てて少しずつクリアしていくというのが苦手で、今でもそのスタンスは変わっていません。10年後を考えるよりも日々を楽しみ、目の前のことに全力を尽くすというのが私のモットーです。誰かの役に立てれば、と思いながら、日々を大切にしていきたいですね。
宮間あや
1985年1月28日、千葉県出身。プロサッカー選手。ポジションはMFで157㎝と小柄ながら、非常に高い技術を持つ。ワールドカップには2003年大会から3回連続出場し、2007年ではフリーキックで2得点を、2011年でも後半に同点ゴールをあげる等大きな活躍をみせた。オリンピックにも2008年北京大会、2012年ロンドン大会の2回連続でメンバーに選出、ロンドン五輪では銀メダルを獲得。2014年ベトナムで開催された2014年AFC女子アジアカップでは初優勝を果たし、大会MVPを受賞。その後2016年度のシーズンを最後に現役を引退し、現在は次世代の育成活動や講演活動を行っている。
Photo: Rika Matsukawa
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