
長期政権の終焉、そして新監督の挑戦!J1復帰を目指して踏み出す、新たな歩みーーコンサドーレ札幌の予想と展望
かつてはJ1とJ2を行き来するエレベータークラブであった。しかし、2017年に16年ぶりとなるJ1残留を決めると、翌2018年から就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督の手腕によりその年はリーグ4位と躍進。2019年にはJリーグYBCルヴァンカップで準優勝を果たした。その後は2桁順位が続き、再び残留争いに巻き込まれる。2024年シーズンはペトロヴィッチ体制7年目となったが、開幕戦で引き分けた後は6連敗を喫した。後半戦になって盛り返すが残留県内には届かず、シーズン19位となり2016年以来のJ2降格となった。※イラスト/vaguely

長期政権の終焉&元日本代表の理論派監督就任
開幕戦はアウェイで開催されたアビスパ福岡戦。全体を通して果敢な攻めを見せるも、相手の堅い守備に阻まれ0-0のスコアレスドローに終わる。続くサガン鳥栖戦で0-4と大敗すると、第6節の名古屋グランパス戦まで5連敗。第4節はJ1に昇格したばかりのFC町田ゼルビアに1-2で敗れ、第5節は2023年チャンピオンのヴィッセル神戸に1-6と大量得点を奪われた。第7節のガンバ大阪戦で1-0と辛勝し今季初勝利を挙げるが、続くアルビレックス新潟戦からは4試合連続の引き分け。第10節の湘南ベルマーレ戦では後半20分まで3-0とリードしていたにもかかわらず、追いつかれてしまう。さらに、第15節の柏レイソル戦から第22節の鹿島アントラーズ戦までは泥沼の8連敗を喫してしまう。このうち、ホームで行われた3試合は1点も奪えないなど、苦しい日々が続いていた。それでも、第26節のアビスパ福岡戦では2度追いつき引き分け。続く第27節のサガン鳥栖戦から第29節の川崎フロンターレ戦までは、シーズン初の3連勝を挙げるなど復調の兆しを見せていた。8月以降の成績は6勝4分4敗と勝ち越しに成功したが、前半戦の出遅れが響き、悔しいJ2降格となった。この結果を受け、2018年から長期にわたってチームの指揮を執ってきたミハイロ・ペトロヴィッチ氏が辞任。後任として、日本代表でも活躍した岩政大樹氏が担うこととなった。
▼2024年シーズンの成績
J1リーグ:19位(9勝10分19敗/43得点66失点)
JリーグYBCルヴァンカップ:準々決勝敗退
天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会:4回戦敗退
2025年シーズン予想フォーメーション
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもと、長らく3-4-2-1のフォーメーションで戦ってきたコンサドーレ札幌。今季から監督は交代し、選手の大幅入れ替えもあったため3-4-1-2とペトロヴィッチ監督のエッセンスも残しつつ、新たな戦い方を示すと予想した。DFラインは、昨季33試合に出場した岡村大八選手がFC町田ゼルビアに移籍。サブメンバーを中心に穴埋めが必要となる。左はDFパク・ミンギュ選手、中央にDF中村桐耶選手、右にDF髙尾瑠選手とした。今季期限付き移籍から復帰するDF西野奨太選手もレギュラー争いに加わればCBの層は厚くなるはずだ。中盤はMF駒井善成選手、MF浅野雄也選手を流出したものの、ベルギーリーグで活躍していたMF高嶺朋樹が完全移籍で復帰。ボランチはMF高嶺選手と、昨季も活躍したMF荒野拓馬選手が担うだろう。右サイドにはMF近藤友喜選手が引き続き入り、左サイドとトップ下には、残留組となるMF青木亮太選手とMFスパチョーク・サラチャート選手が入ると予想。2TOPは、昨季までエースを務めていたFW鈴木武蔵選手がガンバ大阪に移籍したため、後釜を探す必要がある。1人目は、昨季途中からチームに加わったFWジョルディ・サンチェス選手と予想。190cmの長身を活かしたポストプレーや得点力アップが期待される。もう一人は、FWアマドゥ・バカヨコ選手と予想した。こちらも190cmの長身が特徴で、シエラレオネ代表としても活躍している。“札幌のツインタワー”ともいえる長身2TOPを配置し、話題性も抜群だ。

2025年シーズンの展望ー攻守の要を失った札幌。新指揮官の下でJ1復帰を1年で目指す
DF岡村大八選手、FW鈴木武蔵選手という攻守の要を失った状態で9年ぶりのJ2に挑む。代わりになりえる選手も獲得しているが、昨季のパフォーマンスを超えられるかどうかは未知数だ。一方、明るいニュースとなったのは、ベルギーリーグで19試合に出場していたMF高嶺朋樹選手のチームへの復帰。もともとコンサドーレ札幌のユースチームで活躍し、柏レイソルを経て海外へと旅立った生え抜きのプレーヤーだ。今年28歳の年で、選手として最も脂がのった時期での復帰だけに期待がかかる。ポジションはボランチが濃厚で、攻守にわたって存在感を発揮できるかに注目したい。今季からは、岩政大樹監督を迎えた新体制となる。学生時代は教員を目指していたという理論派監督のもと、1年でのJ1復帰を目指す。
新加入選手/移籍情報(2025年2月14日時点)
IN
【DF】
西野 奨太/カマタマーレ讃岐/20歳(復帰)
岡田 大和/ロアッソ熊本/23歳(復帰)
【MF】
高嶺 朋樹/KVコルトレイク/27歳(完全移籍)
木戸 柊摩/大阪体育大学/22歳
【FW】
中島 大嘉/水戸ホーリーホック/22歳(復帰)
OUT
【GK】
阿波加 俊太/引退/30歳
【DF】
岡村 大八/FC町田ゼルビア/27歳(完全移籍)
【MF】
小林 祐希/いわてグルージャ盛岡/32歳(完全移籍)
駒井 善成/横浜FC/32歳(完全移籍)
浅野 雄也/名古屋グランパス/27歳(完全移籍)
菅 大輝/サンフレッチェ広島/26歳(完全移籍)
【FW】
鈴木 武蔵/横浜FC/30歳(完全移籍)
大森 真吾/モンテディオ山形/23歳(2026年1月31日まで期限付き移籍)
*The information in this article is current as of the time of publication.
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