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元・プロ野球選手が語る、“打者や投手の活躍度を測るMLBの新評価基準”とは
6月も後半に入り、日本人選手の活躍の続くMLBで選手の活躍を指標化するために注目されている新しい評価基準について、キャストの実演を含めて紹介する。※出典/Getty Images
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MLBの新しい“評価基準”とは
時代が変わるとともに変わる、選手の評価基準。その評価基準によっては、選手の年俸も大きく影響を受ける。過去にMLBのツインズに所属していた元・プロ野球選手の西岡剛によると、例えば、打者の評価基準としては、日本では“打率”がフォーカスされるが、MLBは“出塁率”が評価される点が異なるようだ。
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MLBの新評価基準について、まず打者では“打球速度”。それは、ヒットゾーンに打球が飛んだ時に、より速い速度の方が野手の間を抜けていき、2塁打以上の長打になる確率もまた高くなることがその理由である。また、打球速度と長打になる打球角度の関係に着目してみると、打球速度が速くなれば速くなるほど、その打球速度の幅が広くなる。例えば、打球速度158km/hの時に長打になる打球角度が26°から30°だったものが打球速度186.7km/hの時には8°から50°と、格段に長打になる打球角度の範囲が広くなり、その結果、打球が長打となる確率が上がる。つまり長打を生み出すには打球速度が非常に重要となることがわかる。
ちなみに、昨年のデータでは、打球速度が速い打者として1位はブレーブス・アクーニャJr.選手の195.1km/hで、大谷は4位の190.9km/hを記録している。西岡は「MLB時代の印象に残っている打球はあるか」との問いに対して、過去に大谷と同僚でもあったプホルス選手と回答。しかし、今までの体感で一番打球が速いと感じた選手としては、NPB時代の大谷と発言。甲子園球場での一戦、藤浪晋太郎選手と大谷の新人同士の対戦時において、大谷の打球が二塁を守っていた自らの1m横を弾丸ライナーで抜けていった際に、「動けなかった」とのことであった。
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続いて、投手に関してどんな投手が評価されるかという点でのMLBでの新評価基準として、“ピッチトンネルにどれぐらい通すことができるか”というもの。
ピッチトンネルとは、打者から約7m先に小さな輪があると想定する理論で、どんな球種でもその輪を通過するまでは同じ軌道を通り、球種によっては通過後に急激に起動が変化することで、打者は見極めが難しくなり、結果としてその対応が難しくなるというものである。「自らが経験した中で、球が手前で急に曲がる投手は誰か」という問いに対して、西岡はパドレス・ダルビッシュ有選手と回答し、「これ以上の選手はいない」とコメント。加えてダルビッシュは変化球の曲がりはじめる場所を自在に操ることのできる技術があるという点においても、特異な投手であると語った。
『ABEMA MLB's ON FLEEK』#11「大谷翔平の勢いが止まらない―6月22日から1週間の日本人選手の活躍を紹介。そして、打者や投手の活躍度を測る評価基準。そんなMLBの新評価基準とは。」より
配信日:2024年6月28日(金) 12:00 〜 12:15 毎週金曜に配信
内容:日本人選手の見どころ&独自の情報などMLBをもっと見たくなる情報を発信。
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています