
もし大谷翔平がサッカー選手だったら──三刀流の才能が、W杯で暴れた未来とは?
その男がボールを“蹴った”だけで、世界がざわついた。MLBのスーパースター・大谷翔平が、伊藤園のCMで見せたサッカーリフティング。砂浜の上で軽やかにボールを操る姿に、ファンは思わず問いかけた――「もし彼が、野球ではなくサッカーを選んでいたら?」圧倒的なフィジカルと知性、そして類まれなる人間性を持つ“規格外”のアスリートが、サッカー界にいたならば。これは、その“あり得たかもしれない未来”を描きながら、日本サッカーの育成と可能性を見つめ直す。※トップ画像出典/Getty images

「サッカー大谷翔平」がいた世界線を想像してみる
2025年3月。ロサンゼルスの陽光が降り注ぐビーチに、思わぬ光景が映し出された。伊藤園の新CM「お〜いお茶」の一幕で、ロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平が、サッカーのリフティングに挑んだのだ。
両手をポケットに入れたまま、砂浜の不安定な足場の上で軽やかにボールを操る。最後にはカメラにボールを当ててしまうという微笑ましい失敗もあったが、それすら絵になるのが彼という男の天性である。SNS上では瞬く間に反響が広がった。
「えっ、大谷ってサッカーもうまいの?」
「まさかの“三刀流”爆誕か」
「代表のワントップで見てみたい」
「キーパーでもいけそう」
コメントは冗談めいていたが、どこか本気の眼差しを含んでいた。そう、我々は思わず考えてしまうのだ――もし、大谷翔平がサッカーの道を選んでいたら?
世界最高のストライカーになっていた可能性
野球界に現れた“規格外のアスリート”。193cmの長身にして驚異的なスピードと柔軟性、そしてピッチャーとして160km/hを超える速球を投じ、打者としては本塁打王に輝く。この身体能力がもし、芝のピッチ上に向けられていたとしたら──。
並みのディフェンダーでは空中戦で太刀打ちできず、コンタクトにも吹き飛ばされる。野球で培った判断力と瞬発力、そして一瞬で状況を読む目。彼がセンターフォワードの「9番」として立っていたなら、現代サッカーの頂点に立っていた可能性は極めて高い。
さらに言えば、大谷の魅力は“スペック”だけではない。努力を惜しまない誠実さ、周囲に感謝を伝える謙虚さ、そして理詰めで自身を向上させる分析力――。サッカーにおける理想像としては、フィジカルはハーランド、精神性と戦術理解はトーマス・ミュラーにも重なる。
彼は、おそらく得点王でありながら、守備にも走り、チームのためにボールを追い続ける“監督泣かせの万能型”。そんな選手が、日本代表のユニフォームを身にまとっていたとしたら。
キーパーでも通用する?三刀流の可能性
ある評論家はこうつぶやいた。「1ヶ月に1度はGKで出て、残りはFW。そんな選手、見たことがない」
だが、野球界ではそれを現実にしてきたのが大谷翔平という男だ。投げて守り、打って勝つ。サッカーに置き換えれば、「攻守にわたってチームを支える存在」であり、ポジションの枠を超えたプレーヤーだ。例えば、試合終盤にGKが負傷。交代枠を使い切った場面で、迷わずゴールに立つ大谷翔平。PK戦で一本を止めた後、逆に自身が5人目のキッカーとしてゴールを奪う――。そんな“映画のような現実”すら、彼には似合ってしまう。
日本代表の風景も変わっていたか?
フィジカルと決定力。この2つは長らく、日本代表が世界と戦う上での課題とされてきた。だが、大谷がワントップにいたとしたら?三笘薫、久保建英、南野拓実といった技巧派たちが、彼の周囲で生き生きとプレーできていたかもしれない。セットプレーではターゲットに、守備時には空中戦の要として。現代サッカーにおける“万能型CF”の理想形として、間違いなく日本代表を次のフェーズへと引き上げていたはずだ。
そして問いは残る――「第二の翔平」は育てられるのか?
いま、日本サッカーに求められているのは、「大谷翔平のような才能をどう育て、どう迎えるか」という視点でないだろうか。
● 身体能力を育てる「マルチスポーツの推奨」
小中学生時代の“競技一本化”を見直し、野球や陸上、水泳など他競技を経験させること。GKやCF、CBなどフィジカル型ポジションでは、その経験が生きる。
● 自己管理と人間性を養う「人間教育」
大谷が育った環境では、生活管理、目標設定、精神的成長が重視されていた。マンダラチャートによる自己分析など、競技外の教育も育成の鍵となる。
● サッカーIQを鍛える「思考と言語化の習慣」
彼が高校時代からデータと映像で成長を図っていたように、サッカーにおいても「なぜそのプレーを選んだか」を自ら言語化できる選手を育てるべきだ。
最後に。
我々はすでに、“野球界の翔平”を知っている。そして想像してしまう――“サッカー界の翔平”がいたら、どれほど世界は熱狂していたのか。それは、単なる妄想かもしれない。だが、育成次第でその夢は、決して絵空事ではない。
世界がもし二度生きられるのなら、大谷翔平の“サッカー人生”も、ぜひ見てみたかった。
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