王者となった兄・レオナに刺激受け「ベルト欲しくなった」。気持ち新たに挑む“KRUSH王座”への道【K-1ファイター 加藤虎於奈】
12月15日に東京・後楽園ホールで行われる『K-1 KRUSH FIGHT.109』のセミファイナルに出場するK-1ファイターの加藤虎於奈(かとう・こおな)。同大会でメインイベントのリングに立つ、第9代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタスの弟だ。兄の背中を追うように、虎視眈々とチャンピオンベルトを狙っている。加藤は2017年にデビューを果たし、これまでの戦績は3勝(2KO)2敗。前回7月の日本vs中国対抗戦では、3ラウンドでダウンを取られ判定負けを喫しており、2試合連続の敗北は許されない。そんな令和元年最後の大事な一戦を前に、自身の格闘技人生を振り返ってもらいながら、決戦に向けての意気込みを聞いた。
Satoshi Dairaku
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2019/12/13
――格闘技を始めたきっかけを教えて下さい。
Kato:小学3年生の時、父に無理やり従兄弟がやっている空手の道場に連れて行かれたのがきっかけです。最初は空手が全く自分に合わなかったんですけど、試合に出て賞を貰ったら嬉しくなって(笑)。そこから格闘技が楽しくなり、今までずっとやっています。
――お兄さんもK-1選手ですが、格闘技を始めたのは加藤選手が先なんですよね?
Kato:そうです。僕が先に空手をやり始めて、そのあと兄が「空手をやりたい」と言って格闘技の道に進みました。たしか僕は小学6年か中学1年の頃で、兄は高校1年の頃だったと思います。
――兄弟で格闘技をされていますが、子供の頃、加藤兄弟は仲が良かったのですか?
Kato:ずっと仲良かったです。うちは4兄弟で、みんな喧嘩する時もありますが、基本小さい頃から仲良く一緒に過ごしていました。レオナが長男で、僕は末っ子です。
――お兄さんとは2年前、自身が所属するチーム「TEAM TOP ZEROS」を立ち上げました。環境や気持ちの面で変わったことはありますか?
Kato:環境としては近々、大きく変化しようとしています。というのも、僕らはチームとして、高田馬場にキックボクシング&フィットネスジム「LARA TOKYO」を立ち上げ、まもなく完成予定なんです。ジムのスタートと同時にトレーナーとしてのキャリアが始まるので、今後、自分の人生がどう変化していくのか楽しみですね。
――なぜ、ジムを立ち上げようと?
Kato:現代社会はストレス社会と言われているので、そういったストレスを、このジムで体を動かし汗をかいて発散していただきたい、と思ったからです。それに僕自身、小さい頃から格闘技を始めているので、このジムでキッズ用のキックボクシングクラスも作り、子供たちに格闘技の楽しさを広めていきたい。まず「高田馬場のキックボクシングジム」と言えば「LARA TOKYO」、そして近い将来「日本のキックボクシング」と言えば「LARA TOKYO」と、たくさんの方々に認識してもらえるように頑張ります。
また、僕は柔道整復師の資格を持っているので、将来的にはトレーナーをやりつつ、整骨院を開業したいと考えています。これから超高齢化社会になりますから、その方々を支えたい、という気持ちもあって。だからこの「LARA TOKYO」でも、高齢者の方々に向けたクラスもニーズがあれば作っていこうと思っています。
――幅広い年齢層を意識されているんですね。ご自身の試合もありますし、やることが多くて大変そう…(笑)。
Kato:たしかにやることが多いですね(笑)。ただもちろん選手としても、さらに高みを目指していきます。今は兄がチャンピオンになり、ベルトを巻いた姿を見て「自分も頑張らなければ!」と刺激を受けていますから。
――環境的にも気持ち的にも心機一転、ここから再スタートですね! それでは少し時間を遡って前回の試合、2014年WPMF世界王者のジャン・チュンユー(中国)戦を振り返ってもらえますか?
Kato:前回は完全に体力不足で負けてしまいました。3ラウンド目から足が動かなくなってしまって…。今はこの試合の反省点を踏まえて練習しています。
――具体的には、どのような練習をしているのでしょう?
Kato:意識的に走り込みをしています。それに加えて、技術的な面の向上にも取り組みました。相手は第3代K-1 KRUSH FIGHTウェルター級王者・牧平圭太選手で強敵ですが、「負けない!」という自信はあります。
――牧平選手はサウスポーですが、やり難さはありますか?
Kato:ないです。サウスポーでも、僕はその時その時で相手に合わせていくので、どんな相手にもやり難さは感じません。
――ちなみに、加藤選手は「これは試合前に必ずやる」というルーティンのようなものはありますか?
Kato:はい。僕は試合前、計量が終わった後に焼肉を食べにいきます。これまでプロでは5試合中3戦勝ちましたが、その3勝した時に食べに行った焼肉屋が同じお店なんですよ。逆に2敗した時は別の焼肉屋だったんです。
――では、今回もその3勝した時の焼肉屋に食べに行くわけですね!
Kato:そうしよう、とは思っていたんですけど…。今回は別の焼肉屋に行こうと思っていて(笑)。
――え!?(笑)。そこはゲンを担いで3勝した焼肉屋に行った方がいいんじゃないですか?
Kato:実は、別の美味しい焼肉屋を見つけてしまったんです(笑)。どうしても美味しいお店を追求してしまうんですよね。だからといって、焼肉屋を言い訳にはしません。美味しいお肉を食べてしっかりと力をつけ、勝利を目指していきます。
――期待しております! やはり、兄・レオナ選手が9月にチャンピオンになったことで、ベルトへの意識は高まりました?
Kato:そうですね。正直なところ、これまで「ベルトが欲しい」という欲はなかったんです。けど、こんなに近くでベルトを見せられたら、やっぱり欲しくなっちゃいますね(笑)。
――トレーナーの方から「兄を前座にして、自分のタイトル戦をやりたい」と加藤選手が言っていたと伺いました。
Kato:それは実現したいですね。今回は兄がメインで、僕はセミファイナルですが、いずれ逆パターンでやりたいと思っています(笑)。
――それを実現するために、現ウェルター級チャンピオン・木村“フィリップ”ミノル選手のベルトに早く挑戦したいですよね。
Kato:はい。牧平選手に勝ったら、すぐに木村選手に挑戦させて欲しいです。ここで別の選手と戦って負けてしまうと、ベルトが遠退いてしまうので。勝った勢いそのままに、木村選手に挑んで奇跡を起こしたいですね(笑)。
――それでは最後に、来年の目標を聞かせて下さい。
Kato:まずは兄とのチーム「TEAM TOP ZEROS」で全勝したい、という目標があるので、それを達成したいですね。個人的な目標としては、前述の通り、やはりベルトを獲ること。だから牧平選手に勝ってチャンピオンへの挑戦権を得ることは大前提だと思っています。ベルトを勝ち取り、兄と共にどんどんメディアに出て、「TEAM TOP ZEROS」や「LARA TOKYO」、そして格闘技界を盛り上げていきたいです。
Interview and text: Satoshi Dairaku
Editing and photography: Shusho Sato
<Information>
加藤虎於奈選手がセミファイナルに出場する「K-1 KRUSH FIGHT.109」は12月15日、東京・水道橋にある「後楽園ホール」で行われます。
詳しくは、下記のK-1 KRUSH FIGHT公式サイトをご覧ください。
また加藤虎於奈選手やレオナ選手がインストラクターを担当する高田馬場「LARA TOKYO」は12月にオープンしたばかりです。
無料体験コースもあるので、興味のある方は下記のサイトご覧ください。
住所:〒170-0033東京都豊島区高田3-5-3第3布施ビル2F
営業時間:10:00 - 22:00(クラスにより変動)
定休日:なし
Tel : 080-7372-3030
Email : info@laratokyo.com
「LARA TOKYO」HPは↓こちら。