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冨安健洋の飽くなき挑戦と飛躍ー「最終的に勝てばいい」“挫折”を“過程”に変えるまで何度でも立ち上がる不屈のサッカー人生

Jリーグのアビスパ福岡から19歳の若さで単身、海外に挑戦した冨安健洋。オランダ、イタリアで経験を積んだ後、世界最高峰のリーグの1つであるプレミアリーグにて3回の優勝を誇る強豪アーセナルに所属し、飽くなき挑戦を続けている。東京五輪やワールドカップも10代で経験し、順風満帆なキャリアを送っているように見える冨安選手だが、配信サービス「Lemino」のドキュメンタリー番組『Number TV』にてその口から語られたのは、これまでのサッカー人生で感じた「人生最大の壁」についてだった。※トップ画像出典/Getty Images

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U-18日本代表で参加した「イングランド遠征」で感じた挫折

冨安選手は2015年にU-18日本代表の一員として臨んだ「イングランド遠征」まで、海外をとくに意識していなかったと言う。

「先を見て行動をするタイプではないので、それまではまったく頭の中に海外というものはなかったですね。U-18日本代表でイングランドに遠征に行ってぼこぼこにやられて(前半3-1、後半2-0)、その時にこのままじゃ彼らには追い付けないと痛感させられて、それがきっかけで海外に出ないといけないなと思いました」と、この屈辱的な思いをさせられたことがきっかけとなって、海外リーグへ目が向いたのだとか。

怪我を抱えた状態でのベルギー挑戦で感じた苦悩

19歳で初めての海外挑戦をした冨安選手は、ベルギーリーグのシント=トロイデンを選んだ。しかし、怪我を抱えた状態での移籍だったため、半年ものあいだ苦しい時間を過ごすことになる。

「もちろんしんどかったです。怪我した状態でいって1回も練習していないのにずっとリハビリをしていたため、まわりの目は気になりました。なんでこいつ来たんだみたいな雰囲気もありましたし。その中でも自分の今やれることをやろうと思っていて、筋トレなどの体づくりをして体重を増やして半年を過ごしていましたね」

プレミアリーグを最終目標に“守備の国”イタリアへ挑戦

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画像提供/ NTTドコモ Sports Graphic Number

冨安選手の最終的な目標はプレミアリーグだったが、今の自分の実力では通用しないと考えていた。さらなる実力をつけてから挑戦をしたいという意識から、“守備の国”イタリア・セリアAへの挑戦を決める。

「守備の原理原則というか、ポジショニング、体の向き、相手にコンタクト・ブロックするところ。相手がボールを持った時に誰がいくのといった細かい守備の戦術は学ばせてもらいましたね。ベルギーはより1対1のところ。イタリアではより組織的な守備の戦術を学ぶことはできましたね」と、ボローニャでの2年間を振り返った。

アーセナルで味わったサッカー人生最大の挫折

順調に海外クラブでのキャリアを重ねた冨安選手は、世界最高峰リーグの1つ、プレミアリーグの強豪クラブ・アーセナルに22歳の若さで移籍を果たす。だが、そこではさらに高いレベルのレギュラー争いがあり、大きな挫折を感じることとなる。

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出典/Getty Images

「アーセナルに入って最初の半年は順調に試合に出させてもらっていましたが、その後、怪我をして、スタンドからアーセナルのサッカーを観る機会が増えたことで、チームメイトのレベルの高さをあらためて知って『このレベルに俺がついていけるのか』と…。そこから自信を失っていき、あせりもある中での難しい時間でしたね」

アーセナルで迎えた2年目も、冨安選手は怪我のせいで納得いくシーズンを送ることはできなかった。

「僕にとっての2シーズン目は、自分のサッカー人生の中で一番苦しんだシーズンでした。課題も分からずプレーに自信を失って、試合に出ていても『なんで俺が出ているんだろう?』『他の選手のほうが良くない?』とネガティブに考えている時点で、ハイパフォーマンスが出せずに悪循環入ってどんどん悪くなっていくという…。それでシーズン終盤で膝を怪我して悪循環のまま2シーズン目が終了したんです。ですが、2シーズン目の最後に膝を怪我したことで、自分のメンタルをリセットすることができる期間に当てられたので結果的には良かったのかなと」

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画像提供/ NTTドコモ Sports Graphic Number

挫折とどう向き合い前に進んだのか

冨安選手は、挫折の中でどのように自分と向き合い、怪我を抱えながらハイレベルな実力の選手がひしめくピッチへと復帰したのか。

「もともとネガティブでポジティブな性格ではなく、逆にこの性格だったからこそ失敗ややられてきた経験から学んで、立ち直って成長することができたんじゃないかと思っています。無茶苦茶落ち込みますし、だいぶしんどい思いはするけれど、継続すること、やめないことだと思います」

そんな冨安選手にとって、挫折とはどんな経験だったのか

「僕にとって『挫折とはプロセス』だと言いたいです。最終的に勝てばいい。最終的に自分のゴールにたどり着けばいいので。それまで一直線で挫折なく行ける人はいないと思うんです。僕も挫折や失敗をたくさんしていますが、そこで立ち止まってしまうとただの失敗なんですね。そこで立ち止まらずに、もう一度立ち上がって最終的に勝ちを掴めば、プロセス『過程』に変わるんです。なので、その一心でもがきながらもやっています。『挫折』ではなく『過程』にする。それが僕にとっての『挫折』ですね」

『NumberTV』 挫折地点~あのとき前を向いた理由~

タイトル:#1 冨安健洋
配信日:2024年9月26日(木)0:00~ 全24回配信(月2回配信予定)
content:トップアスリートの「挫折」と「復活」をテーマにしたドキュメンタリー番組。過去の写真が飾られた特別な空間(Number Room)で、アスリート本人がこれまでの人生を振り返り、挫折の瞬間や前を向けた理由について語る。

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