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谷亮子、吉岡里帆との初対談で明かされた「谷でも金」の裏側~アスリート×俳優で共鳴した「自信を持つこと」の大切さ~

五輪の柔道女子48キロ級で5大会連続のメダルを獲得し、“ヤワラちゃん”の愛称で親しまれた谷亮子が19日、俳優の吉岡里帆がナビゲーターを務めるJ-WAVE『UR LIFESTYLE COLLEGE』にゲスト出演。自身の現役時代や今夏に迫ったパリ五輪についてトークを繰り広げた。 トップ画像出典:(C)J-WAVE

Icon 30716468 1048529728619366 8600243217885036544 nYoshitaka Imoto | 2024/05/21
言わずと知れた柔道界のレジェンドである谷を、吉岡が独自の視点で深掘り。谷の現役時代の貴重なエピソードや、パリ五輪での注目選手についても明かされるなど、濃密な初対談となった。

メダルを手にした吉岡は大興奮

吉岡は初対面の谷に対し、「嬉しいという次元を超えている!」と第一声。

J-WAVEには初出演、ラジオはおよそ20年ぶりの出演となった谷へ、「本当にラジオに出てくださるんだということと、この番組にはいろんなレジェンドの方が出てくださってるんですけど、(そのなかでも)お会いする機会がないレジェンドです」と喜びを表した。

谷も、「私も吉岡里帆さんにお会いできるのをすごく楽しみにしていた」とファンであったことを明かし、「いつもラジオを聴いてます。大好きで声が聞こえると引き込まれてきて、馴染みの声なので楽しみ」と切り出すなど、“相思相愛”で実現した対談となった。

谷は、吉岡の前に五輪5大会で獲得したメダルを差し出すサプライズ。

「1992年のバルセロナが銀メダルで、続く1996年大会のアトランタも銀メダル…」と紹介しながら、「3度目の正直で臨んだ2000年のシドニーが金メダルです。こちら触ってください!」と吉岡に投げかけると、「やばいやばいやばいやばい!本当にやばい。こんなに重いんですね。重みがすごいです」と吉岡は大興奮の様子でメダルを手にした印象を口にした。

https://twitter.com/lifestyle_ur/status/1792080649660277107

成し遂げた日本女子選手初の快挙

吉岡が「全部にドラマがあって、コメントも全部秀逸。すごく印象付けられた」と振り返った谷の五輪でのキャリアのなかで、印象に残るものとして挙げたのが、2004年のアテネ大会。
谷は2003年、プロ野球のオリックスに所属していた谷佳知と結婚。旧姓の「田村」から「谷」へと苗字を変えて挑んだアテネ五輪で、2大会連続の金メダルを獲得した。日本女子の既婚選手としては初の金メダリストとなり、「谷でも金」と賞賛を受けるなど歴史に名を刻んだ。出産を経て挑んだ2008年の北京大会でも、さまざまなハードルを乗り越えて、銅メダリストとなった。

吉岡は、「誰も成し遂げたことがないことだから世界中がすごいと思ってるんだけど、ひとりの女性として、結婚して子どもを育てながらも戦えるんだ!と思った。カッコいいと思いました」とその理由を明かす。

これに対し谷は「すごく嬉しい!」と喜びながら、アスリートとしての分岐点となった“出産”について回想した。
「出産してから48キロ級なのに8キロもオーバーしていて、体重を絞っていくことから始めた。自分自身の身体と向き合った時に、骨盤が出産のときに開いてしまった。骨盤を元にあったところに戻していく体操を自分なりに考えたり、トレーナーの先生と一緒にやりました」。

世界の舞台を前に必要な積み重ね

番組中盤で語られたのが谷の幼少期のルーツ。思い出の場所として出身地である福岡県の志賀島について挙げた谷は、「柔道を始めて目標ができてからは砂浜ダッシュをしていた。私の足腰は志賀島の砂浜でできたと言っても過言ではないです」とその後のキャリアの礎となった身体づくりについて語る。

また、階段が108段ある大嶽神社を毎日10本繰り返していたという厳しいトレーニングの話では、俳優である吉岡が自らの視点で切り込む場面も。
「アスリートの方って緻密で一見地味に見えるんだけど、人が絶対真似できない量をずっとルーティーンとしてされるじゃないですか?その積み重ねで身体が鍛え上がり、精神力も上がっていく。同じことをしている時間ってどういうことを考えて乗り越えていくんですか?」。

この問いに対して谷は、「試合の時に畳の上に立った時に、何が一番必要かって、稽古に裏付けられた自信だけしかない」と断言。

「稽古に裏付けられた自信こそ、世界の舞台に立った時に大きな支えとなってくれる。それだけの練習をしてないと、緊張して萎縮したり力を出せずに終わる」と自らの経験を元に語り、吉岡が「本番の時に自信を持ててないとお客さんに楽しんでもらえる状態にまで持っていけない」と共感を示すなど、職業を超えた共通項で両者が交わり合う場面が見られた。

パリ五輪期待の“二世選手”

後半には夏に控えたパリ五輪に紐づいたトークが展開され、吉岡が五輪を知り尽くしたレジェンド、谷へ注目選手を問いかけた。

これに対し谷は、「みんな素晴らしい選手が出場するんですが、そのなかでも男子の100キロ超級で出場する斉藤立選手」と言及。1984年ロサンゼルス五輪、1988年ソウル五輪で連覇を達成し、全日本の監督も務めた斎藤仁の息子である斎藤立を注目選手に挙げ、「初めて会った時から将来五輪選手になるんだろうなと見ていた。彼も努力して初めての五輪に挑戦するので、本当に頑張ってほしい」と初出場の22歳にエールを送った。

「心地よい音楽とともに、よりよいライフスタイルを考える」が番組テーマである『UR LIFESTYLE COLLEGE』。番組内ではほかにも、家の間取り図を持参した谷が家のこだわりポイントを明かし、「結婚してからも後も性格が全く変わらない」と夫・佳知についてのエピソードも披露された。

約20年ぶりのラジオ出演となった谷は「初めてお会いしたんですけど本当にキラキラしていて、幸せな時間でした」と感想を述べ、吉岡も「私もとても幸せな時間でした」と返し初対談は終了。現役時代の数々のエピソードから今についても語られた濃密な時間となった。