
「大谷はホームラン50本は確実!投手延期は英断」 “デーブ大久保”が語る、大谷翔平の今季キャリア
ひと足早く始まった東京ドームでのメジャーリーグ開幕戦を皮切りに、本格的に球春が到来。今季のメジャーリーガーたちの活躍ぶりからセ・パ両リーグの順位予想やカギを握るであろう選手や監督について、西武ライオンズや読売ジャイアンツでプレーし、東北楽天ゴールデンイーグルスの1軍監督も務めたデーブ大久保氏に語ってもらった。※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画) 第1回はロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平をはじめとする日本人メジャーリーガーたちの今季の活躍について聞いた。 ※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

手術明けでも二刀流復帰は確実な大谷翔平
――日本での開幕戦も盛り上がったメジャーリーグ。その中でも、昨季リーグMVPを獲ったロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の活躍が注目されています。今季、大谷選手は“二刀流”復帰できるのでしょうか?,
僕も監督やコーチ時代にトミー・ジョン手術をした投手たちのリハビリを見てきましたが、(トミー・ジョン手術明けの)大谷投手のピッチング練習を見ている限りは安心です。怖がらずに腕を強く振れている。順調に状態を上げてきていると思います。今年は間違いなく投げられるでしょう。
――ただ、当初は5月に投手復帰予定でしたが、復帰時期が遅れるという報道も出ています。これにはどういった理由が?
あまりにも順調すぎるので飛ばしすぎて壊れるケースもあるので、ちょっとペースを落とそうというチーム方針があるのだと思います。
本当は5月には投げられるでしょうけど、ドジャースは先発投手陣も充実しているのでそこまで無理に急がせる必要もないのでしょう。
――そうなるとまずはDHでの出場が続くのでしょうか?
ですね。まずは昨季同様にバッティング面で活躍してほしいというのがチームの本音でしょう。
でも、大谷選手にとってはちょうどよかったと思いますよ。本人としても万全の状態で投げたいでしょうし。ファンの方は早く“二刀流”を見たいでしょうけど、もうしばらくの辛抱してもらえたら…。
最低でも5勝は可能ー問題は球数制限か
――6月以降の登板となると、どのような成績を残せそうでしょうか?
おそらく登板間隔は空くと思います。12試合ぐらいに先発で投げると仮定して最低でも5勝は確実にいくでしょう。
球数制限もあるだろうから、球数が多くなったら勝ち投手の権利があっても5イニングまで投げないこともあると思いますね。コントロールが良いピッチャーなので球数は多くならないと思いますが、70~80球が目安になるのでは…。
だから今年に関しては、勝利数にそんなには重きを置かずに投げてもらうことになると思います。それでも5勝は余裕でいけますよ。
今年も50本塁打は確実!盗塁も30盗塁は可能
――では、打撃成績のほうはどうなるでしょうか?
投手復帰が遅れる報道を聞いたので、打撃に集中できる。今年もホームラン50本は確実にいくでしょう。ピッチャーとして投げ始めるのが早まっても、40本近くは打ってくれるはず。
――ケガの心配もあるため、今年は50盗塁以上というのは難しそうでしょうか?
いや、大谷選手は積極的に走りますよ。メジャーリーグの投手はクイックをしないし、技術も高くないので盗塁しやすいですから。
走れる場面があれば、ガンガン走ると思います。50盗塁以上は無理でも30盗塁は可能でしょう。
修正能力の高い山本由伸は10勝以上できる
――開幕投手を務めた山本由伸投手はどんな活躍をしてくれるでしょうか?
山本投手は元々ドラフト4位指名で、まさかメジャーに行くとは誰も思っていなかった。でも彼がここまでの投手になれた要因としては、修正能力の高さでしょうね。
メジャー1年目の昨季は痛打される場面がありましたが、相手チームに球種のクセを研究されていたみたいです。
でも、開幕ゲームでは自分なりにそのクセを修正できていた。ストレートも150キロ台を連発するなど、かなりスピードが出ていたし、変化球でタイミングをうまく外していましたよね。この調子でいけば10勝は確実にすると思います。
不安要素があるとすれば、高めのストレートで勝負しようとしすぎることですかね。調子が良いときは問題ないですが、力がないボールがいくとメジャーの強打者は簡単に打ち返しますから。高めの強いストレートで空振りやファールを取れない日にどうするかがカギになるでしょうね。
メジャーデビューした佐々木朗希は育成のシーズンに
――2戦目に登板した佐々木朗希投手はどうでしょうか?
元々じっくり自分のペースで仕上げていって投げたいタイプらしいので、2戦目の登板は大変だったと思います。その中ではよく投げたほうでは……。
ただ、佐々木投手はフォークが決め球ですけど精度が高くない。だからフォークを見極められたり、早く落ちすぎてボールになったりするパターンを繰り返すと球数がどんどん増えていく。
そうなると勝利投手の権利を得る前に降板せざるを得ない。だから変化球の精度をどう上げていくかが課題になると思います。
――成績的にはどれぐらいが期待できるでしょうか?
5勝できたらよいのでは? 今季の佐々木投手は、育成していくスタンスでやっていくと思います。ケガをしないように球数だったり、登板間隔だったりを調整していく形になるはずです。メジャーは日本より遥かに選手の体を第一に考えるところがあるので。
ただ、ストレートは一級品ですから数年後にはエース格になってくれるはずです。
今永のホップするストレートと強靭なメンタルはメジャー向き
――同じく開幕戦で投げたシカゴ・カブスの今永昇太投手のピッチングはいかがでした?
今永投手をテレビで見ていると、スピードはそこまで出ているように見えないし、なんで打てないのだろうと思っていました。
ただ、実際にグラウンドで今永投手が投げるボールを見て驚きましたね。回転数が多くて、軸が立っている。普通はサイド気味から投げたらボールの軸って寝てしまうんですけど、今永投手のボールはホップするような軸で回転数も多い。そんなすごいストレートに加えて、左バッターにチェンジアップも投げられる。サウスポーはあのコースにポンポンと投げられないですから。こりゃ打てないなと思いました。
それに、動じないメンタルもすごい。福岡生まれが出ていますよね(笑)。プレッシャーがかかる状況になればなるほど、いいボールを投げられますから。
非常にメジャー向きの投手なので、昨季の15勝に近い数字、少なくとも10勝は余裕でクリアできると思いますよ。
鈴木誠也はスロースターターなので心配なし
――その他の日本人メジャーリーガーで注目している選手は?
鈴木誠也選手ですね。広島東洋カープ時代からよく見ていましたが、生粋の負けず嫌い。広島にいるときから独特な存在で有名でしたよ。
日本での開幕シリーズ2戦は、調整段階でなかなか思うような成績は出ていなかったですが、彼はスロースターター。シーズンに向けてベストになるように仕上げてくるでしょうから、心配なしです。
ちょっとまだ体が大きすぎるイメージでしたが、実戦を重ねてベストの体に絞れていけば、DHとして十分に機能すると思います。
教え子・松井裕樹はイニングまたぎが課題
――他に期待している選手は?
楽天監督時代の教え子でもある、サンディエゴ・パドレスの松井裕樹投手ですね。彼をクローザーに抜擢したのも僕ですから思い入れは強いです。彼も今永投手同様にメンタルが強くて9回の一番緊張するような場面のほうが力を発揮するタイプ。
ただ、メジャーに行ってからは日本でやらせなかったイニングまたぎを平気でやらされていて、そこの環境に慣れてない印象です。
オープン戦でも昨季の疲れがまた残っているようでそこまで調子が良くないし、今年もイニングまたぎを任せられると思うのでそこに対応できるかどうか。
でも、松井投手も本当に負けず嫌いだし練習する選手だから、乗り越えてくれるだろうと期待しています。
デーブ大久保(でーぶ・おおくぼ)
1967年2月1日生まれ、茨城県出身。本名は大久保博元。1985年、西武ライオンズにドラフト1位で入団。アメリカ留学を経て、1992年に巨人へ移籍すると同年にセ・リーグ6月度月間MVP、オールスター出場を果たし、常勝軍団のムードメーカーとして活躍。1994年には日本シリーズ出場。引退後はデーブカンパニーを設立し、2001年にはプロゴルファーとしてライセンスを取得。また、埼玉西武ライオンズ1軍打撃コーチ、東北楽天ゴールデンイーグルス2軍監督、1軍監督など指導者や指揮官としての経験も豊富。現在は講演、野球教室やゴルフイベント、飲食店経営などマルチに活動中。
Photo: Rika Matsukawa
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