元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第2回:株式会社ガンバ大阪前社長 野呂輝久Vol.5」
1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。 第2弾は、ガンバ大阪の前社長として、パナソニックスタジアム吹田の建設などに尽力された野呂輝久氏との対談をお送りする。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。
Junichi Swan
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2019/11/27
— — —Jリーグは、開幕当初から地域密着を謳っており、企業名を禁止しています。
一方のプロ野球は、企業の名前を出しながらも地域密着を実現させました。 Jリーグのチーム名にも企業名を解禁した方が、サッカー界の発展に繋がりませんか?
野呂: 昔、ガンバ大阪は、「パナソニックガンバ」と名乗っていました。 ですが、Jリーグ開幕当初に掲げられた理念に沿って、地域に根ざしたスポーツクラブを企業がサポートするという流れに変わりました。
企業の多くは、社会貢献のためにスポーツビジネスに参入していますが、チームを維持するためには利益も必要です。そういう意味では、プロ野球は合理的な手法をとっているように思います。
元榮:やっぱりそうですよね。
野呂: : スポーツを本格的にマネタイズするためには、民間が中心となって取り組む必要があります。
国や自治体が取り組む「体育」は、医療費を抑えるための健康医療促進なので、色合いが少し異なります。国や自治体が取り組む「体育」「スポーツ」振興は、医療・老人福祉費を抑える的な施策なので、色合いが少し異なります。
元榮: 例えば、「パナソニックガンバ大阪」のように地域と名前を一緒に付けたら、チームの運営資金が、増えたりすることはありますか?
野呂: 今は、チーム名よりも、クラブが柔軟に運用できるスタジアムに企業名を付け、一緒に運用する方法を採ることが多いですね。ネーミングライツ「パナソニックスタジアム吹田」もそうです。
元榮:企業名をチームに付けると、CM効果もアップしませんかね?
野呂: CM費用でユニフォームの胸にスポンサー名を付けたりしていますね。 今の状況では、チームに企業名より地域名を付けることがスタンダードです。
地域のクラブは、さまざまな企業の支援で成り立っています。そうなると、一社だけの社名をチームに付けるのは難しいのではないかと感じます。
従って、ユニフォームの胸、鎖骨、背中、腰、袖、パンツ側面などスポンサー名がいっぱいで、選手もまさにブランドを背負って戦うわけです。 これってほんとにプレッシャーで、僕なら絶対いやですね(笑)
元榮:会社を経営している立場では、CM効果があることが目に見えてわかる方が、予算も通りやすく、取締役会でも説明しやすいように思っています。
現状のシステムでは、地上波ではほとんど放送されないので、試合を見ている方にしか訴求効果がありません。
当初の理念とは異なりますが、チームに企業名をつけられるようになれば、市場規模も増え、良い選手を獲得しやすくなるように思うのですが?
野呂: 現在、J1リーグにいるチームの事業規模が47億円程度。J2は15億円、J 3は、さらにその3分の1の5億円です。事業規模をアップさせるには、企業名の解禁だけでは、力が弱いような気がしますね。
僕は、Jリーグの上位チームを「プレミア化」してはどうかと思っています。これまでは、格差をほとんどつけないという方針でJリーグは運用されてきました。
でも最近は、ダ・ゾーンの分配金制度によって、資金に格差がつき始めてきました。
元榮さんがお話しされている「企業名解禁」の方向とは異なるかもしれませんが、ビッグクラブを作るという方向に、徐々に向かいつつあるように感じますね。
元榮:なるほど。そういった状況なのですね。貴重なお話しありがとうございました。