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連覇!ヴィッセル神戸が2年続けて頂点に輝いた“3つ”の理由とは?

2024年勝利のホイッスルが響くピッチには、感涙に咽び笑顔で抱き合う選手たちの姿があった。2年続けてシーズンを制したヴィッセル神戸。優勝に歓喜の声を上げる満員のサポーターがスタンドを埋める中、連覇という偉業を成し遂げた王者は何を以てして勝利に繋げたのか。今Jリーグを最も見ている解説者の1人、林陵平が連覇に至った3つの理由を分かりやすく独自の視点で語った。※トップ画像出典/Getty Images

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1:強度(intensity)

サッカー界全体が強度が高くなってきた中でも、特にシーズンを通してハイインテンシティに戦ってきたのがヴィッセル神戸だと語る林。彼によると「球際やセカンドゴール、とにかく全員がタフに戦えるのが神戸の魅力。誰が出ても強度高く全員がハードワークをして戦えるのがヴィッセル神戸の強さ」が、優勝した一つ目の理由だという。

2:継続(continuation)

林曰く、吉田孝行監督の指導の元、チームのコンセプトが変わらないこともまたヴィッセル神戸の強さの大きな理由。先述した“強度”を保ちつつ、選手全員がゲームで各々何をすればいいのかを理解していることが大きいのだという。

全員が同じ方向、同じ絵を全員が描けているという事が重要なのだ。常に吉田監督が伝え続けていた“みんなで戦う”という思いや戦術は、Jリーグの中でも抜きんでて並ぶものはない。

ACLや天皇杯などの中でモチベーションを保ちつつプレーさせる、選手の采配も監督の手腕の一つだ。フィールドに立てるのは11人だが、出場できない選手をどう扱うかというのは監督としてとても重要な部分であると言える。「監督のマネージメントの一つとしてすごく大事な部分だと思う、そこは吉田監督は上手くやっている」。吉田監督と選手がシーズン中保ち続けた気持ちや戦術が優勝へ繋がったと言っても過言ではないだろう。

3:タレント(talent)

「大迫、武藤。止められないですよ!分かっていても止められない!」と、林が興奮気味に挙げた二人の選手。今季36試合11ゴール9アシストの大迫勇也選手と、37試合13ゴール7アシストの武藤喜紀選手、この2人の個の強さを林は強調した。

戦術的に攻撃の際には、後ろから対角に長いボールを入れてからセカンドゴールを拾い攻撃に仕掛けていくというのがセオリーだが、この対角のボールに対して止めに入ろうとする所を、大迫・武藤の両選手は個の強さで収め、単独で打開してくれる。「この強烈な個の部分は切り離せない」と林は断言する。

どれだけ戦術があっても、個が成り立たないと意味がないという。その個で戦術を壊すことができるのが、大迫・武藤の両選手なのだ。

宮代大聖選手も、個を放つ選手の1人だ。今季32試合11ゴール1アシストの成績を持つ宮代選手は、今シーズン4-3-3の左インサイドハーフのポジションだ。フロンターレ時代は、ウィングなどの前線で戦っていたが、プレーの選択肢が広く柔軟性があるのでストライカータイプだが、1列下げたところでも活躍できる選手だ。

他にも、センターバックの山川哲史選手はキャプテンとして存在感を示した、と林はいう。続けて「他にもセンターバックにはトゥーレル。酒井高徳もいるし、本田であったり井手口、怪我してしまったけど山口蛍、扇原もいる。キーパーには前川もいる…」と、名選手の名を連ね「そりゃあ優勝するよ、というメンバーが揃っている」と選手層の厚さを噛み締めた。ベテランと若手の経験と若い力の融合したチームは、その強さをもって結果を出したのだ。

2024年王者、そしてこれからの軌跡

2024年史上6チーム目の連覇、史上7チーム目の国内二冠を達成した王者・ヴィッセル神戸。ただ強い選手だけを集めても勝利には繋がらない。タクティクス、メンタル、チームワーク…すべてが一致した時に勝利への道が開けるのだろう。偉業を成し遂げたヴィッセル神戸にはプレッシャーや期待がこれまで以上に寄せられる事だろう。これからのヴィッセル神戸の一層の活躍に胸が高まってならない。

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サッカー解説者“林陵平”が総括する「2024年のJリーグ」

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『Jリーグ シーズンレビュー 2024』#9 : ヴィッセル神戸が連覇した「3つ」の理由 より

配信日:2024年12月9日

※記事内の情報は配信時点の情報です