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Education through sports set by Yuzo Koyama, director of sports science at Nihon University

130年を超える歴史を築いてきた日本大学は、これまで114万人もの卒業生を輩出している。2016年、28年ぶりに新設されたのがスポーツ科学部だ。2017年の平昌オリンピックでは、同学部に在籍するスノーボードハーフパイプの平野歩夢選手が銀メダルを、モーグル男子の原大智選手が銅メダルを獲得し、日本に感動をもたらした。 日本のスポーツ界に新風を巻き起こす日本大学スポーツ科学部長の小山裕三教授に話を伺ってみた。

Icon aff20898 d2d2 431d 8b05 0f3c5e5ae91bHidemi Sakuma | 2019/02/14

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日本大学スポーツ科学部長

小山裕三 教授 

ーー日本大学スポーツ科学部のカリキュラムについて
 小山:スポーツ科学部の学生には「反省的実践」を求めていると話しています。これは、自分自身で課題を見つけて、解決するために資料を探し、きちんと自分で解決する。スポーツ科学部でこのような一連の指導をきちんとやっていこうという方針で、カリキュラムを組んでいます。
 
日本大学スポーツ科学部は、「スポーツ」の学部でありながらも、2年次からは授業は講義のみで、スポーツの実技・実践がありません。上から言われて何かをやるのではなくて、「自分で色々考えて、スポーツなどのやるべきことに取り組もう」という授業ばかりとなっています。


将来的にはスポーツ関係だけではなく、どのような世界に行っても通用する人間を、スポーツ科学部から輩出していこうと考えています。学生は選手として競技で結果を出し、引退したら終わりというわけではありません。生きている間は、ずっと「夢」を持っているわけで、ただ漠然と生きているわけではありませんから。
 
一番の根底は、「日本の社会で、どのように役に立てるのか?」となります。将来、家庭を持ち子供を作り税金を納めることもその一部ではありますが、「自分の存在感」や「スポーツを行ってきた意義」を頭に入れて、励んでいって欲しいですね。
 
ーー世界で活躍するトップアスリートが在籍する理由
 小山:当学部が競技スポーツに力を入れる理由は、「選手になりたい」、「上手くなりたい」、「1番になりたい」などの具体的な目標に持つことによって、より高いレベルのことをやれると考えているからです。
 
「スポーツの意義」をお互いの交流や友達作りにしていると、得られるものはあまりありません。自分の限界に挑んでこそ初めて生まれてくるものが多くあります。そういう意味で、「競技」により一層力を入れることができるので、高レベルの選手が集まってくるのでしょうね。
 
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ーー「アスリートサポートコース」と「スポーツサポートコース」の2つのコースについて
 小山:方針として、スポーツを自分がやらなくても素質ある選手をサポートするなどの方法で、「スポーツを通じて人格を形成し、社会に役立つ人間になって欲しい。」と考えています。ですから、「バレー」「体操」「球技」のような実技は1年生の教養課程にあるだけで、2年次以降の履修科目にはありません。自分が一生懸命関わってきたスポーツを中心に学んでいこうと考えています。
 
学生には「自ら成長できる『反省的実践家』になろう」と言っていますが、最終的には、競技を本気になってやっていく、やったことある学生に来て欲しいですね。もちろん、マネージャーでもいいです。本気の学生が集まることで、私たちが望むような一番いい結果もついてくるだろうと考えています。
 
ーー2020年に迎える東京オリンピックについて
 小山:現役学生や卒業生から10人以上の日本代表選手に選ばれて、オリンピックの舞台で活躍してくれたらいいなと思っていますが、学生たちには日頃から「どんな形でもいいので、オリンピックに携わってほしい」と言っています。
 
2020
年にオリンピックに直接触れることで、何かしら得るものがあると思っています。メダル獲得数も重要ですが、現場で色々なことを感じて大切なものを見つけて欲しいですね。

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ーーオリンピック開催に向けて行う大規模工事について思うこと
小山:私は高校3年生のとき、初めて国立競技場を実際に走って、表現できないくらいの感動を体感しました。
 
最近では費用を削ることばかりが注目されていましたが、オリンピックが終わった後も、後世を感動させられるような環境を作って欲しいですね。例えば1964年の東京オリンピックで作られた代々木体育館は、今でもスポーツやイベントといった様々な催しに使われる「レジェンド」となっています。
 
道路や施設など、オリンピックが行われるこの時期にしかできない大規模な工事もあると思っているので、お金を使うからにはこれから長きに渡って使えるものを整備してほしいと個人的には考えています。


次回、「世界一の選手の育て方」を公開


日本大学スポーツ科学部
https://www.nihon-u.ac.jp/sports_sciences/ 


<プロフイール>
 
小山 裕三(こやま ゆうぞう)
日本大学スポーツ科学部長 教授 博士(体育科学)
日本大学法学部管理行政学科卒業
砲丸投げ元室内日本記録保持者

日本大学陸上競技部監督として、多くの日本チャンピオンを輩出
「オリンピック」「世界陸上」投てき種目のTBS解説者としても大活躍