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Can the "East District All-Star" competition of individuality lead to excitement in the Route Inn BC League?

「北関東ヤンキース」VS「南関東シティボーイズ」。 草野球ではなく、歴としたプロ野球独立リーグでの対戦カードだ。ルートインBCリーグ12球団のうち東地区に在籍する4球団が、9月12日に独自で「BCL東地区オールスターゲーム2021」を開催した。北関東(栃木&茨城)と南関東(神奈川&埼玉)に別れての球宴に、この日小山運動公園野球場には900人超のファンが集結。投票や推薦で選ばれた東地区の人気選手の対戦や、チア・マスコットの競演を堪能した。試合は10-1で南関東シティボーイズが勝利した。

Icon img 20200702 114958 井上 尚子 | 2021/09/30
<東地区4球団が作る独自のオールスター>

当初は8月に予定されていた一戦。上原浩治さんをアンバサダーとして招き各種イベントを計画していたが、雨天により延期。

リーグ終盤ギリギリの時期に何とか振替開催に漕ぎつけたのは、来年以降も開催しようという思いがあるからだ。たくさんのファンを集められるイベントにし、BCリーグをもっと盛り上げたいという熱意が感じられる。

この日集まったファンは球団の垣根を越えて楽しみを共有し、「すごく楽しかった」「是非来年もやって欲しい」と声を弾ませていた。

ルートインBCリーグは今季12球団が3地区に別れてそれぞれがリーグ戦を行った。そのうち東地区の4球団がオールスター開催を発表。地区限定の開催に、中地区や西地区のファンからは疑問の声も上がったが、新しい試みを歓迎する向きも多かった。

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埼玉武蔵の辻空投手(元広島)

15年目となったBCリーグの中でも、東地区は歴史の浅いチームの集まりだ。

埼玉武蔵ヒートベアーズは2015年シーズンから参入し、今季は角晃多監督(元ロッテ)の下、東地区で初優勝に輝いた。「武蔵ロケッツ」と名付けた韋駄天カルテットを擁し、投打に充実したチームとなっている。

栃木ゴールデンブレーブスは2017年から参入し、地域に根付いたチームだ。BCリーグきっての集客力を誇り、西岡剛・川﨑宗則らスター選手と、実力派の生え抜き選手のバランスが良い。

茨城アストロプラネッツは2019年に参入。イラン代表監督も務めた色川冬馬氏をGMに登用。NPBだけではなく海外とも選手の行き来を活発に行う異色のチームとなった。

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「ホームラン競争」で優勝した牧田龍輝内野手(神奈川)


神奈川フューチャードリームスは2020年から参入。かつての首位打者鈴木尚典(元DeNA)監督始め、DeNAとの提携を行う。鈴木監督の下「ネオマシンガン打線」が爆発した昨季は参入初年度にBCリーグチャンピオンとなっている。

栃木と茨城の合同チームが「北関東ヤンキース」、埼玉と神奈川が「南関東シティボーイズ」。ネーミングにも思わずニヤリとさせられる。それぞれのユニフォームもヤンキースがヒョウ柄、シティボーイズが爽やかな色合いでデザインされており、ファンに向けてもグッズやユニフォームデザインのTシャツが販売された。

<お祭りムードと人気選手たちの競演>

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「スピードガンコンテスト」で優勝した池田瞳夢捕手(茨城)

試合前には各種のイベントが行われた。「ニアピンコンテスト」、「スピードガンコンテスト」、「ホームラン競争」と各チームからの代表選手による対決が続く。ロングティーのバットコントロールを競う「ニアピンコンテスト」では靏仁捕手(埼玉)が優勝。

「スピードガンコンテスト」には川﨑宗則選手(栃木)が参戦し、135キロを計測したが、池田瞳夢捕手(茨城)が140キロを記録し優勝した。

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「ホームラン競争」では牧田龍輝内野手(神奈川)が非凡な打力を見せつけ8本をスタンドに叩き込んだ。さらには飛び入りで神奈川の鈴木尚典監督、茨城のジョニ―・セリス監督が参加して打棒を披露するなど球場を沸かせた。

始球式では茨城ゴールデンゴールズから片岡安祐美監督兼選手が招かれ、見事な投球を披露した。

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北関東の先発・山田綾人投手(栃木)は通常クローザーとして登場する剛腕投手。南関東がヒットと犠飛で1点を先制。

対する南関東の先発辻空投手(埼玉・元広島)も150キロ超の球を投げるセットアッパーで、通常8回に登板する中では西岡・川﨑と対戦がなかった。

この日の舞台で、スター選手との対戦を楽しみにしていたという。結果はどちらも内野ゴロ。

持ち前の球威で打ち取った。エース級の継投と各チームの主力が並ぶラインナップで、一打席ごとの対決に見ごたえがある。応援席からはスピーカーや手拍子による応援も賑やかに響いていた。

2回には川﨑・西岡の二遊間が、華麗な連携プレーでダブルプレーを完成し、喝采を浴びた。

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その西岡が、3回表にはマウンドに上がる。公式戦でも一度あったが、ファンサービスの一環だろう。マスクは川﨑がかぶった。

だが南関東は容赦なく西岡を打ち崩す。さすがに昨年のBCリーグチャンピオンと今年の東地区チャンピオンの連合チームだ。足でかき回しタイムリーを重ねる。

「今日はみんなプレッシャーから解き放たれてますね」と試合前に笑顔で語っていた奈良雄飛外野手(神奈川)がダメ押しの2ランを放つ。

西岡は悔しがりながら7失点でマウンドを降りた。南関東は4回にも得点を重ね、北関東は7回に1点を返す。

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最終的には10-1で南関東シティボーイズが勝利した。点差はあったが全体的には締まった試合で、見どころが多かった。好投手の投球を数多く見ることが出来、栃木の成瀬善久兼任コーチも登板。お祭りムードに花を添えた。

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MVPに選ばれたのは一番ショートで4安打と活躍した青木颯内野手(神奈川)。好守備もあり存在感を見せつけた。


<BCリーグ選抜と「オールスター」と>

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BCリーグでは毎年「BCリーグ選抜」とNPBチームとの交流戦を行っている。実質各球団スカウトへのショーケースとなるため、選抜されるのはドラフト候補の若手の有望選手たちとなる。これもまた見ごたえがあり面白い試合なのだが、ここ2年は無観客だ。

対して「オールスター」にはドラフト候補も出場するが、ファン投票で選ばれるのは球団の中心となり愛されている選手たちだ。熱いファンの応援を受けて躍動する選手たち。この小山には、BCリーグでも人気と実力のあるトップレベルの選手たちが集結しているのだと感じられた。

今回ルートインBCリーグ東地区では、各球団の代表者たちが協力し合い、このイベントを開催に漕ぎつけた。選手にとって貴重な経験であり、観戦出来たファンの満足度も高い。

また、普段から東地区での中継を行う「応援.TV」以外にも、「SpoLive」というアプリでのリモート観戦や「投げ銭」での応援も導入し、来場出来ないファンが参加出来るサービスを行った。

BCリーグでは来季西地区(滋賀・福井・富山・石川)の4球団が脱退し、新リーグを結成することが決まっている。

8球団となるBCリーグ全体でこうしてオールスターを開催することは難しいかもしれないが、中地区(新潟・信濃・群馬・福島)には稲葉大樹(新潟・15年目)や井野口祐介(群馬・15年目)といったBCリーグのレジェンドたちがいる。

例えば彼らの競演が見られないものか。期待は膨らむ。この先定着していって欲しいイベントである。